グーグル、独立系デジタル音楽出版の最大手「Kobalt」に投資

コラム All Digital Music

グーグルが独立系デジタル音楽出版の最大手「Kobalt」に投資、データ重視の独自システムが強み

グーグルが音楽出版事業に乗り出しました。

正確には、グーグルで新規ビジネスに投資する部門「Google Ventures」が、音楽出版事業や権利管理事業を世界的に手掛ける独立系音楽出版会社「Kobalt Music Group」の新規投資ラウンドをリードし、6,000万ドルの資金調達を達成しました。

ロンドンに拠点を置くKobaltはポール・マッカートニー、フー・ファイターズ、ベック、サム・スミスなどソングライターらの楽曲権利を運用している企業です。これまでに5千組以上のミュージシャンやソングライター、500以上の音楽出版会社のためにデータトラッキング・システムを開発、オンラインストアや音楽ストリーミング、YouTubeなどさまざまなプラットフォームからロイヤリティを徴収し分配する役割を果たしています。Kobaltの収益は過去4年で40%アップし、2015年6月には年間収益が2億6000万ドルになると予想されています。

Google VenturesはこれまでにUber、Nest、Mediumなどテクノロジー企業では広範囲な分野に投資をしています。

今回はまたデル・コンピュータのCEOマイケル・デルが率いる個人投資会社MSD Capitalも参加しています。MSD Capitalは過去にもKobaltに投資したVCの一つです。

Kobaltは資金を元に欧米以外の地域への進出を図ります。ラテンアメリカやアジアはその計画の一部で、デジタル音楽の急成長に伴い問題視されているアーティストへのロイヤリティ分配に関する「透明性」の向上に努める狙いがあります。

Kobaltのは音楽出版の世界でとりわけ「データ」と「透明性向上」を率先して訴えている音楽出版企業として知られています。CEOで創業者のスウェーデン人Willard Ahdritzは、アーティストの楽曲がどのように利用されたのか明確にレポートして収益化を最大にすることを目指して、サービス型の音楽出版モデルをベースにKobaltを設立しました。

Kobaltは一般的な音楽出版企業と違って、著作権所有をアーティストと共有する代わりに、アーティストやソングライターに完全な所有権を渡します。アーティストらはKobaltに定額料金を支払い、ロイヤリティの分配や楽曲利用のデータを受け取る仕組みです。

デジタル音楽が普及しこれまでのビジネスモデルに変革が迫られている中で、ロイヤリティの徴収システムを近代化させて、サービスやプラットフォームに最適化させることは大きな課題となっています。

■記事元http://jaykogami.com/2015/03/10907.html


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Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
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