EMI買収について欧州委員会加盟27カ国が投票を実施

コラム 高橋裕二の洋楽天国

アメリカの音楽業界誌が軒並み、ヨーロッパ地域に於けるユニバーサルミュージックのEMIミュージック買収について、欧州委員会が現地時間の今日(9月7日)、承認について加盟27ヶ国による賛否の投票を行うと報じた。投票の前に委員会のアルムニア委員(競争政策担当)が各国の代表者に対してこの買収案件を推奨するとビルボード誌は伝えた。

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ユニバーサルミュージックは市場占有率を下げる為にEMIミュージックの切り売り案を欧州委員会に提示していた。詳細の全ては明らかになっていないが、ビートルズとそのソロ作品を除くパーロフォンとクリサリスとサンクチュアリーの各レーベルは売られる事が決定したようだ。それも当初は欧州地域のみという事だったが結果は世界各国でという事になった。また7月頃に噂されていたヴァージン・レコードやEMIクラシックスの売却についての進展の報道はなかった。

イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズによるとパーロフォン他の売却で、買収後のユニバーサルミュージックの売り上げは年に250億円から400億円(1ユーロ100円換算)程目減りするだろうという。そして「ユニバーサルミュージックは勝利するが、買収はあまり意味のないものになりつつある」とも報じた。

EMIミュージック買収の為のシティバンクへの支払いは9月9日。欧州委員会の結論のデッドは9月27日。結論までに日にちがありすぎる。投票した各国の代表者へのインタビューでまた様々なリーク記事が出てくるのだろう。アメリカの業界誌は買収の進展をおしなべて冷ややかにみている。

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