赤澤 燈&矢田悠祐がネルケプランニング作品の思い出を語り合う 一夜限りの特別なイベント『ネルフェス2024』インタビュー

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(左から)赤澤 燈、矢田悠祐

(左から)赤澤 燈、矢田悠祐

舞台制作会社・ネルケプランニングの30周年を記念して開催される、ネルケプランニング 30th ANNIVERSARY『ネルフェス2024』。2024年8月20日(火)日本武道館にて行われる一夜限りのこのイベントは、同社が手がける様々なタイトルが一同に集結、出演者とファンとが普段は実現しない“異種交流”の世界を楽しむ特別な空間だ。

その出演者より旧友でもあるMANKAI STAGE『A3!』(通称:エーステ)三好一成役の赤澤 燈と舞台『魔法使いの約束』(通称:まほステ)ファウスト役の矢田悠祐が“再会”。出会いのエピソードやネルケプランニングにまつわる思い出、演劇に注ぐ思いなどを語り合ってくれた。

(左から)赤澤 燈、矢田悠祐

(左から)赤澤 燈、矢田悠祐

ーー本日は出演者代表としてのインタビュー、ありがとうございます。

矢田:これは……作品代表ということですよね?

赤澤:あるいは「ネルフェス」代表??

ーーもちろん両方で。

赤澤:うわ、一個すごい重いなぁ(笑)。

矢田:ハハハッ(笑)。

赤澤:実はこの二人での取材って初めてなんですよ。

矢田:そうなんです。ミュージカル『テニスの王子様』(通称:テニミュ)で共演した時も(ミュージカル『テニスの王子様』全国大会 青学(せいがく)vs氷帝)なかったし。

赤澤:作品での共演もずっとないので、今日こうして会えるのが楽しみでした。

赤澤 燈

赤澤 燈

矢田:僕も。楽しみにしてました。

ーーでは、まずはそれぞれの“初ネルケ作品”を教えてください。

矢田:僕は初舞台だった『合唱ブラボー!』(2012年)です。テニミュに出る年の半年くらい前にこの作品でデビューして、その後にテニミュの不二周助を演じました。

赤澤:『合唱ブラボー!』って、僕、ゲストで出てるよね!?

矢田:そうだよ!

赤澤:わ、懐かしい。そっかそっか。

矢田:懐かしいよぉ。当時、21歳でした。

赤澤:僕は……*pnish*プロデュース『パニックカフェ』(2011年)が最初です。その後同じ年に『黄金仮面』『少年ハリウッド』、そしてミュージカル『テニスの王子様』青学(せいがく)vs氷帝で芥川慈郎役に。

矢田:テニミュは燈くんのほうが先で、僕らは青学(せいがく)で代替わりしたところで始まったんです。

矢田悠祐

矢田悠祐

赤澤:だから……ちゃんと現場で会ったのは全国大会(2013年・全国大会 青学(せいがく)vs氷帝)だね。

矢田:あの頃すごく覚えてるのが、(手塚国光役・多和田)任益と3人でダンスレッスンに行ったこと。

赤澤:あったあった! なんでだっけ? 任益がアテンドしてくれて。

矢田:彼は今振り付けとかもやってますけど、「一緒に行こう」って言ってくれたんですよ。

赤澤:あの……線路の見えるスタジオだ!

矢田:そうそうそう(笑)。そこで個人練習を3人一緒にやってました。

ーー一緒に自主練。当時から親しくされてたんですね。

赤澤:ですね。ま、共演はその作品の時だけなんで……。

矢田:共通のエピソードはもうこれ以外ほぼないですけど(笑)。

赤澤:はい(笑)。

(左から)赤澤 燈、矢田悠祐

(左から)赤澤 燈、矢田悠祐

ーーお互いについての印象はいかがですか?

