のん、復興応援コンサートを開催 ゲストにあまちゃんファミリーの尾美としのり&片桐はいりが登場

アーティスト

PHOTO : Kentaro MINAMI

のんが「NON OUCHI DE MIRU LIVE(#のんおうちで観るライブ)」を2月27日、東京にて無観客で開催。ライブの模様は5台のカメラで中継され生配信が行われた。

今回の「おうちで観るライブ」は、”東日本震災復興10年復興応援コンサート「がんばろう東北」”と銘打たれ、岩手県釜石市と東京との二元中継。17時になると画面は岩手・釜石TETTOのステージが映し出される。

賑やかな笛と鉦と太鼓のお囃子と掛け声に合わせ、2頭の虎が舞台を勇壮に舞い踊る。虎舞は、頭が獅子ではなく虎を使った舞い踊りで、釜石市の無形文化財に指定される三陸地方の伝統芸能。錦町青年会の面々によるお囃子の演奏と虎舞の演舞で”復興応援コンサート「がんばろう東北」おうちで観るライブ”が幕を開けた。

続いて画面が東京会場に切り替わる。ステージは岩手の作家宮沢賢治の銀河鉄道の夜をイメージした舞台美術が印象的だ。そして、大友 良英率いるバンドによる「あまちゃん オープニングテーマ」の演奏が始まった。この曲は岩手県北三陸と東京を舞台にしたドラマ「あまちゃん(2013年放送)」のテーマ曲で、まさに、この日のライブのオープニングに相応しいナンバー。

演奏が終わるとステージにのんが登場し、ライブの開会を宣言。バンド・メンバーの白のブラウスに蝶ネクタイ、サスペンダーのコスチュームに合わせ、のんの衣装も同系統。ブラウスはパフスリーブのトップスにつけ襟、黒のパンツ、耳元には大きなパールのイヤリング。のんが大友やSachiko Mと出会ったのは震災から2年経った夏。大友がしみじみと「あれから、のんちゃん大きくなったよね」と話しかけると「はい!猫背が治って、2cm背が伸びました!」と仰天告白。これには配信画面のコメント欄も大爆笑。続いて大友バンドの被災地でのライブや、のんが三陸地方を訪れた写真を映しながら、ひとしきり東北の思い出トークに花が咲く。

のんが「みんなで東北に笑顔を届けたい気持ちは満々です!復興に向けて、みんなで応援できるような明るいライブを今日はやります!」と告げ、「ショーがはじまる!」「トキメキ」の2曲を歌う。いずれも昨年末、のんとも。Mでリリースしたアルバム「ショーがはじまるョ!」に収められた楽曲だ。

「ショーがはじまる!」は昭和のTV番組「シャボン玉ホリデー」をイメージして、ステイホーム期間に書かれた曲。曲間にクレイジーキャッツの谷啓の「ガチョ~ン!」を入れたのは大友の提案。大友は「ガチョーン」を楽曲の中でずっと言いたくて、この曲で夢が叶ったそう。歌謡ショウのような賑やかで楽しい曲だ。

続いての曲はクレイジーキャッツ繋がりで、ハナ肇とクレージーキャッツが1963年に発表した「ハッスルホイ」。のん、たってのリクエストで新アルバムに収められた怪曲。のんが両腕両脚を左右に動かす”ハッスルダンス”を交えながら「ハッスルホイ、ハッスルホイ」と熱唱。中盤、「ここでスペシャル・ゲストです!」と呼び込まれた尾美としのりが「ガチョ~ン!」と叫びながら登場。のんの横に立って”ハッスルダンス”交えての大奮闘。♪なんだか知らぬが天下とった気分だよ!と高らかに歌う。

尾美はかつてドラマでのんの父親役・黒川正宗を演じたこともあり、コメント欄は「正宗パパ~!素敵!最高!」と大興奮。尾美は仕事前に必ずこの曲を聴きながら現場に行くそうで、初めてのライブ歌唱に「気持ちいいいです!でも緊張して、震えはとまりませんけど(笑)」と感無量。クレージーキャッツの名フレーズ「お呼びでない、お呼びでないね。こりゃまた失礼しました〜」と残して、尾美としのりはちょっと恥ずかしそうにステージを降りた。

