Apple新音楽サービス「iRadio」についてWWDC 2013で発表予定

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Appleの新音楽サービス「iRadio」はWWDC 2013での発表が確実か。これまでの予想をまとめてみた

Appleの新音楽サービス「iRadio」はWWDC 2013での発表が確実か。これまでの予想をまとめてみた

Appleは今夜10日(日本時間11日午前2時)に開幕するイベント「WWDC」で、新しい音楽サービス「iRadio」(仮称)を発表すると言われています。

iRadioは無料のネットラジオサービスと言われています。これでAppleはiTunesの音楽ダウンロード販売に加えて、米国で業界大手のPandora Radioや、SpotifyやRdio、Muveなど音楽ストリーミングサービス、そして競合するGoogleが競う世界的に急成長を遂げている音楽ストリーミング市場に参入します。

AppleはWWDCでiRadioの概要を発表し、今年中にサービスを開始すると言われています。今夜恐らく発表となるiRadioですが、どのようなサービス内容になるのでしょうか? 事前に伝えられたメディアやブロガーの情報や予想をまとめてみました。

機能

噂されるiRadioの機能は、無料の聴き放題オンラインラジオになる模様で、好きなアーティストやアルバムなどを分析し近しいジャンルの音楽を自動で再生してくれるストリーミングラジオになると伝えられます。またiTunesで購入した音楽や、iCloudに保存した音楽なども対象になると言われています。さらにiRadioから直接iTunesで購入できるボタンが付いていると言われています。

ですが、Appleが月額利用に制限(曲数?時間?)をかけるかどうかは分かっていません。

ライバル

米国で7,000万人のアクティブユーザーを誇るネットラジオ最大のPandora Radio(広告付きモデル)、ラジオ機能も搭載しフリーミアムモデルを展開するサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスのSpotifyやRdio、業界最大手で先月音楽ストリーミングサービスに参入したGoogleが、iRadioの競合になります。

特にGoogleはAndroid対iPhoneの競争もありますので、音楽サービスでのシェア争いやサービス強化も今後は期待できます。

レコード会社

AppleのiRadioにいち早く合意したのは、ユニバーサルミュージックでした。続いてワーナーミュージックおよび出版部門のワーナーチャペルがAppleと合意しました。そしてソニーミュージックと出版部門ソニー/ATVもWWDC直前の週末前に合意したと伝えられます。残るはユニバーサルミュージックの著作権管理部門のユニバーサルミュージック・パブリッシング・グループだけとなりました。サービス開始時に全ての音楽コンテンツを網羅したいAppleにとってレコード会社と音楽出版社との契約締結は絶対条件でしたので、現在の状況から、iRadio発表は現実味があると考えて良いと思います。

ブルームバーグによれば、ソニー/ATVの契約内容は2年でiRadioの広告収入から10%を受け取る契約で合意したと伝えています。一般的にレコード会社と音楽出版社は4%をPandoraなどネットラジオから現在受け取っています。

マネタイゼーション

Appleはユーザー獲得だけでなく、広告主獲得でも他社と競合していきます。AppleはiRadioサービスでオーディオ広告とバナー広告を導入すると言われています。バナー広告はモバイルアプリ向けのiAdが販売している広告になると関係者は伝えています。AppleはiRadio開始に向けて、大手企業と広告契約を結ぼうとしていますが、広告を販売できていないのが現状のようです。そのためAppleではiAd部門から人材を音楽サービスの広告へ移動させ、大型ブランドとの契約を急いでいます。

GoogleやSpotifyが採用する月額9.99ドルで広告無しの視聴が楽しめるサブスクリプション型モデル(有料課金)とは異なります。

またAdAgeによれば、iRadioの広告では競合するPandoraより正確にリスナーのターゲティングが可能になるため、広告主へのメリットが高くなると予想しています。Pandoraは現在広告をリスナーの年齢、性別、郵便番号によって選別して表示・再生しています。AdAgeによれば、例えばiRadioをiPhoneで使った場合、現在地に応じてより正確な広告が表示可能になるとのことです。

展開地域

最後に最も重要な点。これまでどこもiRadioが展開される地域についてレポートしてきませんでしたが、WWDC当日の今日ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた詳細な情報によれば、iRadioは当初米国のみでの展開になる模様です。日本は何時になるのでしょうか?

