ピンク・フロイドがパンドラを非難「アーティストやクリエィターに公正な支払いをすべき」

コラム 高橋裕二の洋楽天国

昨日(24日)、ピンク・フロイドがアメリカの全国紙USAトゥデイに寄稿した。「インターネット・ラジオの会社が、アーティストに支払いのカットをサポートしてくれるよう、騙そうとしている」と書いた。書いたのはピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズ、デヴィッド・ギルモアとニック・メイスン。

「私達はオンラインやモバイルの音楽サービスがファンに音楽を届ける事が出来る事に期待している。ファンが気に入ったら、そこから価格が決まる。これらの配信サービス会社はアーティストやクリエィターに公正な支払いをすべきだ。多くのミュージシャンにとっては死活問題。約90%のアーティストは、これらのサービスで受け取れるお金は年間で50万円以下だ(月5万円にも満たない)。パンドラは議会に働きかけて従来の支払いの85%をカットしようとしている」

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アメリカでインターネット・ラジオをやろうとしたら、音源の使用にかんして、全米レコード協会の下部組織であるサウンドエクスチェンジ(SoundExchange)に申請して、決められた使用料(パフォーミング・ライツ)を払えばスタート出来る。サウンドエクスチェンジに入ってきたお金は、レコード会社とアーティストが折半する。音楽著作権についてはASCAPやBMIといった徴収団体と契約して作詞作曲家に支払う。

ピンク・フロイドのメンバーは書く。「昨年(2012年)、私達も含めて130ものアーティストやバンドが、パンドラの使用料低減キャンペーンに反対した。パンドラは今年も不公平な法律を通そうと、アーティストに支援してくれるよう協力を呼びかけている。アメリカ国内のアーティストがパンドラから音楽ビジネスの『対話の1部になる』という、パンドラへの『支援レター』を受け取っている。中には創業者のティム・ウェスターグレンから直接届いたメールもある。そしてインターネット・ラジオの為に、『支援レター』にサインして欲しいと。しかしこのメールに85%カットは一言もない。毒薬だけをサポートする事になるこの『支援レター』に、頼まれているアーティスト達は充分な説明がないまま、サインして欲しいと騙されそうになっている」

ロック・ミュージック界の偉大なるピンク・フロイドのこの寄稿。大きな波紋を呼ぶ事は間違いない。

記事提供元:Musicman オススメBlog【高橋裕二の洋楽天国】

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