スポティファイ、英通信最大手ボーダフォンと提携&新機能「Browse」発表

コラム All Digital Music

音楽ストリーミング「スポティファイ」、英通信最大手ボーダフォンと提携し4Gサービスで音楽配信を開始へ

Spotify

サブスクリプション型音楽ストリーミングサービスの「スポティファイ」(Spotify)は、世界第二位で英国最大のモバイル事業者ボーダフォンとの提携を発表しました。今回の提携により、ボーダフォンは今後展開予定する4Gサービス「4G Red」にSpotifyプレミアムを組み込んだバンドルプランを提供します。4Gサービスは英国内で8月29日から開始予定です。

Spotify
img via Vodafone

ボーダフォンの4G Redプランに加入した人はSpotifyプレミアムプランまたはSky Sports Mobileかのいずれかをプランに組み込むことができます。Spotifyプレミアムプランでは、スマホで無制限の音楽ストリーミング再生やオフライン再生を広告無しで楽しむことができます。プレミアムプランの料金は毎月支払うモバイルの基本料金に組み込まれます。

料金形態は、通話・データ通信込みの月額料金は26ポンドから。ちなみに、Spotifyのモバイル利用ができるSpotifyプレミアム・プランは月額9.99ポンドとなっています。通常のSpotifyプレミアムプランの場合は、携帯料金+Spotify月額料金を支払わなければならないので、モバイルで使いたい人にとってはこのプランは便利になりますね。

spotify_plan
Spotify

発表資料でスポティファイのテレコム・ISPパートナーシップ担当グローバルヘッドのマイケル・アバティスタ(Michael Abbattista)は以下のようにコメントしています。

スポティファイとボーダフォンのような企業パートナーシップは音楽業界へ収益拡大へとつながり、音楽ファンとアーティストに価値を提供します。

スポティファイはこれまでも順調にモバイル事業会社とパートナーシップを築いてきました。過去にスポティファイはヴァージン・メディア(Virgin Media)との提携でヴァージンのモバイル・ブロードバンド・ケーブルTVサービスにスポティファイをバンドルしてきました。またスイスではOrange、スウェーデンではTelia、スペインではTelefonicaとYoigoと、各市場でスポティファイ・プレミアムプランをモバイルプランにバンドルするモバイル戦略を実施しています。モバイル事業会社と連携することで、スポティファイは収益源の一つである有料会員の獲得を実現する機会を作ることができます。

今回のニュースは、スポティファイが大手企業にその価値が認められた結果に相当します。例えば今回の提携を日本に置き換えると、ドコモの携帯プランにスポティファイがバンドルされているイメージです。

スポティファイの価値は、最高の音楽体験を音楽を求めている人達に提供してくれることです。そのためのチャネルや技術がどんどん進化してきています。これは素晴らしいことです。音楽を聴く手段が増えれば、音楽を聴く人も増えていくでしょう。その人の多くが「音楽ストリーミング」という手段でこれまでとは全く違う音楽体験を実感できる日も近くに迫ってきているのではないでしょうか?

■記事元http://jaykogami.com/2013/08/3585.html


 

音楽ストリーミング「スポティファイ」が新機能「Browse」を発表、キュレーションで音楽発見を簡素化

Spotify

世界の音楽業界から高い注目を集める、聴き放題のサブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「スポティファイ」(Spotify)が、新機能を発表しました。新しく追加された「Browse」機能は、ユーザーの好きな音楽ジャンルやアクティビティ、ムードに合わせて、無数のプレイリストをレコメンドしてくれるミュージックレコメンデーション機能です。

2000万曲以上の音楽カタログを持つSpotifyでは、これまでもユーザーが個別に作成したプレイリストを検索することは可能でした。しかし、自分の趣味に合ったプレイリストを見つけるのは非常に手間のかかるという問題がありました。「Browse」機能はこの音楽を見つける「ミュージックディスカバリー」(音楽発見)機能を拡張します。

