グレープ(さだまさし&吉田政美)一夜限りの復活コンサート開催、新曲をサプライズ披露&47年ぶりのオリジナル・アルバム発売も

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写真:田中聖太郎

10月25日にフォーク・デュオ グレープとしてシングル「雪の朝」(1973.10.25)でレコードデビューしてから50年を迎えたさだまさしが、吉田政美とグレープを結成して満50年となる11月3日に、東京・神田共立講堂にて「GRAPE 50年坂 一夜限りのグレープ復活コンサート」と題して単独コンサートを開催、そのステージ上で、47年ぶりとなるグレープ名義のニュー・アルバムを2023年2月15日にリリースすることを発表した。

高校生の時に知り合った、さだと吉田の二人が、のちに長崎で再会し、1972年のこの日にグレープを結成し、翌年1973年10月25日にメジャーデビュー。「精霊流し」をはじめとするヒット曲を世に多数放つも、1976年春、デュオを解散。その後2人は1991年にレーズンの名前で復活を遂げたほか、さだまさしソロ・コンサートのステージ上やイベントなど短尺でのグレープ復活はあったものの、今回のようにグレープ名義で単独コンサートを開催したのは、実に約46年半ぶりとなった。

さらに今回開催が発表された会場は、1976年3月26日に行われ、のちに伝説と呼ばれた「グレープ・ラストコンサート」の会場だった神田共立講堂。同会場は、かつて数々の人気フォークシンガーがコンサートを行い、フォークの聖地と呼ばれた会場で、現在は学校関係者以外への貸出は原則一切行われていない中、今回特別な計らいをもって開催が決定、当日は学校施設ということもあって感染対策の関係上キャパの半分しか動員できないこともあり同ライブは同時生配信も行われた。

そんなステージは、全国からファンが集まることを鑑みて15:00ちょうどに開演。代表曲「精霊流し」で登場したさだと吉田のふたりは、「こんにちは、グレープです!!グレープですって挨拶して、精霊流しをやっちゃったら、後はアンコールじゃないの??」とお道化つつ、さだが「46年ぶりの共立講堂、きれいになりましたね!吉田は昔っから忘れっぽいから覚えてないと思うけど…」といじると、吉田が「半世紀も前のことよく覚えてるね!!おまえ(さだ)が男でよかったよ~!」と返すなど、長い付き合いならではの息ピッタリトークで会場を沸かした。

「紫陽花の詩」、デビュー曲「雪の朝」と続けたあとは、バンドメンバーも参加して「殺風景」など4曲を披露。さだが「今回一夜限りのコンサートをやろう、ってなった時に吉田が”同窓会はつまらないから、新しいことをやろう。新曲やろう!”って言うから、EP?って聞いたらLP(アルバム)って!それでまだ数曲しかできてないけど今、アルバム作ってます。21歳の時に出したグレープの1stアルバムが”わすれもの”というタイトルだったから、今回は”ものわすれ”ってタイトル、閃いちゃったんだよね~」と話すと場内は爆笑の渦に。そんな、まだ制作中の新曲2曲(「ゲシュタルト崩壊(仮タイトル)」「天人菊(仮タイトル)」を惜しげもなくサプライズ披露すると会場のファンは一斉にその歌声と歌詞に聴き入る場面も。さらに、グレープ50周年を祝してグレープジュースで乾杯の場面ではオーディエンスから盛大な拍手に包まれた。

さだは「今日は北海道から九州まで、遠いところからありがとうございます。グレープを50年支えていただきありがとうございます。グレープとしてのアルバムもこれからちゃんと作ります!早ければ2月に!47年ぶりの4枚目のオリジナル・アルバム!どうかお待ちください」とアナウンスして起こった拍手喝采を制して、「拍手は要らない、買ってください!」と、2月15日に発売が発表されたニュー・アルバムをアピールした。

コンサートは「縁切寺」「無縁坂」といった代表曲をもって本編を終了。アンコールはWアンコールまで続き、最後のMCでさだが「ギター弾きっぱなしで、吉田も自分も指がヘロヘロ、昨日から首も回らない。借金以来です」と笑いを誘いつつも「またアルバム完成記念とかって言って(コンサート)やるからさ!!」というと、吉田が「でも今日のコンサート、一夜限りって謳ってるじゃない!」っとすかさず指摘、対してさだは「今日のは夜じゃなくて白昼のコンサートだからさ!」とコメント。その後ラストソング「19才」をもって2時間半にわたったグレープ復活コンサートは幕を閉じた。

この日発表されたグレープ47年ぶりとなるニュー・アルバムは、75年11月25日にリリースされたシングル「無縁坂」/アルバム「コミュニケーション」以来約47年ぶりとなるグレープ名義最新作品で、この日先んじて披露された新曲はもちろん、代表曲「精霊流し」「縁切寺」「無縁坂」のセルフカバー新録音3曲を含むオリジナル・フル・アルバム。さだの音楽活動50周年の第1弾アイテムとなる同作品の詳細は、今後随時明かされていく。

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