赤澤:僕はもう最初からずっと好きでその印象は変わらないし、自分同じ世代の俳優さんって無条件で好きになっちゃうんですけど(笑)、やっぱりここまでずっと一緒に……場所は違えどずっと役者を頑張ってきてるよなぁって思える人。それに加えて矢田ちゃんはプライベートでもね、共通の趣味のゲームですごい楽しい時間を過ごしてきているので、マブはマブなんです。

矢田:そうなんです(笑)。ゲームはもう、やり始めるとやばいくらい長い時間、ずーっとやってるもんね。

赤澤:あれはホントにやばい(笑)。仕事終わったら毎日連絡してオンライン。「○時からできるよ」。

矢田:「わかった」と(笑)。特にここ2年くらいなんですけど、友達の伝手で自然と繋がって。

赤澤:ね。だから毎日まぁ喋ってますし、今日会ったのはおそらく10年振りくらいなんですけど。

矢田:それくらいにはなるね。でもお互いに全然そんな気はしてません(笑)。燈くんは先にテニミュに出演していたので僕は最初からちょっと先輩っていうイメージ。「氷帝はできる人たち」っていう印象で、「僕らももっと頑張らないとな」って青学(せいがく)で話していた覚えもあるんですよね。

赤澤:いやいやいや。矢田ちゃんの不二周助、素晴らしかったよ。

インタビューを通していろいろなことを思い出されたようで、会話はつきませんでした!

インタビューを通していろいろなことを思い出されたようで、会話はつきませんでした!

ーー存在感、強く印象に残っています。

矢田:僕はテニミュで初めてダンスをやらせてもらって……あ、それでだ! 個人的にもレッスンをしないとって思って、それで自主練をやったんです。歴代の不二は踊れる人ってイメージもありましたし、歌はもともと得意でしたけど、ダンスは未経験だったので。

赤澤:あー、そうだったかも。なんかいろいろ懐かしい。もう12年前だもんね。怖っ(笑)。

矢田:ハハハッ(笑)。でもその後、僕はいわゆる2.5次元作品に出ていない時期が長かったので、お互い結構違う道を行っていた感じではあったんですよ。

赤澤:だよね。ま、SNSとかで今どういうことやってるかっていうのは入ってきてたし、ああ、頑張ってるなぁと。

矢田:うん。思ってました。

ーー今回の『ネルフェス2024』はネルケプランニング30周年のイベントです。

赤澤:今まで出演させていただいた作品のリストを見て「僕、こんなにやってたのか」って、今、ちょっとびっくりしてるんですけど(笑)、もちろん全部心に残っていますし……ネルケさんの現場って、あったかいですよね。もともと自分が駆け出しからお世話になってきたっていうのもあるし、そこから舞台業界、演劇業界がいろんな変化をしていく中で、常に新しいことをやらせてくれたり。だって、武道館でお芝居するとかもなかなかできないことだし、新しい何かを常にもらえている……お母さん? そう、自分にとってネルケさんは「母」って思っちゃう場所ですね。だからこそ「今の自分はこうなれてるぞ!」っていうのを見せていきたいっていうプレッシャーも年々感じてくるし、再会するごとに舞台スタッフさんたちも……演出部さん、音響さん、照明さんといった方々とも年々信頼が深まっていくので、そのあったかさがあるからこそちゃんとチームになれているし、どんどん素敵な場所になっていってるんだなぁって、実感しますね。

赤澤 燈

赤澤 燈

ーー少し個人的な感想になりますが、赤澤さんの出演作、PONKOTSU-BARON project 第2弾『回転する夜』(2016年)は、ずっと心に残っている作品のひとつなんです。

赤澤:ホントに挑戦のひとつでしたねぇ。モダンスイマーズの戯曲をお借りして、若い役者が集まって……演出を和田憲明さんにお願いしたのもチャレンジングなことでしたし、これも絶対個人じゃできないトライをネルケさんにさせてもらったので……こういう経験は、今でもなかなかできないかもしれないですよね。みんなをキラキラ笑顔にする作品もあれば、こういうお芝居にドン、これですってお見せできる「ザ・演劇」という作品もあって。

ーー矢田さんはミュージカル『黒執事』-地に燃えるリコリス 2015-、ミュージカル『陰陽師』〜平安絵巻〜(2018年)など、ネルケでもやはりミュージカル作品がメインですね。そしてネルフェス参加作品でもある、舞台『魔法使いの約束』は、現在進行形の人気シリーズとなっています。

矢田:はい、まほステはもう4年目になりました。振り返ればテニミュも2年半くらいやらせていただいて、やっぱりその当時の2年半ってすごく長いし密度濃く感じるし、多分みんなもそうだったと思うんですけど、あの頃はもう一度学校に通っているような気持ちでしたよね。

