アメリカのラジオ業界 売上TOP10

コラム 高橋裕二の洋楽天国

アメリカのラジオ局売り上げベスト10

たまにはこんな話題もどうだろう。なかなか見る事のないデータ。2014年のアメリカ・ラジオ局売り上げベスト10。アメリカのラジオ業界誌FMQBが伝えた。

表の見方は、上からが売り上げベスト10のラジオ局。左から右へ、ラジオ局のコール・サイン。アメリカではミシシッピー川の東が頭にW、西が頭にKがつく。TV局も一緒だ。次はFMかAM。フォーマットはどんな内容の放送局か。オーナーは文字通り局の所有者。ランクは業界が決めている市場規模。局の所在地と年間の売り上げだ。

アメリカのラジオ局売り上げベスト10

1位はロサンゼルスのヒット曲をかけるKIIS-FM。全米で最大のラジオ局を保有するiHeartMedia(旧クリアー・チャンネル)の代表局だ。フォーマットはCHR。コンテンポラリー・ヒット・ラジオの略で、今流行っている曲をかけるラジオ局。TOP40局とも言う。売り上げは約79億円(1$120円換算)。アメリカン・アイドルの司会者ライアン・シークレストが朝番組を担当する。2位は政治の中心であるワシントンDCのWTOP。アメリカの首都だけにニュース専門局。コール・サインでTOPの取得は簡単じゃなかったと思う。皆が申請するからだ。3位のWHTZはKIISと姉妹局。全米最大のラジオ局を運営するiHeartMediaの傘下。経営陣は親会社からロサンゼルスに負けたと怒られたかもしれない。周波数が100に近いので、みんなZ100(ジー・ワン・ハンドレッド)と呼ぶ。

4位のWCBSはAMで、ニュース専門局。でも姉妹局のWCBS-FMは70年代や80年代のオールディーズをかけていて人気がある。そういうフォーマットをクラシック・ヒッツと呼ぶ。最近最も受けているフォーマットだ。5位のKBIGもこんなコール・サイン(ビッグ)はなかなか手に出来ない。フォーマットはHot AC(ホット・アダルト・コンテンポラリー)で、大人でも聴ける、今時のヒット曲を中心にかける。ラップやヒップ・ホップはかからない。5位のWLTWはLite AC(ライト・アダルト・コンテンポラリー)で、軽めなヒット曲がかかる。

7位のWINS(勝利)も絶妙なコール・サイン。ニュース専門局なのでAMでいい。8位のWFANもいいコール・サイン。スポーツとトークの専門局。アメリカではトーク局に人気がある。リスナー相手の「電話相談室」だ。シリアスな相談が多い。オリバー・ストーン監督の映画「トーク・レディオ」を見たら、アメリカの日常の怖さが分かる。9位のKROQはロサンゼルスのFM局。みんながKロックと呼ぶ。アメリカ中のオルタナティブ系ロックをかけるFM局が、この局の取り上げるロック・アーティストに注目する。10位のシカゴのWBBMもAMでニュース専門局。

アメリカのラジオ業界誌FMQB

ちなみにエアプレイ調査会社メディアベースによれば、ラジオ業界で広告が取れる都市の上位ベスト10は以下だ。

1位)  ニューヨーク
2位) ロサンゼルス
3位) シカゴ
4位) サンフランシスコ
5位) ダラス
6位) ヒューストン
7位) ワシントンDC
8位) フィラデルフィア
9位) アトランタ
10位) ボストン

これまた余談だが、以下が主な日本の関東エリアの独立系FM局の売り上げ。数字は各局の2013年4月1日〜2014年3月31日。

J-WAVE 46億円
NACK5 26億円
ベイFM 23億円
横浜FM 22億円

番組を全国に提供しているFM東京は除いた。
 


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