イギリスのLPセールスが好調、過去10年間で最も高い記録

コラム 高橋裕二の洋楽天国

イギリスのアナログLPセールスが、過去10年間で最も高い記録になったと映画・音楽業界誌ハリウッド・レポーターが伝えた。

それによると1月から現時点までのトータル売り上げは55万枚。ダフト・パンクとデヴィッド・ボウイとアークティック・モンキーズのLPが貢献した。LPの売り上げ比率は全体の0.8%しかないが、2007年の0.1%よりは大幅に伸びた。

イギリスのチャート制作会社オフィシャル・チャーツ・カンパニーとイギリス・レコード協会によると、今年(2013年)は最終的にトータルで70万枚を突破するだろうと見ている。またLPを購入した若い音楽ファンは音質は勿論だが30センチのアルバム・ジャケットやライナー・ノーツに魅了されていると分析する。

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LPを買った人達で、3.7%がターンテーブルを持っていない。眺めているだけだ。協会の調査では、典型的なビニール(アナログ・レコードがビニールで出来ているので海外ではそう呼ぶ。ビニールというよりはバイナルだ)購買者は300枚のLPと80枚のシングルを所有しているそうだ。

ちなみにイギリスでのダフト・パンクのアルバム「ランダム・アクセス・メモリーズ」のCD価格はアマゾンで7ポンド(約1106円)、LPは19.26ポンド(約3043円)もする(1£158円換算)。

以前ジョン・ボン・ジョヴィがアナログのLPレコードについてイギリスの新聞のインタビューに答えたものがある。「私の子供たちはあらゆる種類の音楽が好きだ。長女のステファニーも音楽が大好き。だがクリックしてダウンロードして聴くのは「曲」だけで、アルバム全部を聴くわけではない。今の子供たちはヘッドフォンを置いて、フル・ボリュームで音楽を聴く経験がない。アルバム・ジャケットを手にかざしながら、その絵をイメージして聴くことはしないし出来ない。なけなしのお金でレコードを買うのはレコードのジャケットのせいだということもある。中にどんな音楽が入っているかもわからないのにだ。だがそれが魔法だ。魔法の瞬間なんだ」と。

これから期待されるLPはアーケイド・ファイア、ポール・マッカートニーやパール・ジャムだそうだ。

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