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Deezer、リミックス機能の提供開始 AIは一切使用せず

ビジネス 海外

フランスの音楽ストリーミングサービスDeezerは6月24日、オリジナルアーティストや権利保有者の全面的な同意の下、ファンが楽曲のリミックスを作成できる機能「リミックス・ラボ(Remix Lab)」のリリースを発表した。リミックスされた楽曲が1回再生されるごとに、アーティストに報酬が支払われる。

注目すべきは、ファンによるリミックスにAIツールを活用しているYouTubeやSpotifyとは異なり、Deezerはリバーブの追加やテンポの調整など、リミックスを作成するためのアプリ内ツールを導入している点だ。音楽のジャンルやスタイルの変更といった、より高度なオプションも利用できる。

当初はフランスでのみ利用でき、将来的には他国にも展開する計画。現在、セリーヌ・ディオンら一部のフランス人アーティストの楽曲をリミックスすることが可能となっている。

他のほとんどのストリーミングサービスがAI主導の方向へと舵を切っている流れと逆行するもので、ここでもDeezerのAIに対する一貫とした厳格な姿勢が見て取れる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

各社がAIに舵を切るなか、Deezer(フランスの音楽配信サービス)は「人間の手でのリミックス」という逆を行く。新機能「リミックス・ラボ」は、ファンがテンポを変えたり、リバーブを足したり、ジャンルを組み替えたりと、自分の感覚で楽曲をアレンジできるツールだ。ここがSpotifyやYouTubeとの分かれ目になる。両社はAIにリミックスを生成させる方向を探るが、Deezerはあくまで人間が手を動かす設計を選んだ。

同社は以前から、配信される新規楽曲の多くがAI生成である実態を公表し、不正なAI楽曲の排除に取り組むなど、反AIの姿勢を一貫させてきた。AIが手軽に「それらしい」音楽を量産する時代に、あえて人の創作行為を主役に据える。原曲者への再生ごとの報酬も組み込み、創作の手応えと正当な対価を結びつけた。技術の使い方を巡る各社の哲学の違いが、この一機能にくっきりと表れている。

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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