ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート、2022年はバレンボイム指揮 デジタル配信は1月7日スタート

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コロナ禍で今年も来日公演を実現させ、日本の音楽ファンに熱いメッセージを届けたウィーン・フィル。彼らのコンサートの中でも最も有名なのが毎年1月1日に行なわれるニューイヤー・コンサートだ。2022年の指揮者は、現在ベルリン国立歌劇場音楽総監督をつとめるダニエル・バレンボイムが務める。

アルゼンチン出身のバレンボイムがウィーン・フィルと初共演したのは1965年8月のザルツブルク音楽祭でのことで、ピアニストとしてモーツァルトのピアノ協奏曲第24番を演奏している。それ以来200回近い共演を重ね、今ウィーン・フィルと最も密接な関係にあるバレンボイムは、昨年コロナ禍で演奏休止を余儀なくなくされた同フィルが、演奏再開後最初に迎えた指揮者でもある。ニューイヤー・コンサートには2014年以来、8年ぶり・3度目の登場となるが、これは来年80歳をむかえる巨匠へのウィーン・フィルからのプレゼントともいえよう。 

2022年は、演奏会冒頭に「フェニックス行進曲」、ワルツ「フェニックスの羽ばたき」と、不死鳥(フェニックス)の名を冠した曲が2曲並んでいて、「コロナに屈しない」というウィーン・フィルの決意表明であるかのよう。今年生誕195年となるヨーゼフ・シュトラウスのポルカ・マズルカ「海の精セイレーン」など、ニューイヤー初登場曲は6曲。「こうもり」序曲、「天体の音楽」などの有名曲も並び、「ペルシャ行進曲」や「千一夜物語」、「プラハへご挨拶」といった、名前からエキゾチシズムを喚起させる作品も取り上げられるなど、華やかなコンサートが目に浮かぶようだ。もちろん定番のアンコールや新年の挨拶も予定されている。 

元旦の演奏会でのライヴ収録直後に音声の編集が行われすぐさま発売・配信されるのがニューイヤー・コンサートの通例で、2022年は1月7日に全世界でデジタル配信が開始される。ヨーロッパのCDショップの店頭に並ぶのは1月14日。国内盤での発売はCDが1月26日、ブルーレイが2月16日の予定。

CDの音声はフリーデマン・エンゲルブレト率いるベルリンのテルデックス・スタジオ、ブルーレイの収録はオーストリア放送協会(ORF)が担う。毎年の収録を通じてホールの特性を知り尽くした両者が生み出す鮮明な音声と映像は、たくさんの花で美しく彩られた黄金のホールで繰り広げられる音楽の饗宴を生々しく楽しむ贅沢を与えてくれるだろう。ブルーレイには、海外ではTV生中継の休憩時間に放映されるウィーン・フィルのメンバーによる室内楽でつづった映像作品のほか、恒例のウィーン国立バレエ団によるバレエ・シーン付きの特典映像が収録される予定。 

なお2021年は無観客公演となったニューイヤー・コンサートだが、2022年の公演が無観客で開催されるかどうかは現時点では未定。ウィーンでは、オーストリア政府によるロックダウンのため12月12日までは公演が行われていない。 

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