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富士フイルムの技術力が生み出す高品質&革新的な「推しグッズ」とは?“アナログ×デジタル”の新たな化学反応とその裏の想いを探る

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一過性のブームを超えて、「文化」として定着するフェーズに入った推し活。ライブやイベントへの参加、聖地巡礼といった体験を前提とする「コト消費」とともにファンの心を満たすのが「モノ消費」、つまりグッズの購入だ。このグッズ需要に着目したビジネスを展開するのが、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社だ。

同社は、創業90余年の歴史の中で培った写真プリントの技術を活かした高品質な製品やサービスを展開し、アイドル業界やアニメ業界をはじめとした数多くのエンタメ関連企業との取引を重ねている。推し活に特化した事業を始動させたのはどういった経緯からなのか。また、実際にどのような企業がサービスを利用しているのか。さらには今後のビジョンとは。

Musicmanでは今回、「アナログ×デジタル」の新たな化学反応とその裏にある担当者の想いを探るべく、富士フイルムイメージングシステムズ・コンシューマー事業本部の澤登喜男氏と村上早苗氏に話を聞いた。

 

23年10月に推し活グッズ専門の「エンタメチーム」が発足

──まずは、エンタメ業界に向けてコンテンツプリントサービスを展開するに至った経緯から聞かせてください。

澤登喜男氏

澤:当社では長らく、写真店様および写真館様に、現像・プリント機器やカメラ、フィルム、プリントサービスをはじめとした富士フイルムの製品・サービスの提供を行ってきました。かつて写真は、ネガフィルムから現像しなければ見ることのできないものでしたが、デジタルカメラの登場とスマートフォンの普及によって、近年はデジタルデータとしてクラウド上で保存・閲覧することが当たり前となり、一方で「形に残す文化」が失われつつあります。

こうした中、私たちが着目したのは、近年の推し活ブームによって大量生産される「推しグッズ」です。

富士フイルムが培ってきたプリント技術を活用した推しグッズを作れば、エンタメ業界の企業様、ひいてはその向こう側にいる推しを応援するファンの方々にお喜びいただけるのではないかと考え、試しに営業をかけたところ、既存のグッズがマンネリ気味になっていたという背景も相まって、多くの企業様から「すごく新しい」「面白い」と好感触が得られました。こうした経緯から2023年10月、富士フイルムのプリント技術を活かした「推し活グッズ」をご提案する営業チーム「エンタメチーム」が発足したのです。

──エンタメチーム発足前から企業様からの反応が上々だったということは、早くから営業活動が順調に進みそうですね。

澤:いえ、そんなことはありません。エンタメ企業の担当者様との商談で製品を見ていただくと、たしかに反応は良いのですが、そこから受注に至るまでには、各社内で予算調整や稟議に多くの時間を要するのこともあって、最初の1年は実績作りにかなり苦労しました。

──そこから状況が好転したきっかけは何だったのでしょう?

澤:「チェキプリント™サービス」がハマったことが大きかったです。チェキ™は、パシャリと撮影すればその場で写真をプリントできるインスタントカメラですが、グループ会社である「富士フイルムイメージングプロテック」の工場にてお預かりした画像データからチェキプリント™を大量に生成できる専用の生産ラインを構築しました。このチェキプリント™サービスをフックに、他のグッズへ受注が広がっていきました

──チェキプリント™サービスの代表的な導入事例を教えて欲しいです。

村上早苗氏

村上:たとえば、数多くの人気アイドルが所属する大手芸能事務所様にご利用いただいています。その大手芸能事務所様では、アイドルが生配信中にチェキプリント™にサインや宛名を記入して、ファンの方にプレゼントするオンラインイベントを頻繁に開催しています。

以前はイベントの度に自社でチェキ™をプリントされていたそうですが、チェキプリント™サービスの存在をお伝えしたところ、「ぜひお願いしたい」とのことでした。現在は月2~3回のペースで継続的にご依頼いただき、1回のご発注で1000枚、多い時で10,000枚以上のチェキプリント™を納品し、労務軽減・業務効率化に貢献させていただいています。

このほか、アニメ関連会社様やプロスポーツチーム様などからの引き合いもあります。あるアニメ会社様からはアニメキャラクターやVTuberのチェキプリント™のご依頼をいただいており、ファンの方々から、リアルでは存在しない推しのキャラクターもチェキプリント™になれば持ち歩いたり手に取って楽しめる、として好評をいただいているそうです。

 

チェキプリント™を唯一無二のファンアイテムに変える多様なオプション

──市販のチェキ™にはフィルムサイズが複数存在しますが、チェキプリント™サービスでもサイズを選べるのでしょうか?

村上:はい。カードサイズ程度の「ミニサイズ」と、1:1の「スクエアサイズ」の2パターンからお選びいただけます。加えて、オプションもご用意しておりまして。

──オプションとは?

村上:スリーブへの封入・封緘作業や、JANコードや商品情報などを印刷したシールの作成・貼り付け作業を代行して、すぐに商品として販売できる形態で納品するほか、サイン・ロゴといったデータをUV加飾で写真の上にプリントするサービスも行っているんです。特にサインデータの加飾は、実際に直筆で書いたような「ぷっくり感」を表現することができるとして好評を博しています。

サインデータやロゴを加飾をしたチェキプリント™

──ただ単にチェキプリント™するだけではなく、独自のアレンジも加えられるんですね。

村上:そうなんです。特にイチオシのオプションがございまして…それは2025年10月からスタートした新たなサービスなのですが「チェキプリント™サービス」にNFC技術を取り入れたものなんです。

──NFCとは何ですか?

