Facebook株下落で音楽関連企業が上場を延期

コラム 高橋裕二の洋楽天国

昨日(5月29日)、フェイスブックの株価は28.84ドルで引けた。5月18日に上場以来、実質7日間程の営業日で、38ドルの公募価格から24%も下落した。上場時に買った多くの一般株主からは訴訟騒ぎが持ち上がっている。

フェイスブックの上場失敗(現時点では)で、これから新規に上場を考えていた音楽関連の会社が困惑していると業界誌ビルボードが伝えている。音楽ビデオ専門サイトのVEVOと音楽ストリーミング・サービス会社のスポティファイ(Spotify)は株式上場の準備をしていた。上場による資金調達で、オンライン上の音楽関連企業他社との戦争に勝つ為だ。しかしある関係者は新聞ニューヨーク・ポストにVEVOは上場を延期すると語った。

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音楽ビデオ専門サイトのVEVOは、ユニバーサルミュージック、ソニーミュージックとアブ・ダビの投資ファンドが出資し2009年12月にスタートした。プラットフォームはYouTubeなので、広告収入をこの3社とグーグル(YouTube)が分ける。既に音楽ビデオ専門サイトとしてはトップだ。現ソニーミュージック最高経営責任者ダグ・モリスがユニバーサルミュージック時代に考えたアイデア。MTV他でタダで使われていた宣伝用音楽ビデオから利益を生むビジネス・モデルを創出した。

YouTube(グーグル)とは3年契約。今年の年末に契約が切れる。YouTube後はフェイスブックと提携するという噂話が頻繁に流れていた。株価が低迷するフェイスブックと組む事が上場の為に良いか悪いか。ビルボード誌もニューヨーク・ポスト紙同様、VEVOは上場を延期するだろうと書いた。

スポティファイはスウェーデンのダニエル・エクが2008年に創業した。iTunesのようにダウンロードで購入するのではなく、好きな音楽を聴きながすだけ。広告が入る無料会員と広告が入らない有料会員制だ。昨年(2011年)7月からアメリカでもサービスを開始、フェイスブックと提携した。フェイスブックのアカウントを使ってスポティファイにログ・インする。会員数は急成長で伸びている。

スポティファイの上場は多少ややこしいようだ。悪名高きナップスターの創業者で、フェイスブックの初代社長で、家でコカインが見つかりフェイスブックから解雇され、その後2010年にスポティファイに12億円(1$80円換算)を出資したのがショーン・パーカーだ。ショーン・パーカーは早く上場して、多額になるであろうお金を回収したい。しかしスポティファイはフェイスブックとのみ提携しているので、フェイスブックの株価の下落はスポティファイの上場の足を引っ張る事になるだろうと業界関係者はみている。

ところで当ブログで書いた先週21日のU2ボノの事、全くその通りになった。
U2ボノの大金持ちの大間違い

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