BAND-MAID、結成10周年ツアー前半戦を満員の中完走 巻き起こったシンガロングに「最高―!」

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Photo by FG5

世界的人気のガールズバンドBAND-MAIDが結成10周年を記念し開催しているツアー「BAND-MAID 10TH ANNIVERSARY TOUR(JAPAN)」KAWASAKI CLUB CITTA’公演を7月19日に行い、チケットはソールドアウト、大盛況のなかツアー前半戦を終えた。

2023年に開催された関東圏のお給仕(ライブの呼称)では、東京ガーデンシアター、ZEPP SHINJUKU公演ともにチケット完売となっていたBAND-MAIDなだけに、この日のKAWASAKI CLUB CITTA’公演は入手困難なプラチナ・チケットとなっていた。

本ツアーから一新となったSEに併せて、小鳩ミク(G, Vo)、SAIKI(Vo)、KANAMI(G)、MISA(B)、AKANE(Dr)が颯爽とステージに登場すると、“世界征服”を目標に掲げ邁進するBAND-MAIDの名刺代わりとも言える1曲「DOMINATION」からスタート。会場に集ったご主人様・お嬢様(ファンの呼称)も冒頭から拳を突き上げ、歌詞中にある“Hello”の大合唱が早速巻き起こる。本年から声出しOKとなったこともあり、今までのフラストレーションを昇華するかのように、会場の熱気も1曲目から最高潮に。「glory」「Carry on living」などKANAMIのテクニカルなギターリフが印象的な楽曲を畳み掛けるように披露すると、「Liberal」ではAKANEのツインペダルから繰り出される高速ビートが冴え渡るなか、テンポチェンジ、変拍子と目まぐるしい展開でも安定したリズムで演奏を支えていく。

SAIKIが一度ステージを後にすると、小鳩ミクがメインボーカルをとる「Rock in me」へ。この曲ではギターを置き、ハンドマイクでステージを右へ左へ歩みながら歌い上げる小鳩ミク。「声を聞かせてっぽー」と会場へおねだりすると、“Hey Hey”と掛け声が大きくなっていく。会場が和んだところで一転、小鳩ミクがマイクを置きギターを再び手に取ると、インストゥルメンタル曲「from now on」へ。さきほどまでのチャーミングな歌唱からガラッと変わり、キレのあるリズムギターを掻き鳴らす。BAND-MAID結成後に初めてギターを手にしたという小鳩ミクだが、ツインボーカルの一人としてだけではなく、ギタリストとしてもこのバンドになくてはならない存在になったことで、BAND-MAIDがお給仕でより幅広いアプローチができるようになったことを実感する。

再び登場したSAIKIも「かっこよかったね、みんな」とメンバーを絶賛。「MCのときと大違い。笑」と、演奏とMCのギャップを自らいじっていく。結成10周年を迎えられた喜びを語るなか、演奏中はクールな表情で激しい演奏を繰り広げるMISAが、このときばかりはあふれる笑顔で「家族だもんね!」とメンバー同士の仲の良さを嬉しそうに話すなど、BAND-MAIDの結束力の強さがMCからも伝わってくる。

2022年のアメリカツアー時に作曲し帰国後形にしたというバラード曲「Memorable」では、暗転したステージにメンバーを照らす柔らかい光が射し込み、会場はあたたかい空気に包まれる。ピアノとストリングスをバックにSAIKIがしっとりと歌いはじめた「Daydreaming」など、激しいロックだけではなく、伸びやかなSAIKIの歌声が堪能できるミディアム・ナンバーも名曲揃い。BAND-MAIDの作曲のほとんどを手掛けるKANAMIのソングライティング力もこのバンドの躍進を支えているひとつだとあらためて気付かされる。

お給仕も終盤にさしかかったところで、「DICE」の演奏終わりからそのままAKANEのドラム・ソロへ突入して始まった「HATE?」を披露。セッションを組み込んだスペシャル・ヴァージョンとなっており、MISAの唸るベース・ソロとKANAMIのメロディアスなギター・ソロの応酬で沸かせるなど、演奏力の確かさをこれでもかと見せつける。

白熱したセッションの後は、小鳩ミクによる恒例のコールアンドレスポンスである「おまじないタイム」かと思いきや、この日はなんと、AKANEによる「おまじないタイム」も繰り広げられることに。小鳩ミクのコールに負けじと披露された、AKANEの普段のキャラクターとは異なる衝撃的な「萌え萌え、キュンキュン」コールとポーズに、大爆笑の会場とメンバー。十八番のコールを奪われがっくりとステージに倒れ込むポーズをする小鳩ミクだったが、ご主人様・お嬢様の応援コールで立ち直り、再び会場を盛り上げていく。

SAIKIの「ラストスパート、行こうかー!」の掛け声を皮切りに、「FREEDOM」や骨太なミドルテンポの楽曲「Manners」をしっかりとした迫力ある歌声で歌い上げると、アメリカのフェスでもシンガロングが巻き起こったミディアム・ナンバー「endless Story」のイントロへと繋がっていく。この日も当然のようにシンガロングが巻き起こったが、会場から歌声が聞こえる箇所になると、ステージ後ろから客席へ向かって光が射し、会場に集まったご主人様・お嬢様を照らしていく。観客ひとりひとりの表情が見えていたのだろう、メンバーにも笑顔があふれると、頬を緩めたSAIKIが「最高―!」と叫ぶ。ラストは、お給仕の定番曲でもある「Screaming」「NO GOD」を全力疾走のまま演奏、約2時間20分に亘り、全23曲を披露しステージを締めくくった。

なお、BAND-MAIDは8月2日には初となるベスト・アルバムを発売。8月4日には米国3大野外フェスのひとつ「Lollapalooza Chicago」出演に加え、メキシコ含む北米ツアーを8月に再度開催することが決定している。凱旋公演かつ10周年ツアーファイナルとなる神奈川・横浜アリーナ公演のチケットも各種先行販売を実施中。

さらに、7月31日発売となる「BURRN!JAPAN vol.22」では表紙&巻頭大特集が決定、気になる表紙写真も公開となっている。

Photo and Text by FG5

2023年7月19日 KAWASAKI CLUB CITTA’ set list

1 DOMINATION
2 glory
3 alone
4 Play
5 Carry on living
6 Balance
7 Liberal
8 Choose me
9 Rock in me
10 from now on
11 Different
12 Bubble
13 anemone
14 Memorable
15 PAGE
〜intro
16 Daydreaming
17 DICE
18 HATE? – session-
19 FREEDOM
20 Manners 〜intro
21 endless Story
22 Screaming
23 NO GOD

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