音楽情報検索アプリShazamに3大メジャーレコード会社が約3億円を出資

コラム 高橋裕二の洋楽天国

シャザム(Shazam)という音楽情報検索アプリ。スマートフォンをTVやラジオやファーストフード店で流れている音楽にかざすとアーティスト名や曲名がわかる。それゆえ一般消費者が「この曲はなんて曲?」と興味を示した数字がランキングになる。

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14日、アメリカの経済新聞ウォール・ストリート・ジャーナルは、シャザムにレコード各社が出資すると報じた。それによると、ソニーミュージックとユニバーサルミュージックとワーナーミュージックはそれぞれ3億円を出資するそうだ。しかし今シャザムの価値は500億円にも上っているので各社の出資額は1%にも満たないという。だがシャザムには株式上場の話がある。そうなったらうまい話。ちなみにシャザムは曲を使ったり音源を使ったりはしないので、音源使用料や著作権印税は発生しない。

アメリカのラジオはレコードをかけてもアーティスト名や曲名を言わない事が多い。ラジオを聴く機会が多い車の中でスマートフォンのシャザムのアプリを使えばすぐに分かる。レコード会社にとってみれば、シャザムのランキングを見れば、自社のアーティストがどう興味を持たれているかが一目瞭然だ。一押しなのにランクが上がらなかったり、新人だが突然ランクが上がったりする。レコード会社としては、ラジオ局の選曲を担当する編成マンに、「この曲、シャザムですごい人気なんです。そろそろかけてもらえませんか」とお願いが出来る。編成マンも、何も裏付けがない楽曲よりもシャザムのランクは大いに参考になる。

1999年、カリフォルニア大学バークレー校の学生がシャザムを設立した。音楽の「指紋認証」のアイデアである。現在は200ヶ国以上で3億人以上が利用しているという。

まもなく上場するという定額制音楽ストリーミング・サービスのスポティファイ。こちらもレコード各社がすでに株を取得している。ソニーミュージックが5.8%、ユニバーサルミュージックが6.7%(EMIが1.9%を持っていた)、ワーナーミュージックが3.8%だ。こちらも上場したら含み益は凄いだろう。レコード会社は新しいテクノロジーを使う音楽ベンチャーに、成功するかどうかは分からないが、とりあえずはっておくという事かもしれない。

ちなみに以下が米シャザムの5月13日付、この曲何ですかベスト5。

1位) イギー・アゼリア「ファンシー」

2位) ジョン・レジェンド「オール・オブ・ミー」

3位) ニコ&ヴィンズ「アム・アイ・ロング」

4位) エド・シーラン「シング」

5位) アリアナ・グランデfeat.イギー・アゼリア「プロブレム」

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