Browse機能では、ユーザーが作成した1億個以上のプレイリストからの厳選されたプレイリストのレコメンドしてくれます。さらに、音楽学者、音楽ライターらで編成された35人のSpotifyの音楽キュレーションチームがキュレートしたプレイリストをレコメンドしてくれるため、音楽が見つけやすくなり、さらにミュージックディスカバリー(音楽発見)体験に人間的な側面を追加します。

spotify
Spotify browse

Browse機能で表示されるプレイリストでは、朝の通勤、ディナーなど個人のアクティビティ、「怒り」「嬉しい」「憂鬱」「リラックス」などのムードに応じたプレイリストが用意されています。また現在人気のプレイリスト、最新のプレイリスト、ユーザーの好きなアーティストの新アルバムや新シングル、Spotifyがセレクトしたアーティストの新作プレイリストなどがあります。また国別の人気トラック、そして無数のジャンル別プレイリストを提供します。

Browse機能はスポティファイが5月に買収した音楽キュレーションサービス「Tunigo」のテクノロジーとスタッフが中心となって開発されました。以前Tunigoは音楽レコメンデーション機能をSpotify音楽アプリとしてデスクトップ・アプリ上で提供してきました。今回Spotifyは人間的な音楽キュレーションを提供するにあたって、より柔軟性が高く、デスクトップ・モバイルのどちらでも利用が可能な戦略へと大きく変えてきました。

音楽ストリーミングサービスのSpotify、音楽レコメンデーションサービスの「Tunigo」を買収し音楽発見を強化へ

「Browse」機能はまずiOSとAndroidのモバイルアプリのアップデートで数週間内にリリースされます。その後その他のプラットフォームにも展開する予定です。

Spotifyの製品開発担当副社長のチャーリー・ヘルマン(Charlie Hellman)は、「『Browse』機能はモバイルアプリにまずリリースします。その後は無料ユーザーでも利用が可能なブラウザプレイヤーとデスクトッププレーヤーにもリリースする予定です。モバイルアプリで先にリリースした理由は、ユーザーのムードやアクティビティを素早く認識できるレコメンデーション機能は、よりモバイルユーザー向けだからです」と答えています。

今回の新機能追加による簡単な音楽発見によってSpotifyは、Appleの「iTunes Radio」やPandora、Deezerといったライバル企業に比べ、「Spotifyらしさ」という差別化を実現できる確立が高まりました。

Spotifyで音楽体験を高める3つのアプローチ

今回のアップデートはSpotifyがこの数ヶ月に取り組んできた、音楽体験を高める3つの機能向上の3番目となる機能です。「Social」、「Discover」、そして今回の「Browse」と常に進化し続ける新機能の登場は、ユーザーに最高の音楽体験を届けるというSpotifyのミッションを実現にまた一歩近づけます。

Spotifyはこれで音楽と出会う3つの異なるアプローチをユーザーに提供します。さらに今回の「Browse」機能では、これまでのアルゴリズム中心のアプローチに人間味在るアプローチが加わることで、音楽発見の手段が多様化し、ユーザーが求める手段に応じて音楽を届けやすくなります。

音楽サービスとスポティファイの違い

多くの音楽サービスに言えることですが、楽曲数を一方的に増やすだけでは、リスナーが新しい音楽を聴いてくれるとは限りません。むしろ曲が増えれば増えるほど、新しい曲を探すことが面倒になるでしょう。そのため、人は自分の好きな音楽や既に聞き慣れたプレイリストを繰り返し聴き続けるようになっていくでしょう。

スポティファイのアプローチで優れていると思うのは、ユーザーが「音楽があったらいいな」と思った時に即座に音楽を再生できるようにするイノベーションだからです。導線を増やし、ユーザーニーズに最適化させることで、人と音楽の距離を縮めて、音楽をまた一曲、さらに一曲聴く環境をあらゆる場面で演出してくれます。

Spotifyは音楽に意味を持たせ、人が音楽とつながる価値を提供している気がします。少しまとまり切らないですが、この違いについてはまた別の機会に書きたいと思いますし、色々な人とも話をしてみたいとも思っていますので、もしご興味が在る方がいらっしゃればぜひご連絡ください。

■記事元http://jaykogami.com/2013/08/3649.html


jaykogami
記事提供All Digital Music

■ジェイ・コウガミ プロフィールhttp://jaykogami.com/about
■Jay Kogami Twitterhttp://twitter.com/jaykogami
■Jay Kogami facebookhttps://www.facebook.com/JayKogamiPosterous

オススメ