H ZETT M、「ピアノ独演会 2018 夏 七夕の陣 in 岐阜」ライブレポート

アーティスト

H ZETT M

7月7日、岐阜・多治見市バロー文化ホールにて「H ZETT M ピアノ独演会 2018 夏 七夕の陣 in 岐阜」が開催された。

このピアノ独演会は様々なアーティストの作曲、プロデュース、自身のバンド・H ZETTRIOとしても活躍目覚ましいピアニストによるピアノソロコンサート。シンプルな構成が故に彼の深い音楽性を堪能できることで人気の公演だ。

現地はあいにくの曇り空であったが、場内は多くの観客で賑わっていた。鼻を青色に塗った子供、若いカップル、年配の方、世代や性別を問わず幅広い層の観客が見受けられ、場内は今か今かと開演を待つ興奮に包まれていた。

ステージにはグランドピアノが鎮座し、舞台奥には独演会の「独」の文字をあしらった「のれん」。そこに小さな光るジュークボックスのオブジェが置かれており、なんとも不思議な雰囲気。H ZETT M が登場すると会場は期待に満ちた拍手で包まれる。

始まりは7月7日にちなみ「たなばたさま」。耳馴染みのある楽曲を彼ならではのアレンジで、大胆かつジャジーに演奏し観客の熱量も一気に高まる。

そして「ほろ酔いバランス」「ところでみなさんごきげんいかが」へと続いていく。曲中に H ZETTRIO の「SEVEN」のフレーズを散りばめ、ファンには嬉しい演出となった。

MCではサンプラーから落語の出囃子のようなサウンドと共に自身の声が。マイクを持たずにサンプリングされた声で岐阜の魅力に触れる、ユニークな嗜好。最後に「多治見市でライブが出来て良かった!」と発せられると、観客からも大きな拍手が。

そして「極秘現代」「踏み出すニュー」「Happy Saturday Night」から「踏み出すニュー」へと戻るメドレー。

畳み掛けるようなスピード感溢れる演奏に圧倒されたところで「Den-en」「地平線」へと続き、先程までの勢いが嘘のような落ち着きで、流れる雲をイメージした照明が織りなすメロウな雰囲気が観客を包み込んでいく。

そして「争う不可思議」「すりぬける」「BRICK &GLORY」と軽快なナンバーから「嬉しさを抱きしめて」。軽やかにそして何よりも丁寧に演奏し、1部は閉幕した。

15分ほどの休憩を挟み、2部へ。再び幕が上がるとステージの様子がガラッと変わっている。大きな存在感を放っていた暖簾やスピーカーまでもが無くなり、ステージにはグランドピアノがたった一つ。一変してシンプルになり、緊張感の高まるステージ。

再び H ZETT M が登場すると客席から子供の歓声が飛び、それに明るく応じる。「喜びのテーマ」で2部がスタート。同時に、ステージ上部には H ZETT M の演奏する手元がマッピングされ、厳かな演奏が再び観客を魅了していく。

その後は流れるように「未完成ワールド」「水の流れ」「ショーが始まる」と軽快なナンバーが続き、持ち前の高速でテクニカルな演奏が冴え渡る。ピアノ一台で会場を興奮と熱狂の渦に巻き込みながら、最後にはタイトル通りの力強さを感じさせる「新しいチカラ」で2部が閉幕。

演者も観客も音楽に没頭していくということが体現されたような、圧倒的なステージとなった。

アンコールでは「ネクタイしめて」そして七夕の夜にふさわしい「星は教えてくれる」をドラマチックにアレンジして幕を閉じた。
 

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