米ライブシーン、スポンサーシップが3年で15%増加

コラム All Digital Music

米国のライブ音楽シーン、スポンサーシップが3年で15%増加したことが明らかに、2013年予想は1200億円超え–調査会社が発表

米国のライブ音楽シーン、スポンサーシップが3年で15%増加したことが明らかに、2013年予想は1200億円超え–調査会社が発表
img via Billboard

米国のライブ音楽へのスポンサーシップは過去3年で15%増加し、ブランドの積極的な音楽マーケティングが拡大中です。

米国における音楽フェス、ミュージシャンのツアー、音楽会場のサポートなど、企業によるブランド・スポンサーシップが活気づいています。2013年にはスポンサーシップ総額が12億8000万ドル(約1271億円)に上ると、マーケティング調査会社IEG Researchの最新調査で明らかになりました。

2012年は12億2000万ドルから5.4%の増加、2009年の11億7000万ドルから15.5%の増加と、リーマンショック以来音楽は企業のマーケティングにおいて重要な投資対象になってきています。

音楽マーケティングへの投資は、一般消費者向け企業が主に牽引しています。P&GのCoverGirl, ユニリーバのFruttareアイスクリーム・バー、オリオは今夏ツアーやフェスティバルのスポンサーを実施します。多くの消費財(CPG)大手ブランド以外にも、クレジットカード、自動車、スマートフォン・メーカーがイベントやツアーなどミュージシャンを支援することで、ターゲットユーザーや一般消費者にアプローチするキッカケを作っています。

業種別でカテゴリー分けすると、音楽スポンサーシップに最も積極的な業種はメディア・出版(8.9%)で、次いでビール(7.3%)、金融(5.3%)、テレコミュニケーション(5.2%)、自動車(3.6%)、ホテル&リゾード(3.2%)、清涼飲料(3.2%)、保険(2.8%)となっています。

米国のライブ音楽シーン、スポンサーシップが3年で15%増加したことが明らかに、2013年予想は1200億円超え–調査会社が発表
img via IEG Research

音楽フェスのスポンサーシップを企業別に分けると、ドリンク系が最も多いという結果になっています。

アンハイザー・ブッシュ(Anheuser-Busch Companies, Inc.):3億3550万ドル(約327億円)
ペプシ:3億2510万ドル(約317億円)
コカ・コーラ:2億3680万ドル(約230億円)
ミラー・クアーズ:1億9710万ドル(約192億円)
タイム・ワーナー:1億4720万ドル(約143億円)
フォード・モーター:1億3820万ドル(約135億円)

米国のライブ音楽シーン、スポンサーシップが3年で15%増加したことが明らかに、2013年予想は1200億円超え–調査会社が発表
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音楽フェスのスポンサーシップをブランド別で見てみると、ペプシが最大で音楽マーケティング費用の15.4%を投資しています。続いてコカ・コーラとバド・ライトが10%、ハイネケン、レッドブル、ミラー・ライトが7.7%、バドワイザー、イエーガーマイスター、Monsterエナジードリンク、State Farmが6.2%のマーケティング費用を音楽フェスに投資しています。その次にはバンク・オブ・アメリカ、AT&T、ジャックダニエルズ、Sonicbids、ベライゾンが6.2%を占めます。

米国のライブ音楽シーン、スポンサーシップが3年で15%増加したことが明らかに、2013年予想は1200億円超え–調査会社が発表
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海外企業の場合、スポンサーシップという枠を飛び出て、クリエイティブなパートナーシップをコンテンツとテクノロジーで実現してくれるところが素晴らしいです。例えば、コーチェラ・フェスティバルのスポンサーを務めるハイネケンは、参加者が楽しめる仕掛けを会場で用意しています。その一つが、灼熱の砂漠で一日の長丁場が終わった後に冷たい飲み物が欲しいキャンパーのために、飲み物を冷やしておいてくれる巨大な冷蔵庫「Heineken Cold Storage Room」を作って無料でキャンパーに提供しています。このようなアイデアとクリエイティブの継続が、音楽フェスを楽しくさせてくれて参加者はブランドに対する共感や親近感が高まります。

米国のライブ音楽シーン、スポンサーシップが3年で15%増加したことが明らかに、2013年予想は1200億円超え–調査会社が発表

ライブ音楽へのスポンサーシップ以外にも、音楽を使った企業のマーケティング活動は活発化しています。企業はエクスクルーシブなアーティスト・プロモーションをイン・ストアで行ったり特別限定パッケージを作るなど、アルバム売上や企業イメージの向上につなげています。例えは大手チェーンストアのTargetはテイラー・スウィフトやジャスティン・ティンバーレイクのアルバムを独占的に店舗で販売するアルバム・パートナー・プログラムを実施しています。

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例えば、こちらは音楽ファンにはお馴染みのレッドブルが主催するミュージシャン育成プログラム「Red Bull Music Academy」のOOH。レッドブル主催とは言え、どこにも「レッドブル、レッドブル」と会社名を主張するようなエゴがありません。その代わりにあるのは、音楽ファンをローカル音楽シーンにどう共感してもらうかというアプローチで、ストリートライブやグラフィティといった形で人の日常に溶けこむように音楽とブランドをプロモートしています。

この辺りの話は、日本でもAdtechや宣伝会議セミナーで、パネルディスカッションして欲しいなと前々から気になっていました。お話を聞いてみたいので、ぜひよろしくお願いします!

RedBull Music Academy OOH – Spring 2013 from Doubleday & Cartwright on Vimeo.

 

米国のライブ音楽シーン、スポンサーシップが3年で15%増加したことが明らかに、2013年予想は1200億円超え–調査会社が発表
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■記事元http://jaykogami.com/2013/06/2207.html


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記事提供:All Digital Music(by Jay Kogami)

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ジェイ・コウガミ Profile:
海外のデジタル音楽情報をテーマに、音楽ストリーミングサービスやその他の音楽サービス、デジタル音楽トレンドの動向、クリエイティブなデジタルPR事例、企業の音楽マーケティングなどをいち早く日本で紹介。

高校から米国オレゴン州ポートランドで生活。高校でネットラジオ、大学で初期のナップスター(Napster)やP2Pファイル共有サービスを体験、以降音楽コンテンツと人のコミュニケーションに関心を持つ。

オレゴン大学在籍中は、地元のコミュニティラジオ局「KWVA」でDJとプログラム・ディレクターを3年弱担当。

これまで「ベストギア」(徳間書店)での取材、音響雑誌「Gaudio」(共同通信社)での連載、オンライン音楽ニュースサイト「コラム・スピン」などで執筆。

またインディーズ・アーティストのオンラインプロモーションを手伝っている。

音楽好きとテクノロジー好きに最新のデジタル音楽情報と、新しい音楽体験を届けるべく日々奮闘中。音楽業界に、新しい音楽体験情報を届ける。現在プロジェクトチーム「soundtribe」で活動中。

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