Apple、ソニーミュージックとiRadioで契約を結ぶ、大手レコード会社3社全てと合意、音楽出版とも契約完了

今夜の発表はどのような内容になるのでしょうか?もう少しの発表ですが、今から楽しみです。

■記事元http://jaykogami.com/2013/06/2293.html


 

Apple、ソニーミュージックとiRadioで契約を結ぶ、大手レコード会社3社全てと合意、音楽出版とも契約完了

Apple、ソニーミュージックとiRadioで契約を結ぶ、大手レコード会社3社全てと合意、音楽出版とも契約完了

Appleは、噂される無料の新音楽サービス「iRadio」の開始に向けて、大手レコード会社でまだ契約に合意できていなかったソニーミュージックとライセンス契約を締結しました。All Things Dのピーター・カフカ(Peter Kafka)氏がレポートしています。

Appleはこれでユニバーサルミュージック、ワーナーミュージック、ソニーミュージックと3大レコード会社と原盤権利用契約で合意したことになります。

Apple、音楽ストリーミングサービス「iRadio」開始に向けてユニバーサルミュージックとライセンス契約で合意との噂

Apple、ワーナーミュージックと 「iRadio」開始へ向けてライセンス契約で合意、6月のWWDCで正式発表か?

Appleは来週10日(日本時間11日午前2時)に開幕する、開発者向けカンファレンス「WWDC 2013」でiRadioの発表が行われる予定です。

Apple、ソニーミュージックとiRadioで契約を結ぶ、大手レコード会社3社全てと合意、音楽出版とも契約完了

またBIllboardによれば、Appleはソニーの著作権を管理する音楽出版事業ソニー/ATVともライセンス契約で合意したと伝えます。ソニー/ATVはソニーの音楽カタログ以外にもEMIの音楽カタログを扱っています。ソニー/ATVのCEOマーティ・バンディアー(Marty Bandier)は、「2年の特別契約」で合意したと語っています。この契約では、AppleがiRadioの広告収入から得る10%を受け取る契約です。

原盤契約を大手レコード会社と結んだAppleが契約を残すのは、ユニバーサルミュージックの音楽出版部門ユニバーサルミュージック・パブリッシンググループだけになります。

Apple は交渉において以前は広告収入の4.1%を支払う契約を提示しましたが、この内容な音楽出版社に却下されました。BMG、ソニー/ATV、ワーナーチャペルなど音楽出版の幹部はiRadioの広告収入から10%-15%を受け取る契約を望んでいました。そしてAppleが10%の支払いに応じたことによって、ワーナーチャペルが合意し、そして今回ソニー/ATVも契約に至ったと考えられます。

ワーナーチャペル、ソニー/ATVが契約に応じたことから、ユニバーサルミュージック・パブリッシンググループも間もなく契約を締結することが予想されます。原盤と著作権契約を全てのメジャーレーベルと合意することができれば、iRadioを正式に発表するでしょう。

iRadioは、無料の音楽ストリーミングサービスで、全米で人気のPandoraと近いネットラジオ機能を提供すると噂されています。つまりSpotifyやRdioのようなオンデマンドではなく、アーティストや楽曲、アルバムをベースにリスナーの嗜好に適した音楽を再生し続けてくれるラジオステーションが主な機能になると考えられます。

一方で競合するPandoraなどネットラジオとの違いは、iTunesで聴いた楽曲が即座に購入できるシステムや、iTunesで購入した楽曲を参照して音楽をレコメンドしてくれることなど、iTunesと強く連携していることが特徴です。

