サム・スミス「ステイ・ウィズ・ミー」に盗作騒ぎ、著作権料の12.5%を支払うことに

来週の日曜日(2月8日)に開催される第57回のグラミー賞。先週異変が起きた。業界誌のヒッツやビルボードが伝えている。
今年の最注目アーティストはイギリス出身のサム・スミス。主要4部門全てにノミネートされている。問題は作詞作曲家に与えられる「最優秀楽曲賞」にノミネートされた「ステイ・ウィズ・ミー」。ロック・ミュージシャンのトム・ペティ側からクレームがついた。ジェフ・リン(エレクトリック・ライト・オーケストラ)と書いた1989年のヒット曲「アイ・ウォント・バック・ダウン」にそっくりだと。
普通、曲の盗作騒ぎは決着まで時間がかかる。有名なケースではジョージ・ハリソンの「マイ・スィート・ロード」がある。シフォンズという女性グループが歌って全米で1位になった「イカした彼(He’s So Fine)」だ。音楽出版社はジョージ・ハリソンを盗作で訴えた。裁判は10年間にもおよび、ジョージ・ハリソンが敗訴。約60万ドルもの賠償金を払う事になった。
「ステイ・ウィズ・ミー」を書いたのは、サムスミスとジェイムス・ネピアとウィリアム・フィリップス。サム・スミスの代理人は、「ライター達は『アイ・ウォント・バック・ダウン』を知らない。でも『アイ・ウォント・バック・ダウン』を聴かせたら似ているという認識だった」とコメントした。
グラミー賞事務局は、「サム・スミスと作家達が改ざんしたわけで、トム・ペティとジェフ・リンが新たにこの曲に何かをしたわけではない。よって『ステイ・ウィズ・ミー』が仮に受賞したとしても、2人は受賞者にはならない」とコメントした。「最優秀楽曲賞」の投票はこのもめ事が起こる前、1月16日に終了している。
大人の解決。トム・ペティとジェフ・リンはこの「ステイ・ウィズ・ミー」の作家にクレジットされ、音楽著作権料の12.5%を受け取る事になった。それにしてもイギリス出身のサム・スミスや作家達が、同じイギリス出身のジェフ・リンを知らぬ訳はないだろうし、「アイ・ウォント・バック・ダウン」の宣伝用音楽ビデオには、ジェフ・リンに加えジョージ・ハリソンとリンゴ・スターが参加している。サム・スミスの生まれる(1992年)3年前のヒット曲とは言え、無理を通すのは難しいと判断したのだろう。
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