アデルのマネージャー「アルバムは早いほうが良い」

コラム 高橋裕二の洋楽天国

イギリスの音楽業界誌ミュージック・ウィークがアデルのマネージャー、ジョナサン・ディキンズの「アルバムは早いほうが良い」とのコメントを伝えた。

前作「25」は2015年11月に発売され、発売初週のCDと有料ダウンロードの合計が350万枚という驚くべき売り上げ数字だった。31歳のアデル。今世界で最もレコードを売る事が出来るアーティスト。

本名はアデル・ローリー・ブルー・アドキンス。1988年5月5日、イギリス・ロンドン北部のトッテナムで生まれた。母親のペニーは10代のシングル・マザーとしてアデルを育てた。5歳の頃から歌い始める。5人組の女性グループ、スパイス・ガールズが大好きだった。後にインタビューで、「私が今いるのは彼女達のお陰です」と答えている。

2006年5月、クロイドンにある音楽や演劇の為の専門学校「BRITスクール・フォー・パーフォミング・アーツ&テクノロジー」を卒業する。英国レコード協会が資金援助をしている教育機関だ。クラスメートにはレオナ・ルイスやジェシー・Jがいた。学校では将来レコード会社の制作担当者になるつもりで勉強していた。しかし3曲ほど録音したデモ・テープを友達にあげた事で違った人生がスタートする。

友達は彼女のデモ音源を音楽に強いSNSの「マイスペース」に投稿する。これが大きな反響を呼び、インディーズの大手レコード会社「XLレコーディングス」のスタッフがアデルに電話で接触をする。彼女はこの電話を疑った。彼女はレコード会社は「ヴァージン・レコード」しか知らなかった。スパイス・ガールズがヴァージン・レコードだったからだ。

不安だったアデルは友達に付き添いを頼んで「XLレコーディングス」を訪れる。制作マンのニック・フゲットと面談し、契約した。2008年、イギリスのグラミー賞といわれるBRITアワードで、批評家が選んだ新人アーティストという「クリティックス・チョイス」を授賞する。デビュー・アルバム「19」は、まさしくアデルが19歳の時にレコーディングしたもので、イギリスの公式アルバム・チャートで1位になった。その後アメリカに進出。グラミー賞の主要4部門は全て取った。

前作「25」と異なる点は二つ。レコード会社がインディーズのXLレコーディングスからソニーミュージックに変わった事とストリーミングの状況だ。アメリカはソニーミュージックが販売ライセンスを受けたが、その他の地域はXLレコーディングスとXLレコーディングスからライセンスを受けたインディーズ系のレコード会社が販売した。今回ソニーミュージックが全世界的にどんなマーケティングと宣伝で攻めてくるか興味深い。またストリーミング状況は2015年当時とは全く違う。

ニュー・アルバムの発表は、2月19日に行われるイギリスのグラミー賞と言われるブリット賞(BRITアワード)で、かもしれない。

高橋裕二の洋楽天国記事提供元:洋楽天国
高橋裕二(たかはし・ゆうじ)
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