第一興商、23年4月~12月期は経常利益53.2%増

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第一興商

第一興商は2月8日、2024年3月期第3四半期の連結業績(2023年4月1日~2023年12月31日)を発表した。

当第3四半期の業績は、売上高は1098億6,400万円(前年同期比16.2%増)となり、営業利益は150億9,800万円(同55.8%増)、経常利益は156億8,300万円(同53.2%増)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益については、前年同期にあった助成金収入29億2,000万円が当第3四半期では剥落したことにより、105億3,100万円(同17.0%増)となった。

業務用カラオケは、事業環境の改善を背景に、機器賃貸件数の拡大とコロナ禍の影響により減速していた旧機種から新機種への入替えを推進することにより、安定的収益基盤の強化に努めるとともに、ライブ映像・アニメ映像・ミュージックビデオなどの映像コンテンツをさらに充実させることにより、カラオケDAMの商品力強化を図った。このようななか、4月にはフラッグシップモデルの後継機種である「LIVE DAM AiR(ライブダムアイアール)」を発売し、計画を上回る出荷状況となった。また、エルダー市場においては、コロナ禍においてかなわなかった介護施設等への訪問営業が一部で可能となるなど事業環境が改善するなか、オンラインイベントを定期的に開催するなどウェブの活用にも注力し、稼働台数の増加に努めた。以上の結果、新商品の好調な出荷とともに、機器賃貸件数及びDAM稼働台数が堅調に増加したことにより、売上高は前年同期比5.8%の増収となり、営業利益は機器賃貸に係る原価や販管費の増加などの影響により、同8.9%の減益となった。

カラオケ・飲食店舗は、カラオケ8店舗、飲食7店舗の出店を行い、カラオケ3店舗の閉店と、飲食において複合業態の統合などに135店舗の閉店を行ったことにより、当第3四半期末の店舗数はカラオケ513店舗、飲食163店舗となった。5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが引き下げられたことなどにより、店舗の集客は期初から回復傾向で推移した。最大の繁忙期である12月には、カラオケ店舗における二次会利用に回復が見えたほか、飲食店舗の予約受注が好調に推移し、当第3四半期の既存店売上高はコロナ禍以前に比べカラオケ店舗で約8%減、飲食店舗で約12%増の水準まで回復し、前年同期比ではカラオケ店舗で約25%増、飲食店舗で約35%増となった。このようななか、9月に35周年を迎えたビッグエコー店舗においては、優里やももいろクローバーZといったアーティストとのコラボレーションのほか、取引先企業の主力ブランドでカラオケルーム内を装飾した「グッドカンパニールーム」や「ビッグエコーカラオケグランプリ」など、35周年を盛り上げる様々な施策を通じて、カラオケから足が遠のいていたユーザーの呼び戻しを図るとともに、最上位機種である「LIVE DAM AiR(ライブダムアイアール)」の早期導入やビッグエコーアプリへデンモクアプリ起動機能を搭載するなど、顧客満足度向上に努めた。また、飲食店舗においてはコールセンター機能の拡充を行い宴会予約の獲得を強化したほか、ダーツ業態3店舗を出店するなど、幅広く集客の獲得を推進した。以上の結果、売上高は前年同期比30.1%の増収となり、56億1,900万円の営業利益となった。

音楽ソフトは、イベント・コンサート等が再開され、音楽業界にも活気が戻りつつあるなかで、CD・DVD等の商品販売及びテレビ番組制作事業がほぼ計画水準で推移した。以上の結果、売上高は前年同期比4.7%の増収となり、営業利益は前年同期比100.1%の増益となった。

その他事業は、新たな収益の柱とするべく「ザ・パーク」ブランドで展開するパーキング事業が堅調に推移し、当第3四半期末時点で約2,400施設、30,000車室の規模に拡大した。また、土地オーナー様に向けたテレビCMなどを通じて「ザ・パーク」ブランドの認知拡大に努めた。以上の結果、売上高はパーキング事業収入の増加などの影響により前年同期比15.2%の増収となり、営業利益はパーキング事業に係る広告宣伝費などの販管費が増加した影響により、前年同期比5.0%の減益となった。

2024年3月期連結業績予想は、2023年8月9日に発表したものを据え置いた。

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