セリーヌ・ディオン、超満員の東京ドームで22曲を熱唱 10年ぶり、感動の来日公演レポート

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セリーヌ・ディオン 2018年6月26日

<セリーヌ・ディオン来日公演レポート>
2018年6月26日 東京ドーム

満員の観客で埋め尽くされた東京ドーム。オープニングアクトの後、19時前にセリーヌ・ディオンが登場した。

10年ぶりの来日公演だからか、少し硬い表情で、全米NO.1ヒット曲「パワー・オブ・ラヴ」を歌い始める。感動の再会に、客席のあちこちで小さな歓声が上がり、それが万雷の拍手になった時、セリーヌは、ホッとした笑顔を浮かべて、「ちょっと緊張しているの」と語った。

10年前と異なり、正面に設置されたステージ。デザインはシンプルで、ダンサーもいない。でも、よく見るとバンド以外に3名のホーン奏者と弦楽四重奏までいる。なんて贅沢な編成なのか。最高の演奏で、歌を届けることが今回のテーマなのだろう。実際に低音から高音までよく声が響いている。

2曲目以降も大ヒット曲が続く。そのなかで、「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」では終盤に歌を止めて、観客に「一緒に歌おう」と促す。そのやりとりが上手。笑いを誘うMCもそうだし、ラスヴェガスでロングラン公演を続けてきた片鱗が見てとれる。

衣装チェンジが5回あったが、早いし、その時間を使って次のセクションに転換するのが巧み。特に良かったのが、ステージ中央に移動した弦楽四重奏がオケピの音出し風効果音から優美な演奏に転じるなか、セリーヌが登場して、「17歳の頃」、「ア・ニュー・デイ・ハズ・カム」、「ユニゾン」の3曲を途中でコーラスが加わりながら、メドレーで歌ったところ。

成熟した大人ならではの洒脱なパフォーマンスが印象的だったし、オリジナルでは葉加瀬太郎が颯爽とヴァイオリンを弾いた「トゥ・ラヴ・ユー・モア」へと続く流れもドラマティックだった。

カヴァーを含めて22曲、全てに共通するのは時代を超えて愛され続けていること。この歌を聴きたいからコンサートに行く、という動機になる歌ばかり。それは歌と生きてきたセリーヌの素晴らしい足跡でもあると…。

最後はもちろん「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」の熱唱だった。

文:服部のり子

この感動の一夜の模様は、8月25日にWOWOWにて放送されることが決定している。

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