JASRAC、音楽教室からの著作権料徴収を4/1から開始

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日本音楽著作権協会(JASRAC)は、使用料規程「音楽教室における演奏等」に関し文化庁長官による裁定を受け、3月8日記者会見を開き、音楽教室における演奏等の管理を4月1日から開始すると発表した。

JASRACは、昨年6月7日、楽器教室における演奏等に関する使用料規程を文化庁長官に届け出し、本年1月1日からの管理開始を予定していたが、「音楽教育を守る会」が昨年12月21日、文化庁長官に対し、裁定の申請をしたため、管理開始を延期。

「音楽教育を守る会」からの裁定の申請は、東京地裁にて係属中の請求権不存在確認訴訟の判決が確定するまで、使用料徴収の保留を求めるものであったが、3月7日同日を使用料規程の実施の日とする文化庁長官の裁定がされたため、JASRACは、音楽教室を運営する事業者への案内の期間などを考慮し、4月1日から管理開始とした。

今回の裁定に関してJASRACの浅石道夫理事長は「司法と行政の違いを明確にした上で、著作権等管理事業法に基づき、かつ司法判断が出された時点で生じうる問題にも言及した、公正で適正な裁定である」と話した。

なお、文化庁からは使用料規程の実施にあたり、適切な措置についての通知も3月7日付で出されており、音楽教室における演奏について演奏権が及ぶことを争う音楽教室事業者に対しては、司法判断等によって請求権が認められるまで個別の督促(利用許諾契約手続の督促・使用料の請求)を行わないこと、また、使用料規程の料率を上限とし、利用実態を踏まえ協議を行うことで適切な使用料にすることなど、徴収行為の開始に伴う社会的混乱の回避をするよう、JARSACに配慮を求めている。

今回適用する規程は、使用料規程中の「音楽教室における演奏等」となり、他の分野と同様、使用料の種類は3通りの方式(年額使用料、月額使用料及び曲別使用料)が用意され、その中から選択することとなる。なお、9月30日までに契約申込書を提出した場合には、1年間に限って使用料の10%を減額する新規管理契約割引が適用される。

管理対象の範囲は、楽器メーカーや楽器店が運営する音楽教室とし、これらの教室の管理水準が一定のレベルになるまで、当分の間、個人が運営する楽器教室については管理の対象としない。将来的に管理の対象と考えているのは、ウェブサイトなどで広く告知や広告して不特定多数の生徒を常時募集しているような場合を想定しているとのこと。

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