【ライブレポート】絶望と希望を歌う7つの魂 AsIs、ツアーファイナルで示す「可能性」と未来へのロードマップ

新曲「絶望歌」を含む全18曲を披露。AsIsがツアーファイナルで示した可能性。デビューからわずか1年半の7人組アイドルグループ・AsIs（アズイズ）が、チケット完売となったツアーファイナルを品川インターシティホールで開催した。熱気に包まれた会場で、新曲を含む全18曲を披露した。

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大阪からスタートしたAsIs初となる全国ツアー「AsIs 1st TOUR -NO EDIT. NO FILTER.-」は、愛知、福岡、広島を経て東京へ。チケットは前売りで完売し、当日は満員のファンで会場が埋め尽くされた。

オープニングは「Overture」から始まり、雨野せいから1人ずつステージに登場。1曲目はデビュー当初から大切にされている「be yourself」。山城虹奏の凛とした歌声が静寂の中に響き、会場を惹き込む。「あと、1センチの本音」に続き、「僕は気付いてた」では南世菜の「甘やかしてあげる～」と可愛らしい掛け声に合わせてシャボン玉が会場を包み込み、「ツワブキ」で温かな雰囲気になった。

MCで自己紹介を行った後、「ありのままの姿」「Beaver!」と続き、特殊効果による演出で会場の空気感が変わったところで、デビュー曲の「好きなだけ好きでいる」から1st YEAR ANNIVERSARY LIVEで披露した「きみの好きを否定なんかしない」へと繋がれたシーンはハイライトの一つとなった。さらに「手錠を壊せ！」での自らのマイクによるセリフパフォーマンスなど、ツアーファイナルならではの演出が随所に散りばめられた。

ライブ中盤、2025年の夏の思い出が映像でよみがえり、新曲「We are IDOL」が披露された。本ツアーでは各都市に裏テーマが設定されており、「はじまり（大阪）」「肯定（愛知）」「葛藤（福岡）「突破（広島）」そして「可能性（東京）」という構成だ。

歌い出し、“おそらく僕は二度とこの夏を忘れずにいよう”というフレーズは、映像が伝えたかったこの夏の思い出を忘れないというメッセージとともに、東京の裏テーマ“可能性”を感じさせる未来に向けた歌詞が見事にマッチしていた。

後半戦は瀬乃ひより、星野夢空の言葉で紡がれ「「拝啓、過去の自分」」に続いた。ここからは怒涛の3曲、「いつかの僕らの声に応えて」「大人の青春」、そしてツアー大阪で初披露され、ツアータイトルにもなっている「NO FILTER.」。イントロがアレンジされドラムの音が響くなか、北川姫子がファンとメンバーと共に駆け抜けた夏を回想し、曲振りに合わせてメンバーたちの力強い足音が鳴り響くと会場からはこの日一番の歓声が上がった。

アンコール映像では、メンバーが未来を語る中に映し出された「絶望」の二文字。その直後に登場した新曲「絶望歌」は、“絶望”を繰り返す衝撃的な楽曲で、瞬きを忘れてしまうほどのパフォーマンスとなった。

作曲は「We are IDOL」と同じくヒットメーカー・バグベア、編曲は宮川麿、作詞はバグベアとAsIsプロデューサー・ななむぎによる共作。同じ制作陣が相対するテーマの楽曲を手掛けたことにも、大きな意味が込められている。これからこの「絶望歌」が、AsIsとどのような成長を遂げるのか、期待される。

さらにMCでは、桃井美月が新キャプテン、北川姫子が副キャプテンに任命されたことがサプライズ発表された。そして2026年3月29日、グループ史上最大規模となる「恵比寿The Garden Hall」での「2nd ANNIVERSARY LIVE」の開催も告知され、会場は歓声と拍手に包まれた。

ツアーファイナルもいよいよ佳境に。7月のツアー愛知で初披露された「Black Swan」「NO FILTER.」と共にこの夏のAsIsを語る上で欠かせない楽曲となった。瀬乃ひよりの伸びやかな歌声が心地よく会場全体を包み込み、息を吞むような世界観を創り出し、雰囲気を一瞬で変える特別アドラブル」。ファンの声援が一段と上がり、会場中にコールが巻き起こる。ステージからはサインの入ったカラーボールが投げられ、メンバーの楽しそうな笑顔が印象的だった。そして、最後はAsIsが届ける「愛を叫ぶ」。一つ一つの歌詞に、そしてファンと一緒に叫ぶ言葉が会場を一つにした。ツアー、そしてこの夏を通して確実に成長した姿がそこにはあった。これからのAsIsには“可能性”しかない。

桃井美月（キャプテン）メッセージ

「「AsIs 1st TOUR -NO EDIT. NO FILTER.-」にご来場くださりありがとうございました。AsIsにとって初めての全国ツアー、夢のような満員の景色で完走することができました。

そして、このたびAsIs初のキャプテンに就任することになりました。AsIsは結成当初から「キャプテンを作らない」と決めていて、誰かひとりが引っ張るのではなく、7人で力を合わせてここまで歩んできました。それが、このタイミングでキャプテンを作ることになったのには大きな意味があると思っています。

キャプテンになるには、足りないところがあるのは自覚していますが、2周年に向けてさらなる成長をお見せして、一歩一歩着実に進んでいきたいと思いますので、みなさんが好きでいてくれるAsIsが、この先も価値のあるものとしてみなさんのそばに居続けられるよう、精一杯頑張ります！」

AsIs 1st TOUR in TOKYO SET LIST

0）Over Ture
1）be yourself
2）あと、1センチの本音
3）僕は気付いてた
4）ツワブキ
5）ありのままの姿
6）Beaver!
7）好きなだけ好きでいる
8）きみの好きを否定なんかしない
9）手錠を壊せ！
10）We are IDOL（※新曲）
11）「拝啓、過去の自分」
12）いつかの僕らの声に応えて
13）大人の青春
14）NO FILTER.
EN-1）絶望歌（※新曲）
EN-2）Black Swan
EN-3）特別アドラブル
EN-4）愛を叫ぶ

AsIs（アズイズ）

2024年3月にデビューした「ありのままの姿でいい。君の好きを否定なんかしない」をコンセプトとする7人組アイドルグループ。