米ネットラジオPandora、権利団体BMGとライセンス契約で合意

コラム All Digital Music

米ネットラジオPandora、権利団体BMGとライセンス契約で合意。BMIとASCAPのカタログを配信へ

ネットラジオにとって大きな勝利です。

アメリカで登録ユーザー数2億人以上を誇る市場最大のネットラジオ「Pandora」が、国際的な音楽権利団体「BMG」と米国での配信におけるライセンス契約に合意しました。この契約はPandoraにとって非常に大きなアドバンテージになり、今後はビヨンセやジェイZ、アデル、ワン・ダイレクション、デヴィッド・ボウイなどアーティストやソングライターの楽曲が配信可能になります。

BMGは、アメリカで数多くのソングライターを代表する団体で、またブルーノ・マーズやフレーミング・リップス、ジョン・レジェンド、will.i.amなど大物アーティストの権利関係も管理しています。

PandoraはBMGと複数年契約で合意し、アメリカ国内のロイヤリティ徴収団体「BMI」と「ASCAP」が管理する楽曲カタログを配信する権利を獲得します。BMIとASCAPは、公共の場で演奏、放送された時に発生する使用量を徴収し権利者に分配する団体です。

PandoraとBMGは、契約におけるロイヤリティレートは明らかにしていません。

先月Pandoraは、2万以上のインディーズレーベルを代表する業界団体Merlinとライセンス契約で合意したばかりです。PandoraはMerlinに対して、月間7500万人以上のユーザーデータを共有するとしています。

今回の契約では、Pandoraは直接BMGと契約を結んだことによって、業界団体を介することなくライセンスを獲得しました。これによって、業界団体が定めるコレクティブ・ライセンス・レートに反対するレコード会社や作曲家団体にとって優位な契約が実現し、またPandoraもより多くのリスナーを獲得するためにコンテンツを拡充することが可能になります。

アメリカでは音楽ストリーミングサービスの人気が広がり、業界ユーザー数トップのPandoraもSpotifyやRdio,Rhapsody、Beats Musicなどのサービスとの競争が激しくなってきています。その中でコンテンツ拡充(+直接的ライセンス契約)はユーザー獲得を拡大するためのマーケティングやPRに活用できる武器の一つとなっていく可能性は高いと感じます。

■記事元http://jaykogami.com/2014/09/9121.html


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Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
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