のん、主宰レーベル5周年を記念し無観客配信ライブ開催 バンド編成で90分に渡って全11曲を演奏

アーティスト

撮影:南賢太郎(FOCUS STUDIO)

のんが無観客配信ライブ「NON OUCHI DE MIRU LIVE(#のんおうちで観るライブ)vol.14」を8月6日に都内某所で開催。ライブの模様は動画視聴サイトを通じて生配信された。

「のんおうちで観るライブ」は、2020年5月にギタリストのひぐちけいとスタートさせた無観客トーク&ライブ・シリーズ。通算16回目を迎えたこの日は、のんが2017年8月3日に立ち上げたレーベル、”KAIWA(RE)CORD”の設立5周年を記念したライブ。盟友のひぐちけい(G)、なかむらしょーこ(B)、ナガシマタカト(Ds)らと共に、昨年12月25日のZepp Tokyo以来となる久しぶりのバンド編成で出演。デビュー曲から最新楽曲までを時系列に沿って約90分に渡って11曲を演奏した。

のんのライブ・デビューは、2017年8月6日に開催されたフェス「WORLD HAPPINESS 2017」での高橋幸宏のステージへのゲスト参加。同日、デビュー・カセット「オヒロメ・パック」を発売。おうちで観るライブvol.14のオープニングは「オヒロメ・パック」に収められた「タイムマシンにおねがい」。トレードマークの真っ赤なテレキャスターが唸りを上げてイントロのリフを響かせる。「あなたのおうちがライブハウスだ!みんな準備出来てる?」と画面の向こうの視聴者に呼びかけライブがスタート。のんは前身頃を大胆にカットしたデニム・ジャケットに貴婦人をプリントしたTシャツ、表は黄色と黒、裏はブルー系のタータン・チェック柄のパンクスタイル・パンツ、足元は厚底スニーカーの出で立ちで登場。彼女のファッションはおうちで観るライブ開催ごとに注目が集まるが、今回は鮮やかなモダーン・パンキッシュでビューワーを魅了。

ACT1/記念すべき1stアルバム

1曲めの演奏が終わるとラジオ・ジングルが流れ、のんはステージ横の「KAIWA RADIO」ブースに移動。2017年12月のKAIWA フェス Vol.1に登場したラジオ局「KAIWA RADIO」が5年ぶりに復活した。ここではパーソナリティとして、リクエスト等を読み上げたりしながら、イベントの進行役も担当。

「おうちで観るライブvol.14」前半は、のんが2018年5月にリリースした1stアルバム「スーパーヒーローズ」に収められた楽曲が次々と披露されていく。1stシングル「スーパーヒーローになりたい」、2ndシングル「RUN!!!」と発表順の時系列に沿ってに爆音で疾走。支えるのは鉄壁のリズム隊、なかむらしょーこ(B)、ナガシマタカト(Ds)のふたり。小さな身体でベースを抱え、地を這うようなヘビィなリズムを刻む、なかむらしょーこ。大きな身体でダイナミックかつ繊細なリズムを叩き出すナガシマタカト。昨年5月の「おうちで観るライブvol.8」で初参加以来、今やのんの重要なパートナーだ。

矢野顕子が忌野清志郎をイメージして書き下ろした「わたしはベイベー」では、仲井戸麗市を彷彿させるようなブルージィなギター・ソロをひぐちけいが弾く。これが実に渋くてカッコいい。ロック系ギタリストの印象があった彼女の新境地。

セックス・ピストルズの「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」のような、のんの激しくかき鳴らすカッティング・ギターで始まる「へーんなのっ」はのんが初めて作った自作曲。続く真島昌利の書き下ろし曲「さあいこう」と、パンク・スピリット全開ナンバーを叩き込み、配信ビューワーのボルテージを上げまくる。画面のコメント欄の「やっぱりのんちゃんロッカーだわ!」の書き込みに、のんも「ロックでやってますよ(笑)」と得意げに返す。

ACT2/ GO!GO!7188、忘れらんねえよのメンバーからの曲提供!

「KAIWA RADIO」コーナーでは、中学時代の憧れのバンドだったGO!GO!7188を振り返る。2019年6月にリリースしたセカンド・ミニアルバム「ベビーフェイス」では、GO!GO!7188のノマアキコ&ユウからの書き下ろしも実現。「愛してやまないユウさん、アッコさんに曲を作って頂き、私の青春そのものが詰まったアルバム!」と感慨深けに話し、ふたりからの提供曲を演奏。「ナマイキにスカート」では、ギターを置いてハンドマイクで歌い、間奏では可愛い仕草のダンスも披露し画面の向こうのオーディエンスを沸かす。