村上:NFCは「Near Field Communication」の略で、電子チケットや交通系ICカードなどに用いられる近距離無線通信技術です。この技術を活用して当社で開発したNFCシールを付与したチェキプリント™は、スマートフォンをかざすだけで推しのショートムービーやボイスメッセージなどのデジタルコンテンツが楽しめるようになるんです。

さらに、たとえば、朝であれば「おはよう。今日もがんばってね」、夜であれば「今日も一日お疲れ様」といった具合に、推しが語り掛けてくれるショートムービーを流すなど、読み込む時間帯によって再生するコンテンツの種類を変えることも可能です。

NFC技術を取り入れたデジタルコンテンツイメージ

──これはすごい・・・! アナログとデジタルを融合させた推しグッズですね。

澤:QRコードでも同様のサービスを作ることは可能ですが、万が一QRコードがSNSなどで流出してしまえば誰でもコンテンツを再生できてしまいます。その点、NFCシールは現物がなければ読み込むことができません。そのため、セキュリティの観点からも安心してご利用いただけるというメリットもございます。

 

販売サイトの構築から、販売、配送までを行うサービスも展開

──チェキプリント™サービス以外のコンテンツプリントサービスも教えてください。

村上:美術館=ミュージアムを意識した高級感あふれるフレームにお好みの写真をセットする製品「ミュゼフレーム」や、高品質プリントとパネル加工がセットになった製品「ウォールデコ」、冊子状の「ラフネートル」などがあります。これらの製品はロットNo.1からでも生産可能なので、過度に在庫を抱える心配がなく、気軽にご利用いただけるという特長があります。

ミュゼフレーム

澤:もう一つ、「ピクチャーアイ」というサービスもございます。お客様には画像データをご準備いただくだけ、あとは当社でオリジナル販売サイト(LP)の構築から、推しグッズの制作、販売、個別配送、代金回収までをワンストップで行えるうというものです。

現在、有名ミュージシャンの方やTOKYO IDOL FESTIVALに参加したアイドルグループ、プロスポーツチームなど幅広くご利用いただいています。また、たとえば、出版社様がアイドルの写真集を販売する際に購入者特典としてチェキプリント™をプレゼントしたい場合、写真集を当社へお送りいただければチェキプリント™と同梱の上、お客様にお送りするところまで対応いたします。

──このほかに現在推しているサービスがあれば。

澤:当社では長らく写真入り年賀状の制作・投函代行などを行うサービスを展開しているのですが、ご存じのように年賀状の発行枚数は減少しつつあります。とはいえ、元旦の日に年賀状が届けば嬉しいですし、それが自分の大好きな推しからだとしたら、喜びもひとしおですよね。

そこで新たに「推しから届く年賀状」というサービスを2025年1月から始めています。このサービスの面白い点は元旦に届くまでどんな画像かわからないところです。デザインがお正月まで秘密にされているからこそ、届いた時の喜びを一層感じられるようにしています。年賀状だけでなく、毎月のカレンダーやイベントごとにポストカードを送付する事も出来ます。

 

銀塩プリント技術が品質の鍵に

──これらのサービスを展開する上での品質管理体制のこだわりを教えてください。

澤:当社では、銀塩プリント技術で色調の品質をコントロールしています。銀塩プリントはインクジェットプリントと異なり、発色が良く、高い耐久性を誇ります。そのため、時を経てグッズを再販する場合でも、初販時と変わらない鮮やかな色合いで仕上げることができるんです。

さらに、モニター上で見る画像と実際に印刷した写真で、色のミスマッチがないことも強みに挙げられます。写真の表現方法は通常、モニターが、赤 (Red)・緑 (Green)・青 (Blue)の三つの原色を混ぜ合わせた表示方式「RGB」であるのに対し、印刷物は、シアン(Cyan)・マゼンタ(Magenta)・イエロー(Yellow)・黒(Key plate)で色を表す表示方式「CMYK」を採用しています。

こうした表示方法の違いにより、プリントすると色が濁るなどの困り事が度々発生しまうんです。しかし、私たちの銀塩写真はRGBのままで出力・プリントが可能なので、色のズレがなく思い通りの色合いの推しグッズを提供することができるというわけです。

── 現時点で様々なサービスを展開し、クライアントさんにも十分喜んでいただけているかと思いますが、強いて課題を挙げるとすればどんなことが浮かびますか?

澤: エンタメ企業様向けのプリントサービスを提供している会社はほかにもありますが、これだけ多様なサービスを展開しているのは当社だけではないかと自負していますし、製品一つひとつのクオリティにも自信があります。とはいえ、同じものばかりではファンの方も飽きてしまう。NFCのように、常にアンテナを張って、市場のニーズを先取りした新商品を開発し続けることが課題と言えるかもしれません。

──最後に、エンタメチームとしての想いを聞かせてください。

澤: 富士フイルムグループのパーパスは「地球上の笑顔の回数を増やしていく」ことです。当社の製品は手に取ったファンの方々が笑顔になれるものだと確信しています。「地球上」というと壮大な話になってしまいますが、暗いことも少なくない今の世の中、私たちの製品で少しでも多くの笑顔を増やすお手伝いを今後もしていければと思っています。

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