IFPI、レコード会社がA&Rとマーケティングに費やす金額を発表

コラム All Digital Music

レコード会社がA&Rとマーケティングに費やす金額は年間43億ドル、過去5年で200億ドル以上に。業界団体が調査

世界の音楽業界を代表する団体「IFPI」(国際レコード産業連盟) がまとめた音楽業界の投資に関するレポート「Investing in Music」によると、レコード会社がA&Rとマーケティングに使った費用は、年間43億ドルであるとレポートはまとめています。また過去5年間でのA&Rおよびマーケティング・コストは合計200億ドル以上に上ると説明します。

2013年度レコード会社のA&R/マーケティングの実態
A&R:25億ドル
マーケティング:18億ドル
売上に対するA&R比率:15.6%
売上に対するマーケティング比率:11.4%
A&R+マーケティング:43億ドル
売上に対するA&R+マーケティング比率:27.0%
総売上(2013年度):161億ドル

レポートによれば、多くのレコード会社は売上の27%をA&Rとマーケティングに費やしており、2011年の26%からアーティストへの投資はさらに拡大しています。

アーティスト7,500組以上が現在メジャーレコード会社 (ユニバーサルミュージック、ソニーミュージック、ワーナーミュージック)と契約を結んでいる一方、数万組のアーティストがインディペンデントなレコード会社と契約を結んでいます。新人発掘の領域では、レコード会社と契約を結ぶアーティストの5組に1組は新人アーティストです。

レコード会社は国際的なアーティストに投資する一方で、ローカルのアーティストへの投資を重要視しています。世界12カ国の音楽市場大手市場を見ると、市場におけるアルバム売上トップ10の平均70%をローカル・アーティストが占めています。

各国におけるローカルアーティストへの投資の実態(2013年度年間アルバム売上げトップ10におけるローカルアーティストの比率)
日本:100%
イタリア、スウェーデン、米国、ブラジル:90%
スペイン:86%
オランダ:80%
デンマーク:78%
フランス:75%
英国:71%
ドイツ:70%
ノルウェー:56%

IFPIのCEO、フランシス・ムーア (Frances Moore)は

「Investing in Musicレポートは、メジャーレーベルやインディーズレーベルが毎年数億ドル規模をアーティストに投資している事実を浮き彫りにしています。この目覚ましい本質が、音楽業界をあるべき姿です。」

とコメントしています。

その他にも興味深い調査結果が明らかになっています。

全ての市場で同様の回答にはなりませんがレポートでは新人アーティストを育てる平均コストを分析しています。メインストリームな市場で新人アーティストをブレイクさせるためのコストは、平均50万ドル〜200万ドルという数値をレポートは示しています。内訳は、アドバンスが5万ドル〜35万ドル、レコーディングが平均15万ドル〜50万ドル、音楽PV制作が5万ドル〜30万ドル、ツアーサポートが5万ドルから15万ドル、マーケティングおよびプロモーション費用が20万ドル〜70万ドルと最も多く費用がかかるとしています。

音楽業界の情報を取り扱う専門団体Unsigned Guide in the UKの調査によれば、70%の無所属のアーティストはレコード契約が欲しいと答えています。回答者は、契約を求める理由にマーケティングおよびプロモーションのサポートが76%、ツアーのサポートが58%、経済的サポートが45%という回答になっています。

■記事元http://jaykogami.com/2014/12/10067.html


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Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
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