カーラ・ブレイ ECMレコードに残した自由な軌跡、没後初UHQ-CD化で10作品が蘇る
今年創立55周年を迎えるヨーロッパを代表するジャズ・レーベルECMレコード。 数々の才能ある女性アーティストもこのレーベルで活躍しているが、中でも最も長くECMと関わってきたのが作曲家/ピアニストのカーラ・ブレイと言えるだろう。
惜しくも、昨年10月17日に87歳で他界したカール・ブレイは1971年リリースの衝撃のデビューアルバム「エスカレーター・オーヴァー・ザ・ヒル」から2020年にリリースした遺作「ライフ・ゴーズ・オン」まで、49年間ECMを通じてアルバムをリリースしてきた。
1960年半ばからオーネット・コールマンに影響を受け、ジャズ作曲家として本格的に活動を開始したカーラ・ブレイ。映像作家マイケル・スノウに教えられたザ・ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の制作に大きな影響を受けた詩人ポール・ヘインズとのジャズ・ロック・オペラ「エスカレーター・オーヴァー・ザ・ヒル」でジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ・アソシエーション(JCOA)から1971年にデビューした。
その後は2009年までマイケル・マントラ―と共同設立したWATTレーベルから続々と作品をリリースしたが、どちらのレーベルもECMの販路を使っての流通となり、2013年以降はマンフレート・アイヒャーのプロデュースの下、最後の3作品はECMからリリースしている。
今回初めてUHQ-CDでのリリースとなる全10作品は、彼女がこれまでリリースした全作品の中から日本での実績の高い作品かつ現在入手するのが困難なものをセレクト、ジャンルに一切とらわれない自由でユニークなカーラ・ブレイの世界、今なお新鮮で再評価に値する音楽と言えるだろう。
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