ボカロ史を振り返るライブイベント「The VOCALOID Collection LIVE」開催、「みんな逢いたかった」小林幸子も涙

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The VOCALOID Collection LIVE

ドワンゴは12月12日、VOCALOIDが歩んできた現在までの道のりを振り返り、未来をともに描いていく1日限りのスペシャルライブ「The VOCALOID Collection LIVE」を、東京・豊洲PITにて二部構成で開催した。

今年初開催となったボカロ文化の祭典「The VOCALOID Collection ~2020 Winter~」のリアルライブイベント「The VOCALOID Collection LIVE」。VOCALOIDが歩んできた道のりを振り返る第一部では、2009年から2014年のボカロ曲を中心に届けられた。

「0」と「1」、デジタルの遺伝子が高速で紡がれていくオープニングムービーに掲げられた、「Are You Ready?」の文字。一気にオーディエンスを惹き込み、カウントダウンとともに飛び出したのは、針原翼(HarryP)& Heavenzのギター&DJパフォーマンス。今回が初コラボとなる2人は、時折アイコンタクトで意思疎通を図りつつ、「EARTH DAY」や「それがあなたの幸せとしても」など人気曲を繋ぎ、ボカロの歩みを鮮烈に蘇らせる。

これに続いたのは、164×+α/あるふぁきゅん。コラボ。164の代表曲「天ノ弱」を+α/あるふぁきゅん。が熱唱というド迫力ステージが展開される。MCパートでは「人前で歌うのが久しぶりすぎて緊張しちゃった!」と切り出す+α/あるふぁきゅん。のコメントに、うまく続けなかった164が、「MCが苦手過ぎる!」と+α/あるふぁきゅん。からツッコまれ会場も沸いた。

164のギターソロパートに移ると、「完全に私事なんですが、昨日…、娘が2歳の誕生日でした!」と“親バカ”っぷりを披露し拍手を浴びる。そんな和やかなスタートが嘘のような、超絶ギターテクがステージ上で矢継ぎ早に展開されると、コメントも「164さんギターかっこよすぎ」「ギターかっこいい!w」「エモーい!」と大きく盛り上がった。

3組目は、ボカロ文化が生み出した「歌ってみた」からのパフォーマンス。ステージに現れたのは、Capital Rhythmより、けったろ、つかさし、nero、NORISTRY、Rioの5人。鏡音リンの代表曲の一つともいえる「東京テディベア」を、つかさし× Rioが熱唱。続く「SPICE」は、Rio×けったろ。「ネトゲ廃人シュプレヒコール」は、けったろ×nero。「From Y to Y」は、nero×NORISTRY。「チルドレンレコード」は、NORISTRY×つかさし。と入れ替わり方式で2人ずつが歌のバトンを繋ぐという貴重な演出で魅せ、最後は5人揃っての「Mr.music」で会場に一体感を生む。

4組目も同じくボカロ文化が生み出した「踊ってみた」夢の競演。めろちん、SHARE LOCK HOMES、愛川こずえ、いりぽん先生、みうめ、仮面ライアー217という錚々たるメンツが、今回のThe VOCALOID Collection REMIX企画から生まれた、ここでしか聞けないボカコレREMIX音源(REMIX by:colate、Qota、Tom-i)に乗せ、ストーリー性の高いダンスで魅了した。

続いては、koma’nによるボカコレ限定のピアノ弾き語りメドレー。圧倒的な演奏で世界観を一気に変えると、配信視聴者からは「素敵すぎる」「思わず笑ってしまうほどいいアレンジ」「曲の繋ぎもすごすぎる」といったコメントが寄せられた。そして、神がかったテクニックで披露される「千本桜」のフュージョンアレンジに続いて呼び込まれたのは、ラスボス小林幸子。

深紅のドレスに身を包んだ小林幸子は圧巻の歌唱力で「千本桜」を歌い上げ、桜の弾幕を浴びると「みなさん…、凄く逢いたかったです」と涙で言葉を詰まらせた。また、「今回のコラボで『千本桜』は何度も歌わせて頂いているんだけど、ピアノ一本って初めて!オーケストラにも負けないこまちゃんの演奏凄い!」とkoma’nの演奏に惚れこみ、「2人のユニット名、何にする?」と切り出します。これにkoma’nが、「小林幸子さんとkoma’nなので…、「幸子ma’n」?」と答えると、小林幸子は「“幸子まんじゅう”みたい」と沸かせ、「桜ノ雨」の歌唱へ。最後は歌詞になぞらえ、「いいことばっかりじゃないけど、決して悪いことばかりでもない。またここで逢おう」と締めくくった。

