H ZETT M、1年がかりで作り上げた初のフルオーケストラ公演が大盛況のうちに終演

アーティスト

H ZETT M × 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

1月21日静岡・コンベンションアーツセンター グランシップで、ピアニストH ZETT Mの初となるフルオーケストラ公演「H ZETT M×神奈川フィルハーモニー管弦楽団『新しいチカラ』」が実施された。

本公演は、H ZETT Mが過去に発表してきた作品、同一人物と噂される、とある人物の作品をフルオーケストラアレンジし、神奈川フィルハーモニー管弦楽団と指揮者の高井優希、グランシップ(静岡県文化財団)の協力のもと実現した。

H ZETT Mがこの公演を思いついたのは、2019年にH ZETTRIOが同会場で公演を実施した時だということなので、約5年の紆余曲折を経て現実のものとなったのだった。公演タイトルの「新しいチカラ」はH ZETT Mの1stピアノアルバムのリード曲であり、今回、新しい事に挑戦するにあたり、初心にかえろうという気持ちが込められているのかもしれない。

当日の会場には1000名を超える老若男女が集まった。2週間ほど前からYouTube等でアニメーションを用いたデモ音源や神奈川フィルハーモニー管弦楽団とのリハーサル映像が公開されていたため、口コミやSNS上でのファンによる発信によって、より多くの人々がこの公演を知る所となり、H ZETT Mのファンから硬派のクラシックファンまでという大きな動員につながったとみられる。

開演前の客席はH ZETT Mのソロコンサートとは少しちがった、やや緊張感を含んだ空気に包まれていた。やがて定刻となり、客席の照明が落とされると神奈川フィルハーモニー管弦楽団のメンバー、そして指揮者の高井優希がステージに登場し、最後にH ZETT Mが姿を現した。

歓声に包まれる中、マイクを手にしたH ZETT Mは「第1部は、私は参加せずオーケストラの皆さんのみの演奏を披露し、休憩を挟んだ後、第二部から私も参加して参ります」と挨拶をし、オーケストラにステージを預けた。

やがて幻想的な映像が映し出され、それとともに「新しいチカラ」「ショーがはじまる」が続けて演奏された。「いくつかのワルツ」と題されたH ZETT Mのワルツを取り入れた曲のメドレー、また「Recollection」では外部に提供した曲や、H ZETTRIOの曲も一部披露された。その後「近代」をもって第一部は終了した。

休憩を挟み、第2部が開演すると、その冒頭ハーモニックパイプとハンドベルを持ったH ZETT M本人のみが登場し、いつものユーモラスな動きとともに「Fantasia」を披露した。会場は笑いに包まれ、一気に緊張感が緩んだ様子だった。

再び、神奈川フィルハーモニー管弦楽団のメンバーと指揮者の高井優希がステージに登場すると、ここからついにH ZETT Mとのコラボレーションが始まった。H ZETTRIOの前身となったジャズバンドではないかと噂されるバンドPE’Zの代表曲「AKATSUKI」が弦楽合奏で始まり、その後、フルオーケストラで「みるみるうちに光に包まれて」「つなぎとめて」が続く。そして、この日のために作曲された「青の図鑑」、最後にはお馴染みの「ARIGATO」が演奏された。鳴り止まぬ拍手の中、一度退場したH ZETT Mが再び舞台に登場し、今度は本人も加わって再び「新しいチカラ」を披露して幕を閉じた。

フルオーケストラの生演奏とH ZETT M作の楽曲が、この両者が融合する事によってしか紡がれることができない壮大なスケール感を得て未知の感動を生み出し、興奮と感動にあふれた贅沢なコラボレーション公演となった。

演奏曲目

1部 H ZETT M名曲アラカルト 〜オーケストラ Ver.〜

01. 新しいチカラ(混合 Mix Ver.)
02. ショーがはじまる
03. いくつかのワルツ(それは空中さんぽ〜あしたのワルツ〜ワルツ〜永遠はみつからない)
04. Recollection(舞台大西洋レストラン〜群青日和〜Neo Japanesque〜こんがらがって〜そら〜Theme of PIANOHEAD〜Beautiful Flight)
05. 近代

2部 H ZETT M × 神奈川フィル コラボステージ

01. Fantasia(Solo)
02. AKATSUKI(弦楽 Ver.)
03. Ballade(みるみるうちに光に包まれて〜つなぎとめて)
04. 青の図鑑(新曲)
05. ARIGATO

アンコール

新しいチカラ(with Piano)

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