ジャクソン・ブラウン、音楽家として初めてガンジー・ピース・アワードを受賞

アーティスト

ジャクソン・ブラウン

8月1日、プロモーティング・エンデュアリング・ピースが、2018年ガンジー・ピース・アワードをシンガー・ソングライターのジャクソン・ブラウンに授与することを発表した。授賞式は、2018年9月14日の19:30より、コネチカット州ニューヘブン、テンプルストリート270にあるグリーン合同教会にて執り行われる。

ジャクソンは、音楽家として初のガンジー・ピース・アワード受賞者となる。今回の賞は、世界平和、環境の調和、社会的正義への、彼の才能を活かした長年に渡る多大な貢献に対して与えられるものである。受賞に際して、賞金とアメリカ製核ミサイルのコントロール・システムから回収された銅を用いたメダルが授与される。授賞式は伝統に則って行われ、ジャクソンによる“チャレンジと希望に関するメッセージ”のスピーチが予定されている。その後は、レセプションが開かれる予定。

ガンジー・ピース・アワードは、反帝国主義者で非暴力運動を主導したマハトマ・ガンジーの名を冠しており、歴代の受賞者の名によって国際的に高名な賞となっている。1960年の初代受賞者は、エレノア・ルーズベルトで、その他53名の受賞者には、リーナス・ポーリング、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ノーマン・トーマス、ウィリアム・スローン・コフィン、ベンジャミン・スポック、ウェイン・モース、ウー・タン、ドロシー・デイ、ダニエル・エルスバーグ、ケイ・キャンプ、シーザー・チャベス、マリアン・ライト・エデルマン、ジョージ・マクガヴァンなどが含まれており、2011年以降の受賞者には、アリク・アッシャーマン(人権活動家のラビ)、エイミー・グッドマン(ラジオ番組“デモクラシー・ナウ!”の創立者)、ビル・マッキベン(350.orgの創立者)、メデア・ベンジャミン(コードピンクの創立者)、オマル・バーゴーティ(BDSの創立者)、ラルフ・ネーダー(パブリック・シチズンの創立者)といった錚々たる面々が名を連ねている。

ジャクソンは、大衆音楽界で最も文学的で感動的な歌を作り、歌唱する音楽家のひとりとして広く認められている。さらに彼は、感情が率直に込められ、個人的な政治観を歌にする作詞家としてのジャンルを確立した。2004年に“ロックの殿堂”、2007年には“ソングライターの殿堂”を受賞し、彼のアルバム3枚は、ローリング・ストーン誌が選んだ歴代最高のアルバム500枚に選ばれている。

また、環境、社会的正義、人権問題へのサポートを目的としたライブパフォーマンスを何千回も企画、参加しており、さらには、音楽教育や芸術教育を公立学校で行ったり、過去ガンジー・ピース・アワード受賞歴があるアムネスティ・インターナショナル(1978年受賞)やチルドレン・ディフェンス・ファンド(1990年受賞)と共同で活動をしたりしている。また、オクシデンタル大学からは、“芸術性と社会的正義の両立に成功した特筆すべき音楽家としてのキャリア”を認められて、名誉博士号が贈られた。

彼が発表したいくつかのアルバム「ライヴス・イン・ザ・バランス」「ワールド・イン・モーション」「ルッキング・イースト」「スタンディング・イン・ザ・ブリーチ」においては、帝国主義的な外交政策、短絡的な環境問題への思考、企業の拝金主義に対して直接的に挑み、現代文明への疑問を投げかけた。タイトル曲である「ライヴス・イン・ザ・バランス」では、“銃を送る者たちの顔にかかる影/ビジネスのための戦争にかかる影”とニカラグア、エルサルバドル、グアテマラで戦われた内戦を歌詞にしている。

1979年にスリーマイル島で起きた原子力事故に対して、ブラウン氏は、「安全なエネルギーのためのグループミュージシャン連合 (MUSE)」を共同で立ち上げ、近年ではNukefree.orgを立ち上げた。1980年代には、中米の連帯運動に関わり、ニカラグアやキューバなどで連名のコンサートを行った。また、近年では権利擁護団体であるオーシャン・エルダーズの一員として、海に関わる活動へ関心を寄せている。昨年12月には、ブラウン氏は「若年移民に対する国外強制退去の延期措置(DACA)」によって守られている移民たちの状況を歌にした「ザ・ドリーマー」を発表している。