音楽ビジネス関係者、特にレコード会社と出版社にとってはiRadioがiTunesビジネスをさらに拡大し、世界的に成長しているデジタル音楽からの収益を増加させてくれると期待しています。

iRadioが現実にまた一歩近づいたと思うだけでワクワクしてきました。WWDCでの発表が楽しみです。

■記事元http://jaykogami.com/2013/06/2242.html


 

Appleの音楽サービス「iRadio」に乗り換えると答えたネットラジオユーザーは34%

Appleの音楽サービス「iRadio」に乗り換えると答えたネットラジオユーザーは34%
img via Flickr

Appleは噂されている新しい音楽サービス「iRadio」を明日10日(日本時間11日2時)開幕するWWDCで発表する予定です。

iRadioは(噂によれば)無料のネットラジオサービスで、ユーザーの好みやアーティスト・アルバムをベースにしたアーティスト・ステーションを自動構築して聴き放題ができるサービスです。iRadioはオーディオ広告付きモデルになる予定で、数曲おきに広告が挿入されます。iRadioはiPhoneやiPadなどモバイルに加えてデスクトップでも視聴できると噂され、またiTunesとも連携し、聴いた楽曲をダウンロード購入できる機能も追加されるそうです。

Apple、ソニーミュージックとiRadioで契約を結ぶ、大手レコード会社3社全てと合意、音楽出版とも契約完了

Apple、iRadio開始に向け前進、ワーナー出版部門との契約には魅力的な広告収入の10%支払いを提示

Apple、ワーナーミュージックと 「iRadio」開始へ向けてライセンス契約で合意、6月のWWDCで正式発表か?

iRadioは全く新しい音楽サービスですが、はたしてどのくらいの人が実際にiRadioに興味があるのでしょうか?

Appleの音楽サービス「iRadio」に乗り換えると答えたネットラジオユーザーは34%
img via Business Insider

メディアエージェンシーGroupMの「Next’s Consumer Insights」グループが行った調査によれば、多くのネットラジオユーザーはiRadioに興味があるようです。ネットラジオ利用者1000人に行った調査では、49%が「iRadio」にブランド名だけで興味を示し、34%が現行のサービスからiRadioへ乗り換えると回答しています。

またデジタルラジオで音楽視聴の20%以上を過ごすいわゆるネットラジオのヘビーユーザーの場合、70%がiRadioに興味を示し、49%が乗り換えると回答しています。

いずれもAppleのブランド名の高さが興味を喚起させています。米国にはPandoraやiHeartRadioなどのネットラジオの他にも、SpotifyやRdioなど音楽ストリーミングサービスが提供するラジオも存在するという、非常に競争の激しい市場です。Appleが本当に期待通り、いえそれ以上の音楽サービスを実現できたのなら、現在約7000万人のアクティブユーザーを抱える業界最大のPandoraからシェアを取っていくことも現実にありそうです。

みなさんはiRadioが日本でも発表されたら、使いますか? コメントやSNSで教えてください。

WWDCは日本時間11日午前2時に開幕します。ここでの発表が今から待ち遠しいですね!

■記事元http://jaykogami.com/2013/06/2281.html


 

Apple、iRadio開始に向け前進、ワーナー出版部門との契約には魅力的な広告収入の10%支払いを提示

Apple、iRadio開始に向け前進、ワーナー出版部門との契約には魅力的な広告収入の10%支払いを提示

Appleは新しい音楽サービス「iRadio」を来週10日(日本時間11日午前)に開催される「WWDC 2013」で発表すると噂されています。

iRadioを発表したいAppleが現在最も手間取っている問題は、レコード会社と音楽出版社とのライセンス契約の締結です。これまでもソニー・ミュージックとの協議が長引き、お互いが納得いく契約内容で合意できないと噂されています。

iRadioサービスを展開するためには、レコード会社と出版事業者から原盤と出版のライセンス契約を取り付ける必要があります。今週に入ってAppleはワーナーミュージック・グループと出版事業のワーナー・チャペルとiRadioで合意に辿り着きました。

Apple、ワーナーミュージックと 「iRadio」開始へ向けてライセンス契約で合意、6月のWWDCで正式発表か?

