Vol.46 EYS-STYLE株式会社(EYS音楽教室)マーケティング開発本部 コンテンツ企画部 課長 田崎 建さん

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EYS-STYLE株式会社(EYS音楽教室)マーケティング開発本部 コンテンツ企画部 課長 田崎 建さん
EYS-STYLE株式会社(EYS音楽教室)マーケティング開発本部 コンテンツ企画部 課長 田崎 建さん

音楽・エンタテインメント業界の今を動かす、現場の業界人に、仕事内容や現在の仕事に至るいきさつなどを中心に伺っていくインタビューコーナー「Musicman Pick Up」。

第46回は、EYS-STYLE株式会社(EYS音楽教室) 田崎 建さんのご登場です。 

 

——どんな部署でどんなお仕事をされているんですか?

田崎:EYS音楽教室において、講師、カリキュラム、イベント、楽器などを含んだコンテンツ開発の業務を担当しています。

——音楽業界で働くことになったきっかけはありますか?

田崎:元来無類の楽器好きで、大学オケでヴァイオリンを弾いたり、中国留学中に二胡を本気で学んだりはしてましたが、新卒時に名古屋の楽器メーカーに就職したのがその始まりです。その後しばらく他の業界でキャリアを積んで、またこの業界に戻ってきたという感じです。

——この仕事をしていて、嬉しい瞬間はどんな時ですか?

田崎:EYS音楽教室は、一般の音楽教室とは違い、「コミュニティー」という部分を最重要視しています。そういう意味で、ライブやイベントを通して、会員様同士の横のつながりができて、みんなで楽しそうにしていらっしゃるのを実際に目にすると、とても嬉しくなりますね。

——この仕事の大変なところ、難しいところは?

田崎:「サービスとしてのレッスン」という新たな価値提案をしていきたいところですが、やはりそういったマインドが他業界に比べ立ち遅れている部分は否めません。そのあたりを徹底させていくのがなかなか難しいですね。「音楽教室はサービス業である」とか「会員様はお客様である」といった、他業界ではいたって当然の認識ですら共有が難しい場合も多々あるため、レッスンを提供し、会員様のトータルケアを担う職種として、既存の「講師」ではなく新たに「ミュージック・スタイリスト」という職種を新たに設け、採用活動を行っています。

——職場はどんな雰囲気?流行っていることなどありますか?

田崎:ベンチャーというせいもあって、20代後半から30代前半のツワモノどもが主力なので、ざっくばらんに議論を戦わせることができますね。最近は、EKG(宴会芸)というのがレッスンプログラムに入ってきたので、その楽曲選定が社内で流行っています。個人的には、ヴァイオリンで「ロッキーのテーマ」や「Oriental Wind(伊右衛門のCMのテーマ)」を弾くのが楽しくてハマってます。

——仕事において、これだけは誰にも負けない!という強みは?

田崎:楽器がつまらなくて辞めた経験が“豊富”なので(笑)、「音“学”を音“楽”へ」という当社のコンセプトへのコミットメントの強さでは、おそらく誰にも負けないかと思います。また他業種を渡り歩いてきているので、いわゆる「業界の常識」にとらわれない柔軟な発想には自信がありますね。

——今の仕事で一番やりがいを感じることは何ですか?

田崎:職業に貴賎の差はないと思いますので、あくまで私個人の感覚ですが、業種業態を問わず、「顔の見えない」やりとりやビジネスにどうしようもない空疎さと退屈さを感じるところがあります。そういった意味で、実際にお客様と対峙して「リアル」なコミュニケーションを日常的に交わせる現在の仕事には、大きなやりがいを感じています。
また設立して日が浅いベンチャー企業である当社は、音楽業界にありがちな「しがらみ」とは無縁なので、フットワーク軽く自由な発想で既存の枠組みや固定観念をぶち壊しにかかることができます。そういった部分にも、やりがいを感じますね。

——この仕事はどんな人に向いていると思いますか?

田崎:音楽が好きで音楽と関わりのある仕事をしたいけど、いわゆる「音楽業界の仕事」には抵抗がある、そんな方にはもってこいだと思います。また既存の「音楽教室」や「音楽教育」に疑問を感じている方や、イベント、飲み会好きの方などもぴったりだと思いますよ。
日本のアマチュアミュージシャンのレベルは、尋常じゃなく高いと感じています。そういった方々のために、「プレーヤーか講師か」という二者択一ではなく、音楽を通じて人や社会と関わることのできる、全く新たな仕事のカタチを提案したいと思いますね。

——これから挑戦してみたいと思うことはありますか?

田崎:最近、箏と尺八のアンサンブルとイベントを企画して会員様からご好評をいただいているのですが、その現場にアテンドしていると、やはり職業柄どちらの楽器も始めたくなりますね…年齢を重ねるにつれて、和楽器の響きにえもいわれぬ魅力を感じるようになってきました。
プライベートだと、現在海の近くに住んでいるので、今度5歳になる息子と釣りを始めたいなと思ってます。和楽器と同じく(?)、年齢を重ねるにつれて、嗜好が肉から魚にシフトしてきましたので…

——最後に、音楽業界を目指す人にひと言。

田崎:音楽教室は、今まで幼児教育に主軸を置いてきた(主要顧客としてきた)ために、本当の意味で「社会人である大人に寄り添うこと」をおろそかにしてきました。それはたとえ「大人のための音楽レッスン」を標榜していても、既存のレッスンのサービスレベルやサービス内容を見ると、基本的な発想、つまり「講師が生徒に上から教える」という教育的な発想に変わりがないことからも明らかです。その結果、少子化の影響をもろに受け、市場はかつてないほどにシュリンク(縮小)しているのが現状です。
ただそれは、既存のモデルを続けた場合の話です。「同じことを繰り返して、異なる結果を得ようとするのは、狂気である」というアインシュタインの言葉もありますが、EYSは新たな価値創造と価値提案によって、市場の掘り起こしはまだまだ可能だと考えています。
EYSは、代表である吉岡が社会人ビッグバンドの楽しさにハマったことが創立のきっかけとなったことからも分かるように、そのベースとなったコンセプトからすでに既存の音楽教室とまったく違います。極論すると、日本で失われつつある「コミュニティー」を新たな形で生み出すことを目指す上で、その嚆矢として最適なメディア(媒体)がたまたま音楽だっただけであり、EYSは音楽そのものをゴールとして目指しているわけでは決してありません。
既存の音楽教室とは全く異なるサービス像とコンセプトをぶち上げている以上、技術向上、技能習得以外の価値提案ができない既存の「講師」では役不足となるのは仕方がありません。そこで、音楽の醍醐味である「コミュニティー」を志向しながら、そこにいたる道筋やスタイルを提案し、レッスンというカタチにして提供できる「ミュージック・スタイリスト」が必要になります。
一流のプレーヤーは要りません。一流の講師も要りません。EYSに必要なのは、一般の社会人の方の心情や境遇に無理なく寄り添うことができ、音楽というメディアを通して「共に楽しむ」ことができるプロフェッショナルです。現在の楽器レベルや経歴などは問いません。上記コンセプトに共鳴して頂ける方であれば、全員とお会いしてお話を伺いたいと思っています。
音楽を一生の仕事にしたいと考えている、あなたからのご応募をお待ちしています。 

-2011.12.1掲載

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