高橋優 熱狂のツアーファイナル横浜公演が終了、37公演におよぶ全国ツアーを完遂

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高橋優「ROAD MOVIE」ツアーファイナル

37公演36箇所を4ヶ月にわたって走りきるという「ROAD MOVIE」ツアーは、高橋優にとって、自身最大規模というだけにとどまらない重要な意味を持つツアーとなった。

開演を待ちわびる会場内には、様々な映画のテーマ曲がBGMとして流れ、「ROAD MOVIE」感を盛り上げる。

暗転後、タイトルが映し出されたフィルムをかたどったビジュアルが、じつはバスの窓だったという粋な演出は、ツアーで巡ってきた様々な土地を走り抜け、横浜に停車すると窓に映ったアニメーションに合わせてメンバー、そして高橋優が登場するという凝りよう。それにしても、オーディエンスの反応がものすごい。しかもファイナルというだけあって、待ってました感が半端ない。

1曲目は、1stアルバムでもトップを飾った「終焉のディープキス」。「ROAD MOVIE」が、いろんな土地をめぐることと、高橋優のこれまでのキャリアを一緒に旅することのダブル・ミーニングだということに気づく。

「象」「現実という名の怪物と戦う者たち」とアグレッシヴなナンバーがつづく。いわゆるヒット曲や有名曲を頭に持ってこないあたりにも、高橋のチャレンジングな気持ちが伝わる。

そう考えると、このツアー自体が、自身の“ライブ力”を試す真剣勝負の場だったような気がする。まだ行ったことのない土地を多く含んだ37公演36箇所をこうした媚びないセットリストでまわり、全国各地のオーディエンスを熱狂させてきたという結果が、この日の圧巻とも言えるパフォーマンスとなって現れていた。

そしてもうひとつ。高橋優は常に現在を歌うシンガーであることを再認識した。中盤、「どれだけやってもバンドアレンジができなかった」という「BLUE」をアコースティックギターの弾き語りで、そして「シーユーアゲイン」をピアノとの弾き語りで披露し、「ロードムービー」のバンド演奏につなげたのは、このツアーの核とも言える部分だ。楽曲を進化させることと、変えないこと、その足掻きや決断をそこで見せてくれることに、オーディエンスは共感し、感動するのだ。

「ルポルタージュ」から始まった後半の畳み掛けは、巨大なまはげ(高橋優バージョン)が登場する「泣ぐ子はいねが」でクライマックスを迎えた。“泣ぐ子はいねが”というフレーズをコール&レスポンスできるのは、間違いなく高橋優だけだ。本編ラストは「虹」。「ファイナルだからとか関係なく、全部、空っぽにして出し切ったら、また違う明日が見えてくるんじゃないかと思います」と、今できるすべてをぶつけた。

アンコール1曲目は「パイオニア」。そしてファイナルのみ追加された「こどものうた」を披露。と、ここで高橋優からリアルタイム告知解禁情報が。3回目となる「秋田CARAVAN MUSIC FES 2018」が開催されることが発表された。

今回の場所は、仙北市・田沢湖生保内公園野球場。「田沢湖駅には新幹線が通ってるからアクセスがいいぞ!」とアピール。

このツアー中ずっと最後に歌ってきた「リーマンズロック」でファイナルも締めた。音が鳴り止んでも、まだまだつづきがあるようなすがすがしさが残った。

撮影:新保勇樹

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