森山直太朗、大阪にて無料招待ライブを開催 13曲を披露

アーティスト

「SPACE SHOWER TV × J:COM 森山直太朗 Precious Live in 大阪」写真:AZUSA TAKADA
「SPACE SHOWER TV × J:COM 森山直太朗 Precious Live in 大阪」写真:AZUSA TAKADA

森山直太朗が、12月8日に大阪・サンケイホールブリーゼにて、Z完全招待制のプレミアムライブ「SPACE SHOWER TV × J:COM 森山直太朗 Precious Live in 大阪」を開催した。

全国から39,000名を超える応募から、幸運にも選ばれた600名がこの日限りのプレミアムライブを堪能。木材を組んだシンプルなステージセットを背に、マンドリンやバンジョー、ヴァイオリン、チェロなどが入り混じるアコースティック編成での一夜限りの特別なライブとなった。

なお本イベントは、J:テレ(J:COMテレビ)にて2020年1月13日に最速オンエア、スペースシャワーTVにて1月25日に完全版をオンエアする。また、1月13日には東京ソラマチ「J:COM Wonder Studio」にて、無料で視聴できるパブリックビューイングも開催する。

ライブレポート

12月8日、大阪サンケイホールブリーゼにて「SPACE SHOWER TV × J:COM 森山直太朗 Precious Live in 大阪」が開催された。日本最大の音楽専門チャンネル「スペースシャワーTV」と国内最大手のケーブルテレビ会社「J:COM」がタッグを組んで贈る完全招待制プレミアムライブシリーズであり、毎回、応募者が殺到する。

出演は、「さくら(独唱)」(2003年発表)のリアレンジナンバー「さくら(二〇一九)」が話題を呼んでいる森山直太朗。65倍という高倍率の中、チケットを手にした600名の幸運なオーディエンスが、一夜限りの贅沢なステージを楽しんだ。

まず会場に入り、そのステージセットに目を奪われた。舞台には木材のみで作られたシンプルな枠組みと、端にはピアノが置かれている。そして開場中の場内BGMには大阪の駅のホームや街並みの雑踏の音が流れる。この時点で一味違う、特別なライブである事が予感され会場の期待が高まっていく。そのまま暗転される事もなく、気がつけばコートを着た森山がギターケースを持ってステージに現れていた。ギターケースを置き、舞台真ん中で軽く会釈をして、アカペラで「しまった生まれてきちまった」を静かに歌い出し、その途端に会場の空気が森山の声を一音でも聞き逃すものか、といった風に心地良く張り詰める。“辿り着いたよ新宿の街”という歌詞が“辿り着いたよ大阪の街”と歌われ、本当に辿り着いたまますぐに歌い出したかのような演出に、その場にいた観客全員が息を呑み、そして内心は驚いていたであろう。だが、初っ端から異様に惹きこまれていたのも事実である。

続く「いつかさらばさ」では、椅子に座りギターで弾き語る。曲終わり、「揚げ物で言うならば、最初の2曲は素揚げで塩振って、みたいな。この後どうなるのか?!」と独特の例えで表現して、場内の空気を和らげる。“このイベントの打診を受けた時の気持ち”と明かしてから披露した「あなたがそうまで言うのなら」というタイトルコールでは、場が更に沸く。ギタリストが加わり、次の「声」ではヴァイオリニストとチェリストが加わり、ようやく場内も暗転して、一気に締まった空気感の中、ライトで照らされた森山が歌う。コートを脱いで歌い始めた「さくら(二〇一九)」ではピアニストが加わり、遂にメンバー全員が揃う。「『さくら』を歌うとやりきった感じがします」と歌い終わりに冗談交じりに話したが、去年10月から今年6月まで行っていたコンサートツアー「人間の森」も振り返り、今は自身の足元を見つめ直す時期と語った。このリアレンジされた楽曲に込められた新たな想いを、しっかりと観客も受け取ったのではないだろうか。

「糧」では、センターマイクで歌う森山の両サイドで2人ずつメンバーが演奏し、手拍子や足踏みもして、観客を盛り上げていく。木材で組まれたシンプルなセットからは幕が下りる。ライブ中に演奏者にも舞台にも変化が起きていくライブは、これぞ生の舞台を観ているという臨場感があり、ワクワクするし、ドキドキしてしまう。

ゴスペルやカントリーなど色々なジャンルを歌う事を説明した上で、「根っこはフォークです」としっかり宣言して、「フォークは僕に優しく語りかけてくる友達」へ。そして、木材で組まれたシンプルなセットから下りていた幕はまた上がっていく。全体的に穏やかで緩やかな空気感は保ちつつも、少しでも目を離すと変化を見逃してしまう、これぞまさに釘付けになるライブだ。11曲目「生きてることが辛いなら」を歌い上げた後、「次の曲で、ほぼ最後です」と呼びかける。そして、「「ほぼ」って何だ?!」と笑う。改めて、自身の足元を見つめ直す時期と語り、だからこそ、「こういう曲を歌い続けないとダメだなと」と話して、「コンビニの趙さん」へ。ステージ前方に腰掛けて、“うららうらうら春うららサンダルの音を響かせて”と気持ち良さそうな笑顔で歌い始めた。

「このコンサートにはアンコールがありませんので、この曲を聴きながら帰り支度をしてください」と言い、本当に最後となる「明けない夜はないってことを明けない夜に考えていた」へ。曲中、ひとりずつメンバーが舞台から去り、最後は森山ひとりに。曲終わり、ギターをケースにしまい、「良いお年を!」と言って去っていく。常に変化を、チャレンジを、試みを、全く忘れない森山の精神性を改めて感じる事ができる、そして最後まで歌の力を感じられる見応えのあるライブであった。この模様は、「J:テレ(J:COMテレビ)」にて、年明けの1月13日20:00より60分間のプログラムで最速オンエアされ、1月25日にはスペースシャワーTVにて22:00から90分の完全版が放送される。是非とも、多くの方に観て頂きたい!

※特別番組での放送楽曲は未定

セットリスト

M1.しまった生まれてきちまった
M2.いつかさらばさ
M3.あなたがそうまで言うのなら
M4.声
M5. さくら(二〇一九)
M6.花鳥風月
M7.糧
M8.さっきのバイト君
M9.君のスゴさを君は知らない
M10.フォークは僕に優しく語りかけてくる友達
M11.生きてることが辛いなら
M12. コンビニの趙さん
M13.明けない夜はないってことを明けない夜に考えていた

文:鈴木淳史
写真:AZUSA TAKADA

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