TuneCore Japan、2023年度は利用アーティストへ155億円(前年比121%)を還元 累積還元総額は547億円

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TuneCore Japanは、2023年のサービスデータをまとめた「MUSIC STATS 2023」を公開した。TuneCore Japanが例年この時期に発表している年間のデータをまとめたMUSIC STATSでは、今回、利用アーティスト/レーベルへの年間還元額や、TuneCore Japanが保有する様々な音楽流通データを元に2023年リリースされたベストアーティスト・楽曲もカタログとして発表している。

2023年のアーティストへの還元額は、155億円となり、126億円であった2022年の21%増の成長となった。ダウンロードは9%やリングトーンは5%減額するなか、ストリーミングは18%増と順調に成長。国内でのストリーミング再生数シェア、還元額では3位を2022年より維持しており、サービスローンチから累計で547億円となった。また、海外からのTuneCore Japanアーティストへの還元額は19億円を超え、その割合は全体の約13%(前年12%)となり、過去最高額となった。その成長の要因としては、成長著しいショート動画による海外でのバイラルによる再生数の増加や、新規で追加された韓国・Melon、韓国・Vibeストアなどによるものとしている。

また、2023年リリースされ最も再生数の多かったインディペンデントアーティストの楽曲やSNSで話題の曲をランキングするSpotify国内バイラルチャートにランクインした楽曲などをカタログとして公開。年間Billboard JAPAN “TikTok Songs Chart”で1位に輝き、33週以上連続でのチャートインを果たした、HoneyWorksの「可愛くてごめん(feat. かぴ)」をはじめ、「オトナブルー」の首振りダンスで社会現象を巻き起こし、海外の音楽フェスにも進出しNHK紅白歌合戦でも存在感をみせた新しい学校のリーダーズ、ストリーミング累計1億回再生を突破し、Apple Musicで週間総合ソングランキングで1位獲得の快挙を果たした百足&韻マン「君のまま」、同じく「ランデヴー」がストリーミング累計再生回数1億回に達し、地上波にも次々と出演したシャイトープ、Billboard JAPAN “ニコニコ VOCALOID SONGS TOP20”歴代最多首位を更新した原口沙輔「人マニア」、ヒップホップアーティストとして日本の音楽史に残る東京ドームライブを成し遂げたBAD HOPなど、多種多様なジャンルで多くのアーティストが活躍した。さらに、「W/X/Y」が2022年にもっともストリーミングされた楽曲となりチャートを席巻したTaniYukiや、ボカロシーンでトップに上り詰めたKanariaなども引き続き大きなファンベースを持ち、その作品は新譜旧譜を問わず音楽ストリーミングで聴かれ続けている。

音楽市場全体の動向に目を向けると、引き続き日本国内および世界でともに成長。国際レコード産業連盟(IFPI)が発表した2023年世界の音楽市場の売上は286億USドル(前年比10.2%増)と過去2番目の成長率を記録。音楽配信においては、ダウンロード市場は前年に続き縮小傾向となっているが、ストリーミング配信が引き続き国内外で伸び続け市場を牽引、日本レコード協会が発表した2023年国内の音楽配信売上の合計は1,165億円(前年比11%増)、中でもストリーミングの売上は日本国内で1,056億円(前年比14%増)になった。

また、IFPIのレポートによる日本のデジタルミュージックの市場はドイツを超えて4位になっており、CD売上げも伸長しているが、ストリーミング、ダウンロードとその他デジタルの売上を足すと、CDのみの売上(ビデオのDVD、アナログレコードを除く)を初めて超えた。これは、一旦のCD売上げの下げ止まりと、さらなるストリーミング時代への転換期だと指摘した。なお、IFPIによると、世界の音楽ストリーミングサービスへの課金ユーザーは6億6700万人に到達し、前年比13.2%増となっており、ストリーミングの売上は世界で193億USドル(前年比10.4%増)と伸長している。

そんななか、世界のインディペンデントアーティスト・レーベルの団体、Worldwide Independent Network(WIN)は2023年のレポートで、インディペンデントによるマーケットシェアは少なくとも40%を超えており、新譜の80%は彼らによるものとレポートしている。TuneCore Japanの利用者の成長率は、市場平均の成長率を上回っていることにより、日本国内でもインディペンデントアーティスト、レーベルの躍進が続いているとした。

TuneCore Japanは、「2024年もアーティストのみなさまがより使いやすいサービスを目指し、さらなる開発・改善に取り組むとともに、様々なプロジェクトや企画も積極的に展開し、今まで以上にインディペンデントアーティストが活躍できるセカイを目指していきます」と伝えている。

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