米ユニバーサル 7/3までに異議告知書に返答

コラム 高橋裕二の洋楽天国

欧州委員会からEMIミュージック買収について、欧州連合競争法(日本でいう独占禁止法)に抵触するという異議告知書を受け取っていたユニバーサルミュージック。194ページにも及ぶ異議告知書に対して、ユニバーサルミュージックは7月3日迄に返答をしなければならないという。ロイター通信が伝えた。

欧州委員会のコミッショナーであるホアキン・アルムニア氏は、「ユニバーサルミュージックがEMIミュージックを買収する事で欧州市場の約40%以上を占める事になる。そして業界2位のソニーミュージックに対して約2倍の大きさだ。アーティストと消費者の事を考えると、この買収は音楽のデジタル時代に与える影響が大きい」と述べた。

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欧州委員会はユニバーサルミュージックからの返答を受けた後、9月6日迄に最終の判断を下す予定だ。昨年(2011年)11月に買収を発表してから買収を完了まで約10ヶ月がかかる事になる。

7月3日迄に異議告知書に対しての返答文書を提出しなければならないユニバーサルミュージック。EMIミュージックのレコード部門の1部を切り売りしなければならない。アメリカの業界誌ヒッツはその候補に下記のレーベルをあげた。

ブルーノート・レコード
マンハッタン・レコード
クリスチャン・ミュージック・グループ
ラテン・ミュージック・グループ
アストラルワークス
ハーヴェスト・レコード
クリサリス・レコード

マンハッタンやハーヴェスト、クリサリスは過去のカタログが主だ。ブルーノートにはノラ・ジョーンズがいるが、大半は過去のジャズ・カタログ。しかし日本でのブルーノートは大ブランドだ。当ブログ筆者の師である日本の音楽出版社最大手「フジパシフィック音楽出版」の朝妻一郎会長に質問したら、ユニバーサルは「ヴァーヴ」というジャズ・レーベルがある。ユニバーサルミュージックは昨年末プロデューサーのデイヴィッド・フォスターをヴァーヴ・レコードを本体とするヴァーヴ・ミュージック・グループの会長として迎えたばかり。買収を遂行するという観点からすればブルーノートは要らないという事だろうと答えてくれた。

そして先週末、ニュージーランド商業委員会はニュージーランドにおけるユニバーサルミュージックのEMIミュージック買収を認めると声明を出した。

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