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堀ちえみが奇跡の復活、愛と感謝の40周年ライブでシングル全曲を歌いきる

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堀ちえみ記念公演「Chiemi Hori 40thプラス1 Anniversary Live ~ちえみちゃん祭り 2023~」

2月15日、東京・かつしかシンフォニーヒルズにて、堀ちえみの記念公演「Chiemi Hori 40thプラス1 Anniversary Live ~ちえみちゃん祭り 2023~」が開催された。本公演は、2017年以来6年ぶりとなるワンマンライブで、この間に舌がんの闘病生活を乗り越えたこともあり、約1300名のチケットは完売するほどの人気となった。

ライブの本編は、なんと全シングルのA面21曲に「Wa・ショイ!」の両A面扱いだった「風のサザン・カリフォルニア」を追加した全22曲!しかも、ほぼフルコーラス、ほぼオリジナルに忠実な振付けや演奏という徹底ぶりで、来場していたファンからは、イントロが始まるたびに歓声が上がり、歌い終わるたびに大きな拍手が沸き起こった。会場は声出しOKで、ピンクのユニフォームをまとった当時の親衛隊も、周囲の観客に気を配りつつ精一杯の声援を送っていた。

闘病後初の長丁場だけに、堀ちえみの体調が懸念されたが、2曲目の「真夏の少女」にて感涙で声を詰まらせたものの、それ以降はラストまで果敢に歌いきった。特に、観客を驚かせたのは、彼女の歌声が大きく変化していたことだ。発音については手術の影響が多少残っているが、それ以上に高音域の発声がアイドル時代に比べ格段に上手くなっている。特に、「稲妻パラダイス」「東京Sugar Town」「クレイジーラブ」などサビ部分での高音域のロングトーンがパワフルに響き、聞いていても気持ちが良い。また、12曲目の「リ・ボ・ン」から21曲目の「愛を今信じていたい」まで10曲のフルコーラスをノン・ストップで歌うというのも若手にも劣らぬスタミナを感じさせた。その後、最大ヒット曲「さよならの物語」を健気に歌い、熱い熱気を帯びたまま本編が終了した。

そして、アンコール冒頭では、当日が誕生日だった堀ちえみにサプライズでの花束プレゼントと観客を背景にしたバンドメンバーとの記念撮影で、会場はあたたかい愛に包まれた。その後、「堀ちえみ 40周年アニバーサリー CD/DVD-BOX」(オリコン週間アルバム68位にランクイン。堀にとって約36年ぶりのTOP100入り)からセレクトした「CHIEMI SQUALL」「From My Heart」「名前を呼んで」を歌唱。涙でいっぱいになりながら「名前を呼んで」を歌った後、何度も何度も感謝の言葉を観客に伝えていた。

筆者自身、この日は、ただ元気だと分かれば十分だと思っていたが、実際には歌唱力やステージでのパフォーマンス力も成長を遂げ、奇跡的な復活を果たした。きっと、並大抵ではないトレーニングを重ねてきたのだろう。堀ちえみの復活は、仕事や健康など何かと不安の多いファン世代に大いなる勇気を与えてくれることだろう。

(文:人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝)

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