「lalala にちようび」も新アルバム収録曲。サビの♪lalalaでは、ファンがリモートでコーラスに参加した。レコーディングもこの日のメンバーでリモートで行われ、実際に揃って生で演奏したのはこれが初めてだそう。「おうちで観るライブ」はのんとギタリスト・ひぐちけい(おうちで観るライブレギュラー)のふたりにゲストを交えて昨年5月から始めたトーク&ライブ配信イベント。通算8回目にして初めてのフル・バンドでのライブが実現。のん、ひぐちけい、大友 良英、Sachiko M、江藤 直子(Key)、近藤 達郎(Key)、かわい しのぶ(B)、itoken(Dr)の8人編成で奏でるサウンドは重厚でゴージャス感満載。

のんから「ここで もう1人のスペシャルゲスト。我らがまめぶ大使です!」と呼び込まれ、マイク・スタンドを肩に抱えて登場したのは片桐はいり。ドラマ「あまちゃん」では、のんの海女仲間、あんべちゃん(安部小百合)役を演じた。久慈の郷土料理・まめぶ汁を広める”まめぶ大使”でもある。片桐は現在も務める”まめぶ大使”の名刺をかざしながら、劇中の人気セリフ「そばですか?うどんですか?まめぶですか?」を披露すると、「生で聴けた!あんべちゃ~ん!」とコメント欄も大喜び。

片桐はいりが参加して歌うのはフォー・シーズンズが1962年8月にリリースした全米No.1ヒット曲の「Sherry」。のんと片桐が交互に歌い、中盤には大友やSachiko Mがコーラスに加わり美しいハーモニーを聴かせる。イントロと間奏で奏でられる近藤 達郎のブルース・ハープに合わせ、のんと片桐は軽やかなステップを踏む。懐かしい面々との共演に片桐は「あ~また久慈に行きたいね」と話すと、大友も「早くみんなで行けるようになりたいね」と続ける。

ここで画面は釜石会場に切り替わる。ステージには釜石高校の生徒や市民の有志のみなさんがソーシャル・ディスタンスを取って集結。歌われるのは、のんが東北の人々に想いを寄せて書き下ろしたオリジナル曲「この街は」。まず、のんが1番の歌詞を歌い、次に釜石に画面が切り替わる。再びフルコーラスで、釜石市のみなさんの合唱。530km離れた東京会場からの演奏に合わせ、釜石とのリモート共演だ。「復興祈念にふさわしい!/泣きそー!/歌い繋げ!神コラボ」と素晴らしさを称えるコメントが続々と寄せられる。

画面は再び東京会場となり、ステージにはゲストの片桐はいり、尾美としのりが再登場。「この街は」を振り返って、片桐は「のんさんっぽい歌詞だよね!(あまちゃん撮影中は)あのポテト・チップスばっかり食べてた子が、こんな曲を書くようになった!」と、我が子の成長を振り返るように目を細める。

尾美は「身体がきれいになるような曲!」と称え、撮影の合間では、ひとりでどこかの部屋に籠もっていた、のんのエピソードを披露。のんによると、撮影中は緊張しまくって、カットが入ると衣装部屋に籠もって身を潜めていたという、まさに「わたしは部屋充(のんの曲タイトル)」していたことを告白。3人でドラマ撮影時の思い出話しで盛り上がると「あまちゃん同窓会会場になってる!」とコメント欄も湧いた。

そして「コロナが終わって、早く岩手に行けるようになりたいですね。みなさんにゲンキをお届けしたい!聴いてください」とラストの「明日があるさ」を紹介。出演者がそれぞれ歌い分け、最後は全員での合唱で締め、のんにとっての「第2の故郷」ともいうべき岩手にエールを送った。

“東日本大震災復興10年復興応援コンサート「がんばろう東北」のんおうちで観るライブ”の模様は3月11日23:59までアーカイブ視聴ができる。チケットは3月11日18:00まで販売されている。

のんおうちで観るライブvol.7 セットリスト

  1. 虎舞/釡石・錦町青年会の演舞
  2. あまちゃん オープニングテーマ
  3. ショーがはじまる!
  4. トキメキ
  5. ハッスルホイ with 尾美としのり
  6. lalala にちようび
  7. Sherry with 片桐はいり
  8. この街は ※釡石会場とのコラボ
  9. 明日があるさ with 尾美としのり、片桐はいり

関連タグ

オススメ