続く柴田隆浩(忘れらんねえよ)の提供曲「わたしは部屋充」では、無観客のフロアに降りて、縦横無尽に駆け回り爆ぜながら歌う。今年ののんは2月に自身が監督・脚本・主演を務めた映画『Ribbon』の公開、6月末から1ヶ月の間、舞台『私の恋人 beyond』出演と音楽以外の活動が続いた。「5周年はいつもと違ったことやってみたくて、暴れてみました(笑)」とハァハァと荒い息遣いの中、久しぶりのライブに興奮を隠せない。コメント欄には、珍しい暴れっぷりに心配する声も多数寄せられたが「今日はホントに楽しみにしてたもので」と照れながら、高テンションの理由を明かす。

ACT3/みんなに向けたのんからのラブレター

ここで再び「KAIWA RADIO」に移り、のんから皆んなに向けて書いたラブレターを朗読。初めてのステージとなった「WORLD HAPPINESS」、アルバム「スーパーヒーローズ」でのツアーを振り返る。堪えたのは2020年2月の「NON KAIWA FES Vol.2」の中止からの無観客状態での開催。精神的にダメージがあったのに加え、無観客開催に踏み切った事での経済的な負担もあった。そんなコロナ禍の中、明るいパワーを届けたいと同年5月にスタートさせたのが無観客配信ライブ「おうちで観るライブ」シリーズ。「応援してくれるみんながいて、それを実感することができて、コロナ禍で疲弊していた気持ちがみるみる癒やされていきました」と綴る。自身が弱っている時、疲れている時、みんなに助けられています。私たちは一緒に戦っているんだな、困難な状況に置かれても一緒に楽しんでくれるみんながいてくれるんだな、と思うとなんだってできる!と続け、この無敵感を活かして、私は楽しいことたくさんしていきます!とこれからの活動を高々に宣言。最後に「これはラブレターなので、この際言っておこう。みんなありがとう!大好きだよ!愛してる!これからもついてこい!楽しい時間を共に過ごそう!(KAIWA(RE)CORD代表のん)」と、3枚の便箋に綴ったラブレターを締めた。

ACT4/盟友とのコラボレーション

そして、ライブはいよいよ終盤に。「最後は私が誰よりも信頼しているひぐちけいと一緒に作った曲を聞いて下さい。素晴らしいメンバー、しょうこさん、タカトンとともに贈ります!」と、ひぐちけいとの共作曲2曲を一気に歌う。最後のナンバーになぞらえ「みんなと一緒こここまでこれたことが、何よりも”鮮やかな日々”でした!」と改めてビューワーに感謝。昨年12月以来、8ヶ月ぶりのバンド編成ライブを終え「ああ気持ちよかった!ホントにサイコーです。(水泳の)北島選手の”超気持ちいい!”って、このことかぁ!とよくわかりました!」と大感激の中、ステージを降りた。

「おうちで観るライブ」はライブ&トークのミックス・イベントだが、この日はバンド編成中心の「レス・トーク/モア・ミュージック」構成。いつもと比べるとトーク・タイムが少なかったが、エンディングの恒例トークコーナー「もぐもぐタイム」は健在。各々が好きなフード&ドリンクをオーダーしてのトーク・タイムで、この日は5周年のお祝いに何を食べたいかをテーマに、まったりトークを展開。最後はKAIWA(RE)CORD代表ののんから「次は10周年目指すぞ!着いてきてね!」の頼もしい宣言も飛び出し、90分に及んだ「おうちで観るライブ vol.14」を締めた。この日の模様は、8月13日23:59まで見逃し視聴ができる。またKAIWA(RE)CORD5周年を記念し、のんデザインの「トリケラリボンのグッズ」発売や、「へーんなのっ」のオフィシャル・リリック・ビデオを公開した。

のんおうちで観るライブvol.14 -KAIWA(RE)CORD 5周年記念LIVE!セットリスト

8月6日19:00(詞曲/収録アルバム/リリース年)

M01.タイムマシンにおねがい(詞:松山猛; 曲:加藤和彦/オヒロメ・パックEP/2017)
M02.スーパーヒーローになりたい(詞・曲:高野寛/スーパーヒーローズ/2018)
M03.RUN!!!(詞・作:Sachiko M/スーパーヒーローズ/2018)
M04.わたしはベイベー(詞・曲:矢野顕子/スーパーヒーローズ/2018)
M05.へーんなのっ(詞・曲:のん/スーパーヒーローズ/2018)
M06.さあいこう(詞・曲:真島昌利/スーパーヒーローズ/2018)
M07.やまないガール(詞:ノマアキコ・作曲:ユウ/ベビーフェイス/2019)
M08.ナマイキにスカート(詞:ノマアキコ・作曲:ユウ/配信Sg/2020)
M09.わたしは部屋充(詞・曲:柴田隆浩/配信Sg/2019)
M10.僕は君の太陽(詞・曲:のん、ひぐちけい/未発表)
M11.鮮やかな日々(詞:のん・曲:ひぐちけい/Parallel Ribbons/2022

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