孤高のピアニスト キース・ジャレット、80歳を記念し最後のヨーロッパ ソロツアーからのライヴ盤「ウィーン コンサート 2016」リリース決定

ソロ・ピアノでのライヴ演奏の可能性、概念をも大きく変え、「ケルン・コンサート」をはじめとする数々の名盤を世に送り続けるピアニスト、キース・ジャレットが5月8日に80歳の誕生日を迎えた。これを記念し、最後のヨーロッパ・ソロ・ツアーからのライヴ・アルバムとなる新作「ウィーン・コンサート 2016」が5月30日にリリースされることが発表され、先行トラック「パート 5」が公開された。
「ウィーン・コンサート 2016」は、キース・ジャレットの最後のヨーロッパ・ソロ・ツアーからリリースされる4枚目のライヴ録音作品となる。「ミュンヘン2016」「ブダペスト・コンサート」「ボルドー・コンサート」に続くリリースとなる。
キース・ジャレットのディスコグラフィーには、すでに伝説的な「ウィーン・コンサート」(ウィーン国立歌劇場で1991年に録音)が含まれており、その音楽について本人はかつて「長年の“炎の求愛”の末に“炎そのものの言葉”を語った」と述べている。2016年にキース・ジャレットがオーストリアの首都に戻った際、そのインスピレーションは、活気に満ちた音響特性を持つウィーン楽友協会黄金の間にもたらされた。
「ウィーン・コンサート 2016」は、その瞬間に新しい音楽を形成しており、その範囲は多岐にわたる。
「パート 1」は、自然発生的な音の渦であり、濃密で複雑な様相を呈している。
「パート 2」では静寂の中で和音が浮かび上がり、ゆったりとした旋律が紡ぎ出される。
リズムが前面に押し出された「パート3」では、ジャレットがそれぞれの手で別々のパターンを展開し、それらを織り交ぜる能力が際立っている。「パート4」は讃美歌のような趣を持ち、「パート5」は繊細なバラードとなっている。
「パート6」は叙情的な衝動をより抽象的な表現へと変化させ、「パート7」はジャレットのヨーロピアン・カルテットのために書き直されたような穏やかな楽曲だ。
「パート8」はブルースに回帰し、「パート9」はゴスペルとカントリーの要素を含み、ジャレットの音楽的ヴィジョンの広範さを示唆している。
アンコールに選ばれた「虹の彼方に」は、「ラ・スカラ」「ア・マルティテュード・オブ・エンジェルズ」「ミュンヘン 2016」で聴かれた素晴らしいヴァージョンとは異なるフレージングで演奏され、再び聴衆を魅了した。
キース・ジャレットは2017年以来ライヴ演奏を行っていないが、彼のソロ音楽への関心は依然として高い。
今年は「ケルン・コンサート」50周年も世界的な注目を集めており、1976年にプロデューサーのマンフレート・アイヒャーを伴って来日し行われたソロ・コンサート全8公演のうち、京都(京都会館ホール)、大阪(サンケイホール)、名古屋(愛知文化講堂)、東京(中野サンプラザ)、札幌(厚生年金ホール)の5公演を完全記録した6枚組SACD~SHMボックス「サンベア・コンサート」もリリースされ、全国のCDショップではキース・ジャレット80歳記念プレゼント・キャンペーンも実施されている。
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