音楽ストリーミング史上最高記録。ドレイクの『Scorpion』、「公開7日で10億再生」の衝撃

コラム All Digital Music

 

ドレイクの最新アルバム『Scorpion』は、デビュー週7日間で史上初めて定額制音楽ストリーミングサービスで10億再生を記録した作品となりました。

業界関係者が音楽メディアBillboardに伝えた情報によれば、6月29日から7月5日の7日間で『Scorpion』は、アメリカだけで再生回数が7億5000万回以上を記録し、ストリーミング中心の音楽市場との抜群の相性を改めて証明しました。
 

世界の音楽市場で記録を塗り替えるドレイクの『Scorpion』

これまで、1週間単位での再生回数でグローバルとアメリカ国内ともに過去最高を記録したのは、ポスト・マローンの『beerbongs & bentleys』でした。4月27日から5月3日の1週間でグローバルで記録した7億弱と4億3130万回が過去最高記録でした。

アメリカでは『Scorpion』はリリースからわずか3日で再生回数が4億3500万回を突破する急激な勢いで再生され、ポスト・マローンのアメリカでの記録をリリースからわずか3日で突破するほどの音楽消費量を生み出しました。

SpotifyとApple Musicはそれぞれ非常に興味深い差別化要因のアピール手法を取っています。

Spotifyはすでに『Scorpion』が1日の再生回数の最高記録を達成したことを発表。リリースから24時間で1億3200万回以上が、全世界のSpotifyだけで再生されました。

さらにSpotifyは1時間あたりの平均再生回数が1000万回以上に達したことを発表。これは、同プラットフォームがグローバル規模で短期間に高いエンゲージメントを実現できることを示しています。

Apple Musicでは、Spotifyを上回る過去最高記録が生まれ、『Scorpion』リリース24時間で1億7000万回以上の再生新記録を達成したことを発表。これまで同プラットフォームでの最高記録はドレイクの『More Life』で、初日に8990万再生を記録していました。

Spotifyを『Scorpion』の再生回数を上回ったことは、アップルがとりわけアメリカ人のリスナーや音楽好きにアピールしてきたブラックミュージックやアーバンミュージックのアーティストとの高い親和性がブランディングに直接的に反映された結果となって表れています。
 

ストリーミング時代の音楽業界が認める『Scorpion』

アメリカの音楽業界団体RIAA(全米レコード協会)は、『Scorpion』をリリース初日の24時間で、ミリオン(100万ユニット)の売上を達成した「プラチナム・ディスク」に認定しました。これは、RIAAを含むアメリカの音楽業界が、売上データに音楽ストリーミングからの再生回数をフィジカルとダウンロードに合算する計算方法を採用しているからです。

RIAAは4月にポスト・マローンの「beerbongs ‘bentleys」をリリースから4日後に「プラチナム・ディスク」に認定しています。

ドレイクは『Scorpion』のCDバージョンを7月13日に発売することを既に発表しています。音楽ストリーミングだけでなく、フィジカルパッケージからのさらなる売上が期待できそうです。


jaykogami
記事提供All Digital Music

Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
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