魂を揺さぶる奇跡の歌声をもつアーティスト、カラム・スコット来日公演、大阪初日のライブレポート&ライブ写真が到着 最終日となる東京公演は1/29
ニューアルバム「Avenoir」を提げてヨーロッパ、南アフリカ、アジア、北米を巡るワールツアー中のカラム・スコット。2026年1月28日なんばHatch(大阪)、1月29日豊洲PIT(東京)にて約2年ぶりの来日公演を行っている。この大阪初日公演のライブ・レポートが到着した。
1月29日に豊洲PITで行われる東京公演は当日券が若干あるので近隣の方はお早めに!
東京公演詳細 https://aegx.jp/schedule/01/2026/1994/
【ライヴレポート】 カラム・スコット 2026-1-28 @大阪・なんばHatch
今やイギリスを代表する国民的シンガーとなったカラム・スコット。ソウルフルな歌声でリスナーを喜怒哀楽の境地へと誘うシンガーソングライターが、ジャパンツアーを開催。エド・シーランのスペシャルゲストとして来日した前回の2024年1月、そして単独公演では2024年の3月Zepp DiverCity以来、約2年ぶりとなる来日公演となった。
初日の大阪・なんばHatchの会場は、オールスタンディングの1階のフロアの後方までお客さんがギッシリ。前回のエド・シーラン公演の影響なのか、若い女性グループが随分増えたという気がする。
昨年10月、3作目の最新アルバム「Avenoir」(アヴェノア)をリリースし、ほぼ同時にヨーロッパから始まったこの「The Avenoir Tour」。既にかなりの回数の公演を各地で行っていて、脂の乗り切った絶好調の状態での来日と言えそうだ。
ライブは、その最新アルバムのタイトルトラックの「Avenoir」で幕を開け、ピアノ演奏のみという、やや意外な始まり方だ。最新アルバムの世界観をきっちり伝えたいという、彼の思いが込められているのだろう。その後も、最新作からの楽曲が次々と立て続けに披露されていく。「God Knows」「Roots」「At Your Worst」、それぞれタイプは異なるが、驚くほど躍動感に満ちている。
デビュー当初の“バラードの達人”というレッテルだけでは括れないほど幅広い音楽性と、エンターテインメント性で圧倒する。歌いながら腰を振ったり、クルクル回って踊ったり。自由と開放感を存分に謳歌しているといった様子だ。ピアノやチェロ奏者のいる5人編成のバックバンドによる演奏も、ダイナミックで迫力満点だ。
ひと息ついてからの第一声は「まいど、大阪!」。その一言に会場はどっと沸き上がる。「これからみんなをエモーショナルな旅に連れていきます。一緒に踊って、一緒に笑って、そして一番大切なのが、一緒に泣いてもらうこと」と言って笑わせる。だが、この発言は単なるジョークというわけではなく、ピアノやアコギをバックにスツールに座って披露された中盤のバラード系では、押し寄せる感情の波にどんどん飲み込まれていく。
ハートフルな歌声で神妙に聴き入らせ、感涙に胸を掻きむしらせる。彼の本領発揮の瞬間だ。一緒に来日している観客席の母について歌われる「No Matter What」、失って初めて痛感する大切な人についての「Gone」、いつか父親になりたいと夢見る「Mad」など、どれも彼自身の実体験と思いがダイレクトに綴られている。シンガーとしての力量を惜しみなく発揮してくれた。
更に、故ホイットニー・ヒューストンとの共演によるバラード「I Wanna Dance With Somebody(Who Loves Me)」では、リリースされた時点では少し遠慮がちにも思われたが、今や互角とも言える素晴らしい伸びやかなデュエットを聴かせてくれた。ひと際、大きな拍手が巻き起こっていた。
一旦ムードを変えて「さあ、パーティの時間だよ」という掛け声の後は、彼がコラボしたクラブ系チューンで踊らせる。ロスト・フリクエンシーズとのコラボ曲「Where Are You Now」、ジャックス・ジョーンズとのコラボ曲「Whistle」など、アッパーなダンスビートに、黄昏たボーカルメロディが絡まり、カラムならではの味わい深いハートフルなパーティタイムと言えるだろうか。ギタリストがソロを披露したり、リンキン・パークの「Numb」を途中でマッシュアップするという粋なサプライズも飛び出した。
サプライズはその後も続き、全員がカウボーイハットを被って、女性のチェロ奏者とデュエットした「One More Drink」では、カントリー調の新境地を披露。「みんなはカントリー好きかな?」と不安そうに尋ねていたけれど、まったく違和感なく彼らしいサウンドに昇華されている。「Die For You」ではミラーボールを背にした演出が没入感を高めていた上、彼のボーカルも極上の輝きを放っていた。地声で、ここまでスムーズに低音から高音までを移行しながら歌えるシンガーは、そうはいないだろう。
ライブ本編は、最新アルバムのオープニング曲「Lighthouse」で締め括られ、アンコールは大ヒット曲の「You Are The Reason」、そして彼がプロのシンガーになるきっかけを掴んだ人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で歌ったロビンの「Dancing On My Own」のカバーで大団円。
後者は、ピアノだけをバックにしっとり、かつダイナミックに歌われたが、今でも耳にする度に感動が蘇る。今やデビュー10周年を迎えた彼だが、こうして自身の過去を大切にしているからこそ、成長し前進できているのだという気がする。最新アルバムのタイトル「Avenoir」には、“未来へと前進するためには船を漕ぐ時のように、過去を見ながら進まなければならない”という思いが込められている。だから、あのジャケット写真なのだが、彼自身が、正しくその生き方を実践中だ。
デビュー当初や初来日時には繊細そうなイメージだった彼だが、今ではルックスもかなりマッチョ化。随分落ち着いて貫禄も増したという気がする。シンガーとして、エンターテイナーとして自信に満ち溢れ、自分らしく生きているカラムは、今とても眩しく輝いている。そして、これからまだまだ進化していきそうな余裕や意気込みを感じさせてくれる上昇ムード漲るライブだった。
文:村上ひさし
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