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Napster買収の没入型テック企業iR、エージェント型AIのTouchcast取得

ビジネス 海外

先にNapsterを買収した没入型テクノロジー企業のInfinite Reality(iR)は4月16日、エージェント型AIを手がけるTouchcastを買収することで合意したと発表した。取引額は5億ドル(約712億円)で、iRにとって過去最大となる。今回の取引により、同社の企業価値は155億ドルに達した。 

iRはTouchcastのAI技術を、NapsterやiR Enterprise、iR Studioを含む自社の製品・サービスポートフォリオに統合する方針。例えば、Napsterの加入者は没入型のソーシャル・リスニング・スペースを簡単に生成し、知識豊富なAIエージェントを活用して、音楽プレイリスト、コミュニティー管理、音楽トリビアなどの魅力的な機能を利用できるようになる。 

Touchcastのエージェント型AIプラットフォームは、OpenAI上に構築され、Microsoft Azure上で提供されている。AI対話の応答時間が劇的に改善されており、従来のチャットボットなどとは異なり、一貫したパーソナリティーと深い専門知識を組み合わせて、自然な対面ビデオ会話を実現している。 

iRは3月、Napsterを2億700万ドルで買収すると発表。Napsterに3DバーチャルコンサートやECなどの機能を実装し、ソーシャルミュージック・プラットフォームに生まれ変わらせる方針を示していた。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「2003年から音楽サブスクを続ける老舗Napsterを買収したInfinite Reality(iR)がさらにエージェント型AIのTouchcastを5億ドル(約712億円)で入手。NapsterはiR社の手によって没入型のソーシャルリスニング空間に変わろうとしているが、そこにOpenAIベースのAIエージェントが加わることになる。音楽サブスクが2001年に誕生してから2008年のSpotify登場以降も基本形は変わってなかったので、Napsterがどのように生まれ変わるか、サブスクの次に来る音楽産業の未来を占うのに手がかりを与えてくれそうだ 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。