フィナンシャル・タイムズによれば、AppleがワーナーチャペルとiRadioの契約にたどり着いた大きな理由は、広告収入の10%を支払う事で合意したからとレポートしています。

ソニーの出版事業で業界最大手のソニー/ATVも、契約間近と言われています。米国最大のネットラジオ「Pandora」と直接交渉することで、売上の5%をロイヤリティ料として受け取る契約を結んでいます。従来Pandoraは出版社・作曲作詞家団体に売上4%をロイヤリティとして支払う契約をむすんでいます。ソニー/ATVは交渉の結果で、独自に他よりも魅力的な支払いを受け取っています。

Appleの契約内容はPandoraの契約よりも魅力的と関係者は伝えています。Pandoraよりもユーザー規模(iTunesを考慮)が圧倒的に大きいAppleのiRadioが成功した場合、10%という契約は大きな収入になると予想されます。

このソニー/ATVとPandoraの契約については、高橋裕二さんのブログが詳しく書いてくださっているので、ご覧ください

ソニー/ATV音楽出版とパンドラが引き起こした音楽著作権ビジネスの未来

Appleはソニーミュージックとソニー/ATVとは契約にまでは至っていません。おそらくPandoraと同様またはそれ以上の金額が保証される契約内容で当初は契約を求めてくると思われます。そして将来的には、その契約額を上げてより高額なロイヤリティを受け取ると思われます。

ユニバーサルミュージックは5月にiRadioでの配信で合意しました。契約内容はストリーミング再生100回につき12.5%が支払われるロイヤリティ契約、アドバンス、そして広告収入のレベニューシェア、そして長期契約の際の補償額で契約したと伝えられています。

AppleはiRadioから音楽をiTunesで直接購入できる機能や、iTunesで購入した音楽をベースに新しい音楽をレコメンドする機能など、SpotifyやRdio、Pandoraなど従来のストリーミングサービスにはない機能を追加するとも言われています。楽曲が視聴されて購入される機会ができるのは、レコード会社と出版社にとって両方おいしいビジネスになることに間違いありません。34億ドルと推定される、デジタル音楽No.1のビジネスであるiTunesダウンロード販売にどのような影響がでるのか、WWDCでのiRadioの開始が楽しみです。

Apple、音楽ストリーミングサービス「iRadio」開始に向けてユニバーサルミュージックとライセンス契約で合意との噂。

■記事元http://jaykogami.com/2013/06/2233.html


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記事提供:
All Digital Music(by Jay Kogami)

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■Jay Kogami facebookhttps://www.facebook.com/JayKogamiPosterous

ジェイ・コウガミ Profile:
海外のデジタル音楽情報をテーマに、音楽ストリーミングサービスやその他の音楽サービス、デジタル音楽トレンドの動向、クリエイティブなデジタルPR事例、企業の音楽マーケティングなどをいち早く日本で紹介。

高校から米国オレゴン州ポートランドで生活。高校でネットラジオ、大学で初期のナップスター(Napster)やP2Pファイル共有サービスを体験、以降音楽コンテンツと人のコミュニケーションに関心を持つ。

オレゴン大学在籍中は、地元のコミュニティラジオ局「KWVA」でDJとプログラム・ディレクターを3年弱担当。

これまで「ベストギア」(徳間書店)での取材、音響雑誌「Gaudio」(共同通信社)での連載、オンライン音楽ニュースサイト「コラム・スピン」などで執筆。

またインディーズ・アーティストのオンラインプロモーションを手伝っている。

音楽好きとテクノロジー好きに最新のデジタル音楽情報と、新しい音楽体験を届けるべく日々奮闘中。音楽業界に、新しい音楽体験情報を届ける。現在プロジェクトチーム「soundtribe」で活動中。

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