黒フェス2020終演、コロナ対策を施しての有観客公演「一歩進まなければ始まらない」

アーティスト

松崎しげる

黒フェス2020が、9月6日に東京・TACHIKAWA STAGE GARDENで開催された。

今年、ソロシンガーとして50周年を迎えた松崎しげるが、2015年から開催してきた音楽フェス“黒フェス2020〜白黒歌合戦〜”。毎年“クロ(96)の日”には、ジャンルを超えて多くのアーティストが集結し、幅広い層の観客を楽しませてきた。

だが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大という不測の事態がエンタメ業界を直撃。イベントやライブ、舞台公演などがことごとく中止や延期に追い込まれた。

そんな中、松崎は、イベントのオフィシャルサイトに「今年はみんな大変な思いをしています。でも僕たちは何かやらなきゃいけない。だから今年はやります! 歌でみんなと一緒になってつながりたいと思っています」と動画メッセージを投稿。フェスにかける熱い思いを語った。

もちろん、今年は、ソーシャルディスタンスを守り、会場への入場者数を1/3以下に限定。さらにはオンライン同時配信も行うという新しいスタイルでの開催となった。

また、入場者にはサーモグラフィーによる体温チェックや手指消毒、マスクの配布、着用を促すなど、徹底した感染対策を実行、会場も客席後方の扉を全て解放し徹底した換気を心掛け通常とは違うムードの中、フェスはオープニングアクトの703号室の演奏で始まった。

その後、中孝介や、男性ボーカルグループLE VELVETS、TEE、BOYS AND MEN、ファンキー加藤、そしてアイドルグループのAnge et Follettaなど、個性豊かな面々が続々とパフォーマンスを披露。

中盤では、映像で参加した河村隆一、バンドスタイルの大黒摩季といった実力派シンガーが、深みのある歌を聴かせた。後半はHOUND DOGに加え、“黒フェス”の常連、松崎のうらわかき相棒、ももいろクローバーZがリモートで生出演。ピアノ伴奏のみのアコースティックアレンジで、「行くぜっ!怪盗少女」など4曲を熱唱。歌にフォーカスしたパフォーマンスは印象的だった。

その後は、和田アキ子や桑田佳祐&Mr.Childrenの完璧なモノマネで話題のMr.シャチホコが盛り上げ、フェスはいよいよ大詰めへ。

白いスーツで登場した松崎しげるは「ルパン三世のテーマ」「愛のメモリー」などの代表曲を響かせ、衰え知らずの歌唱力で圧倒。MCでは「今の台風で大変な思いをされている人やコロナ禍で大変な思いをしている人を気遣いつつ、エンターテイメントも一歩進まなければ始まらない!」と、コロナ禍の中でも黒フェスを開催し、エンターテイメントを守る心意気を語った。

こんな時代だからこそ、音楽の力を信じる。そんな思いを実感できたイベントだった。なお、今年の黒フェスは、JOYSOUND「みるハコ」にてアーカイブ放送が決まっている。

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