赤澤:わかる。なんかそこにいられる間って、みんながいてくれる安心感みたいなものがあったから。

矢田:ネルケさんはデビュー作、テニミュ、そして今も、現場にはずっと関わりのあるスタッフさんがいてくれることがすごくありがたいなと思いますし……そこで、武者修行に行っていた僕としては、歌でもお芝居でもね、いろいろ勉強して帰ってきたなぁっていう感じがしています。今はそこでの自分なりの恩返しと言いますか、年齢的にも上の方になってますしね、どちらかというともう「教えてください」って言われるほうになっています(笑)。

ーーまほステはまさにその実践の現場とも言えますね。

矢田:なので、自分が勉強してきたことを若いキャストたちに返していけたらなぁって意識はしています。なんでしょう……他所の現場だと「自分は自分」っていう個人戦のスタンスでやることもありますし、シリーズものの作品もミュージカルなどでは経験していないので、こうして同じキャストがシリーズものを続けていくっていうのは2.5次元ジャンルのひとつの特徴かもしれないですね。みんなで協力してやれていますし、教えることってすごく自分にとっても勉強になるなぁと感じています。

矢田悠祐

矢田悠祐

赤澤:確かに僕も年齢が上のほうになってきているのは実感ありますね。心はまだまだ若いんですけど……。

矢田:(笑)。でも流石に本当に若い子たちと接してると「違うぞ」ってなるけど。

赤澤:まあね(笑)。それでも自分が若い頃お世話になっていた作品に出ていた今の自分の年齢の先輩方のことを思い出すと、「自分はそういうふうになれてるんだろうか」って——

矢田:いやー、それは僕も思う。

赤澤:だよね。「なれてたらいいんだけど」って。エーステはもう6年続いているので慣れちゃっているというか、年齢の上下の感覚とか今はほとんど感じないんですけどね。でもひとつのタイトルとして6年続いているってことがすごいなって、今改めて思いました。

ーーエーステとまほステ、ネルフェスではどんなパフォーマンスになるのでしょう?

赤澤:さっきちらっと聞いたところによると“夏祭り”がテーマらしいので、これはもう僕たち夏組にまかせろ! って感じですよね。今年、秋のライブ以外(MANKAI STAGE『A3!』~Four Seasons LIVE 2024~)でカントクちゃんの前にエーステ夏組が揃って顔を出せるのはここだけなので、そこでみんなと一緒に本物の夏の暑さを満喫できたらな、と思います。

矢田:僕らは何曲か歌をお届けできるかな、という予想なんですが……まほステはやっぱり楽曲がすごく素敵で、6月には音楽祭(舞台『魔法使いの約束』オーケストラ音楽祭~main story~)もあるくらい歌の魅力が詰まっているのでね。それぞれ違った世界観の作品がいっぱい登場する中でも、お互いに相乗効果で「ああ、この舞台観たことなかったけど観に行ってみようかな」って思ってもらえるようなパフォーマンスになればいいかなぁと。

赤澤:僕も結構楽しみにしてる。「初めてまほステのみんなを生で観られるぞ」って。

矢田:でしょ?

赤澤:ずっと本人から話だけは聞いていたし、ゲームで繋がっている人も数人いるんです(笑)。

矢田:いるね(笑)。そういう感じで「知ってるけどまだ観たことない」って人、結構いると思うんです。だからファンの方だけじゃなく、そういう初めてのお客様にもまほステの世界をたくさん楽しんでもらえるように届けていきたいです。

ネルケプランニングのマスコットキャラクターである、ネルちゃんとルケくんと一緒に!

ネルケプランニングのマスコットキャラクターである、ネルちゃんとルケくんと一緒に!

ーーお二人自身も作品同士の新たな交流、素敵な出会いがあるでしょうね。

赤澤:女性中心の作品とかも観る機会がなかったので、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』とかも楽しみだよね。

矢田:僕もやっぱりエーステはゲーム仲間で知ってる名前がちらほらいるのも含め(笑)、ずっと観てみたかった作品ですし、他の作品ってどういう雰囲気でやっているんだろうというのは純粋に興味がありますね。あとミュージカル『刀剣乱舞』は、うちの組(まほステ・東の国)の仲間の田村升吾と加藤大悟がね、すごく頑張っているってずっと話を聞いていて、でもまだ本番の舞台での二人を観に行けてないので、それも観られるのが楽しみ。いつも「こんなのやってきました」って写真とか見せてくれる可愛い後輩たちが、実際にあの姿で舞台に立っているのをしっかり見届けたいです。

