5月5日で32歳になったアデル

コラム 高橋裕二の洋楽天国

アデル
アデルのインスタグラムより

5月5日で32歳になったアデル。インスタグラムに写真を投稿した。アデルはニュー・アルバムについて、「多分9月」と発言。前作「25」は5年前の2015年に発売された。最近のラップだらけのチャートに一石を投じる。今世界で最もレコードを売る事ができるアーティスト。

ニュー・アルバムが前作「25」と異なる点は二つ。レコード会社がインディーズのXLレコーディングスからソニーミュージックに変わった事とストリーミングの状況だ。過去アメリカはソニーミュージックがXLから販売ライセンスを受けたが、イギリスを除くその他の地域はXLレコーディングスからライセンスを受けたインディーズ系のレコード会社が販売した。そしてストリーミング状況は2015年当時とは全く違う。

本名はアデル・ローリー・ブルー・アドキンス。1988年5月5日、イギリス・ロンドン北部のトッテナムで生まれた。母親のペニーは10代のシングル・マザーとしてアデルを育てた。5歳の頃から歌い始める。5人組の女性グループ、スパイス・ガールズが大好きだった。後にインタビューで、「私が今いるのは彼女達のお陰です」と答えている。

2006年5月、クロイドンにある音楽や演劇の為の専門学校「BRITスクール・フォー・パーフォミング・アーツ&テクノロジー」を卒業する。英国レコード協会が資金援助をしている教育機関だ。クラスメートにはレオナ・ルイスやジェシー・Jがいた。学校では将来レコード会社の制作担当者になるつもりで勉強していた。しかし3曲ほど録音したデモ・テープを友達にあげた事で違った人生がスタートする。

友達は彼女のデモ音源を音楽に強いSNSの「マイスペース」に投稿する。これが大きな反響を呼び、インディーズのレコード会社XLレコーディングスのスタッフがアデルに電話で接触をする。彼女はこの電話を疑った。彼女はレコード会社は「ヴァージン・レコード」しか知らなかった。スパイス・ガールズがヴァージン・レコードだったからだ。

不安だったアデルは友達に付き添いを頼んでXLレコーディングスを訪れる。制作マンのニック・フゲットと面談し、契約した。2008年、イギリスのグラミー賞といわれるBRITアワードで、批評家が選んだ新人アーティストという「クリティックス・チョイス」を授賞する。デビュー・アルバム「19」は、まさしくアデルが19歳の時にレコーディングしたもので、イギリスの公式アルバム・チャートで1位になった。その後アメリカに進出。グラミー賞の主要4部門は全て取った。

9月末の発売なら、来年のグラミー賞の対象作品になる。

高橋裕二の洋楽天国記事提供元:洋楽天国
高橋裕二(たかはし・ゆうじ)
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