7組目は、再び踊ってみたメドレー。愛川こずえ、めろちん、仮面ライアー217、みうめ、SHARE LOCK HOMES、いりぽん先生が2009年~2014年のボカロ曲メドレーをバックに、エモいダンスで魅せる。特に愛川こずえの「ルカルカ★ナイトフィーバー」ダンスが披露された際には、「激アツ」「ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!」の弾幕に画面は覆われた。そして、第一部を締めくくるのは、2009年からのボカロP活動で人気を博し2012年にはメジャーデビューも果たしている、ピノキオピーのパワフル過ぎるライブ。終始白熱の初音ミクコラボライブは、ラスト3曲が、「アルティメットセンパイ」「内臓ありますか」「すろぉもぉしょん」とアガル名曲で続いたため、異次元の盛り上がりのまま第二部へとバトンを繋ぐことになった。

第二部は、2015年から2020年のボカロ曲を中心に届けられた。トップバッターは、八王子PのDJプレイ。テンションMAXのボカロ曲セットリストが続くと、会場のオーディエンスは一気に総立ち。これに釣られる形で踊り手たちも次々とステージ入りするというお祭り騒ぎでロケットスタートを飾った。

この盛り上がりを“繋ぐ”のは、DJ’TEKINA//SOMETHING a.k.a ゆよゆっぺ。開口一番「音がおっきい!気持ちいいいいいい!」と豊洲PITの雰囲気を噛みしめ、「声が出せないなら手を叩けばいいじゃないの!」と会場のボルテージを最高潮に引き上げる。MCパートでは昨今の難しい状況に触れつつも、「死ぬほど太りました。アー写の衣装もパツパツ」と会場を沸かせ、「でも、これは僕らが、このイベントが、このボカロという文化が、アップデートしてるんだと思っているんですよ!」と語り喝さいを浴びた。そして、ラストはDJブースを飛び出し、「Palette」を歌い上げるパフォーマンスで盛り上がりのバトンを繋いだ。

第二部3組目は、マルチクリエイターjohn/TOOBOEがバンド編成で挑む初ライブ。john/TOOBOE(Vo.)、飯田”MESHICO”直人(Gt.)、渡辺佑輔 カゴメ(Ba.)、川端諒太(Dr.)、村田祐一(mp)のメンバーで届けられる重厚な歌唱と演奏、12月3日にリリースされたばかりの新曲「毒」が披露された際には、「これを聞きに来た!」「待ってました!」「神か」とコメントも大きな盛り上がりとなった。

4組目もライブで続く、ツユ。礼衣(Vo.)の独唱に、ぷす(Gt.)が合流する形でライブがスタートすると、会場もグイグイとツユワールドに惹き込まれていく。MCパートでは、ぷすが「僕がしゃべってると、ツユはぷすがしゃべらなければいいのにってTwitterとかで言われる」と会場を沸かせた。前半は、ぷすがボカロPとして制作していた楽曲、後半は2人のユニット「ツユ」としてのオリジナル曲というエモいセットリスト展開には「感動」の声も出た。

いよいよイベントも終盤。続いては、2015年~2020年の「踊ってみた」ヒット曲メドレーです。SHARE LOCK HOMES、いりぽん先生、仮面ライアー217、神沢有紗、ありく、めーとる、ぽるし、ウィル、めろちん、総勢12人が個性豊かなダンスを展開し、ラスト曲「LIFE」ではシークレットの+α/あるふぁきゅん。がフルコーラス参加というサプライズで大団円を迎えた。

最後の挨拶には八王子Pが「また遊ぼうぜ!」、DJ’TEKINA//SOMETHING a.k.a ゆよゆっぺは「どんな辛い時でもオレたちはこれだけ盛り上がれるんだぞ!」と、そして、めろちんは「こういったジャンルの違う僕たちを引き合わせてくれた共通点がボカロ。改めてVOCALOIDへの感謝を感じました。“ぶちかますぞ!”という思いは次へと繋ぎましょう!ありがとうございました!」との言葉を、会場と配信視聴者に向け贈りました。「これからも 何度でも また逢おう ずっと」そして、会場と配信視聴者に向け、感謝の言葉を伝えたい人はもう1人。

「ありがとう」

ラストは初音ミクの言葉で締めくくられ、感動の余韻はいつまでも広がっていった。

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