VEVO株式売却に向けゴールドマン・サックスとの議論も

コラム 高橋裕二の洋楽天国

2週間ほど前に、音楽ビデオ専門サイトのVEVOが買収されるかもしれないという噂話が流れた。月曜日(28日)、経済情報通信のブルームバーグが、VEVOが株式売却の為に、投資銀行最大手のゴールドマン・サックス社と話のツメに入ったと報じた。

Musicman オススメBlog【高橋裕二の洋楽天国】

音楽ビデオ専門サイトのVEVOは、現ソニーミュージックの会長兼最高経営責任者ダグ・モリスの主導で2009年12月、ソニーミュージックとユニバーサルミュージックとアブダビ・メディアが株主でスタートした。YouTubeのプラットフォームを使用している為、昨年(2013年)YouTubeの親会社グーグルが7%の株式を取得した。関係者によるとアブダビ・メディアの保有する株は少なく、大株主はユニバーサルミュージックとソニーミュージックだそうだ。

既報通り、映画会社ドリームワークス・アニメーションに加え、ケーブル・テレビを中心としたメディア大手のリバティ・メディアや通信最大手のAT&Tや投資ファンドのグッゲンハイム・パートナーズ(音楽業界誌ビルボードを所有している)や映画製作のチャーニン・グループ等が株式取得に興味を示しているという。VEVOがどの程度の株式売却を考えているかはあきらかにされていない。しかしVEVO最高経営責任者のリオ・カラエフは、「もっと多くの番組制作やもっと多くの国での展開を考えると、今が投資家をつのるベスト・タイミングだ」と語った。

いずれにせよソニーミュージックやユニバーサルミュージックが経営権を手放すとは到底考えにくい。しかしVEVOの世界展開や、MTVのような独自の番組作りに乗り出すとなると大きな資金が必要になるのは確かだ。ゴールドマン・サックス社がVEVOの資産評価、デューデリジェンスを行い、その後投資家にオファーする。

インターネット・ラジオ同様、VEVO等の音楽ビデオ・ストリーミング・サービスについても、相変わらず日本は全くのガラパゴスだ。

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