ーー会場はあの武道館。特別感が高まります。

矢田:なんか、「武道館、2回目なんですよ」っていう自分がちょっと面白いんだよね。だって、アーティストさんでもなかなかないことですから。

赤澤:ホントに! 役者をやっててそういう体験はなかなかない……あ、ごめん。僕、2回目じゃなく3回目だったわ(ドヤ)。

矢田:(笑)そうなんだ。すごいなぁ。

赤澤:母親がびっくりしてるんだよね。演劇って、好きな人や体感したことある人とない人では持ってるイメージも随分違うと思うんです。うちの父親も演劇にはあまり縁がないので、いまだによく「今日も練習行くのか?」って、言うんですよ。

矢田:うんうん。

赤澤:その度に「“稽古”だよ」って訂正するんだけど(笑)、そういう人たちも「武道館」ってワードを聞くとどんどん前のめりになって、「え、じゃあ何するの?」って興味を持ってくれるから、そうやって可能性が広がるこうしたイベントって俳優にとってもありがたい機会なんです、とっても。

赤澤 燈

赤澤 燈

矢田:そうだよね。

赤澤:とりあえず僕らの使命はもうとにかく盛り上げること。もう絶対楽しくなっちゃうと思いますし、もちろんお客様と一緒にワ〜ッ! てやりたいですし、でもせっかくこれだけの出演者が揃うので舞台裏とかで、例えばキャラクター姿との僕と矢田ちゃんがすれ違いざまに会えるかもしれないと思うと、それもまた面白い瞬間ですよね。

ーーそして……30周年のお祝い後も、もちろんネルケプランニングは舞台を創り続けていくことでしょう。未来に向け、今後一緒にやってみたいアイデアなどもあればぜひ!

矢田:やりたいことか……そうですね、去年は本格ミステリー歌劇『46番目の密室』で探偵ものでありミュージカルという作品の主演をさせていただき、KAAT神奈川芸術劇場という素敵な劇場にも立たせていただいたんですが、やっぱり僕はミュージカルに、出たい、です!

赤澤:おお〜。

矢田:漫画原作やゲーム原作も好きです。その中でオリジナリティーのあるミュージカル作品が増えていけばいいな。そういう場で僕もしっかり力を発揮し、歌でお力添えしながらさらにみなさんに恩返しをしていければなって思います。

矢田悠祐

矢田悠祐

赤澤:僕はこのお仕事を始めてから演劇に染まっていった人間なんですが、ネルケさんの作品でスタートしたこともあると思うんですけど、やっぱりハッピーな作品が好きなんですよね。なので、ハッピーでハートフルな気持ちになれるものを……今までもたくさん創られていますけど、お客様が笑顔になれる作品を作り続けていって欲しいなって思います。あとやっぱり今日みたいに同世代で役者を続けている人たちと交流できるのは嬉しいですし、そこから作り手側に回る人も出てくるでしょうし、そういう人たちが羽ばたける機会をたくさん作ってくださいねって、思います。

矢田:(頷く)。

ーーあ、お二人の共演は?

赤澤:そうじゃん! 忘れてた〜。

矢田:むしろ当たり前にするもんだと思っちゃってた。

赤澤:それね(笑)。

矢田:したいです、共演。前から「同年代で集まって何かできたら面白いよ」って話もしてたし……ね。

赤澤:そうそう。面白いと思うよ。じゃあ僕のやりたいことは「矢田ちゃんと共演」で。

矢田:ずるいなぁ〜。僕ももちろん「燈と共演」ですよ。ま、叶うでしょうね。こうして記事になりますし(笑)。

赤澤:ハハハッ(笑)、これはもう確実に叶うだろうね。

ーーいいですね。共演作の実現も楽しみにしています。

赤澤・矢田:ネルケさん、よろしくお願いします!

(左から)赤澤 燈、矢田悠祐

(左から)赤澤 燈、矢田悠祐

 

ヘアメイク=【赤澤 燈】古橋香奈子/【矢田悠祐】田中紫央
スタイリスト=MASAYA(PLY)
衣装=【矢田悠祐】
·ジャンプスーツ ¥69,300(NAPE_)
〈お問い合わせ先〉NAPE_ (03-6407-9087)

 

 

取材・文=横澤由香     撮影=池上夢貢

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