アマゾンの音楽ストリーミング利用者は3200万人、Amazon Music Unlimitedが70%大幅成長

コラム All Digital Music

アマゾンのサブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「Amazon Music Unlimited」が好調な成長を続けていると、フィナンシャル・タイムズが報じている。

現在、Amazon Music Unlimitedでは有料ユーザー数が前年比70%アップしており、今年4月にはPrime MusicとMusic Unlimitedを合わせたストリーミング有料ユーザー数は3200万人を超えたと関係者の情報として伝えられた。
 

アマゾンの音楽ストリーミング利用者は3200万人、Amazon Music Unlimitedが70%大幅成長

サブスクリプション型音楽ストリーミングの世界ではSpotifyが今年3月に有料ユーザー数1億人を突破して市場をリードしている。だが年間の有料ユーザー増加推移は25%だった。

また米国でユーザー数ではSpotifyを抜いたApple Musicは、今年全世界のユーザー数が6000万人を突破したことが明らかにされている。

フィナンシャル・タイムズが明らかにしたAmazon Musicのユーザー数に、無料のトライアル期間のユーザー数が含まれるかどうかが明らかにされていない。

関連記事:【アマゾンジャパン】音楽責任者レネ・ファスコが語る、日本の音楽の転換期「ハードコアなリスナーが全てではない」

SpotifyやApple Music、グーグルなど他社と異なり、アマゾンの音楽ストリーミングサービスは、ユーザーの特性や好みに合わせて選択肢が多い。プライム会員が使えるPrime Music、音楽に特化したAmazon Music Unlimitedがあり、さらにEchoユーザー限定のオプションなども提供される。

アマゾンの音楽事業責任者であるAmazon Music代表スティーブ・ブームは、Amazon Musicの有料ユーザーの約14%は55歳以上だとフィナンシャル・タイムズに答えている。
 

競合他社と同じ顧客層を狙っていません。音楽業界が可能性を十分に引き出すためには、15歳〜22歳の若者層だけに注目するだけではいけません。

対象的にSpotifyの有料ユーザーで55歳以上は全体の5%だ。
 

アマゾンの音楽ストリーミング利用者は3200万人、Amazon Music Unlimitedが70%大幅成長

調査会社eMarketerが発表したアメリカのスマートスピーカー利用調査レポートでは、2018年の販売実績ではAmazon Echoが全体の67%を占めたことを明らかになった。また調査会社Consumer Intelligence Research Partners(CIRP)は2018年アメリカ内でのAmazon Echoの市場シェアは70%に達したと述べている。

明らかなことは、アマゾンのEchoスマートスピーカーとAlexaの導入が着実に拡大していることだ。スマートスピーカーの購買と利用が進めば、音楽ストリーミングを利用するユーザーも増える可能性が高まる。

Spotifyとアマゾンの大きな違いは、ユーザー獲得戦略となる。音楽ストリーミングの魅力やアーティストを使ってサービス利用を促進しなければならないSpotifyと異なり、アマゾンは新曲だけでなく多種多様なジャンル、カタログ作品、レガシーアーティストも訴求できる。Spotifyが直接的に音楽好きにアピールできても、アマゾンのように一般層へはリーチしにくいという点は、二社がどのように音楽ストリーミングの利用者を伸ばそうとするか、戦略の違いが見えてくる。
 

アマゾンの音楽ストリーミング利用者は3200万人、Amazon Music Unlimitedが70%大幅成長

アマゾンは先日、7月11日に全世界で開催する「プライムデー」を記念して、プライム会員限定のライブコンサートをニューヨークで主催した。。出演者はテイラー・スウィフト、デュア・リパ、SZA、Becky Gとポップミュージックのヘッドライナークラスのアーティストを揃え、当日のパフォーマンスはPrime Videoで独占ライブ配信された。

Amazon Musicがプライムデー コンサートのヘッドライナーを発表

テイラー・スウィフトがアマゾンに独占で登場することに驚きを持った人もいるかもしれない。

8月23日に新アルバム『Lover』をリリースするテイラーは、前作『Reputation』のワールドツアーで大成功を収めたが、そのコンサートフィルムの配信権をNetflixが獲得し独占配信を行っている。またテイラーは今夏に『Reputation』ツアーに続く世界ツアーを発表することが噂されている。世界中が注目する年1のプライムデーも、海外ではアーティストのプロモーションの一つとして見なされているのかも知れない。
 


 

jaykogami
記事提供All Digital Music

Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
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