ピアニスト・外山啓介、サントリーホールをはじめ7か所でピアノ・リサイタル『プレリュード』を開催

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外山啓介

外山啓介     (C)Yuji Hori

ピアニスト・外山啓介によるサントリーホールでのピアノ・リサイタルが2024年9月1日(日)に開催されることが決定した。

2007年のサントリーホールデビュー以来ほぼ毎年、サントリーホール(東京)およびザ・シンフォニーホール(大阪)など中心に大ホールでのリサイタルを開催してきた外山啓介の2024年リサイタル・ツアーが行われる。6月の山梨公演を皮切り、東京・大阪を始め、7か所での公演が決定している。

2024年に選んだテーマは「プレリュード」。厳選されたドビュッシー、ラフマニノフの前奏曲、そしてショパンの傑作「24の前奏曲」を披露する。外山の演奏活動も15年を超え、ピアニストとして、充実の時を迎えようとしている。このリサイタルは、その始まり、新たなステージに向かうための“プレリュード”となる演奏会だ。

外山啓介ピアノ・リサイタル『プレリュード』

外山啓介ピアノ・リサイタル『プレリュード』

開幕は、ドビュッシーとラフマニノフの「前奏曲」。柔らかなドビュッシーと厳かなラフマニノフの旋律が、演奏会の始まりを告げるとともに、後半の「24の前奏曲」への入口ともなる。

まずはドビュッシーの前奏曲第1巻から「亜麻色の髪の乙女」。優しく温かみのあるメロディは、誰もが一度は耳にしたことのあるはず。ドビュッシーの前奏曲の中でも最も有名な曲。「ヒースの茂る荒地」は第2巻からの選曲。スコットランドの荒野を想わせる穏やかさから一転、空に舞い上がっていくように美しくドラマティックな旋律を描く。
続いて演奏するのは、クレムリン宮殿の鐘の音に着想を得たことから、「鐘」の愛称で知られる前奏曲。劇的かつ荘厳なメロディは、ラフマニノフのピアノ・ソロ曲の中でも屈指の人気を誇る。

次に演奏するのは、愛と死を描くワーグナーによる劇的な「イゾルデの愛の死」。リスト編曲のピアノ版が広く知られており、近年、外山はこの曲をアンコール・ピースとして取り上げることも多く、愛奏している一曲。
そして、ショパンの「3つのマズルカ op.59」「舟歌 op.60」と続く。いずれもショパンが健康面、生活面ともに不安を抱え、晩年に近づいていく中でつくられた楽曲。そんな状況の中で、祖国を想いながら自らの原点を見つめるようにマズルカを作り、さらにピアニズムの集大成ともいえる最高傑作のひとつ「舟歌」を書き上げた。ショパンの作曲家人生の中でも、非常に重要な2曲といえる。この3曲を通して、外山啓介の現在から未来に向けて、どんな状況が訪れようとも生涯ピアニストとして生きていく、という強い覚悟を感じることができるだろう。

後半は、待ちに待ったショパンの「24の前奏曲 全曲演奏」。有名な第15番「雨だれ」や耳馴染み深い第7番をはじめ、さまざまな調性で書かれた多彩な楽曲が泉のように湧きあがるショパン屈指の傑作であり、「前奏曲」というジャンルの最高峰。

外山啓介がこの曲をリサイタルで取り上げるのは、今回が初。その理由を「作品の偉大さに圧倒され、そのきっかけをつかめずにいた」と語る。しかし、ピアニストとして次の段階へ進む2024年に「この作品を演奏するのは今年しかないと感じている」と強い決意をもって、この大曲に臨む。

遠くにバッハなど先人達への敬意を表しながら未来のドビュッシーやラフマニノフへと繋がっていくショパン芸術の精髄を堪能しよう。

外山啓介 コメント

外山啓介              (C)Yuji Hori

外山啓介 (C)Yuji Hori

今回は、幼い頃からの憧れであるショパンの「24の前奏曲(プレリュード)」をメインに据えたプログラムを演奏いたします。
いつか勉強したいと願い続けておりましたが、作品の偉大さに圧倒され、そのきっかけをつかめずにおりました。
しかし、40代に突入する今年は新しいことや大きなことに挑戦したく、この作品を演奏するのは今年しかないと感じております。
この演奏会を通して、今までとはひと味違った自分に出会えるような気がしています。
もしも皆様がその瞬間を共有していただけたとしたら、こんなに幸せなことはありません。

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