「TRIO VENTUS」(トリオ・ヴェントス)
2020年10月21日(水)ヴァイオリン・チェロ・ピアノのトリオ「TRIO VENTUS」(トリオ・ヴェントス(以下、 トリオヴェントス)のファーストCDが日本アコースティックレコーズより発売される。
トリオヴェントスは、2011年~2019年にドイツ・ベルリンを留学の地として活動していた三人の音楽家、廣瀬心香(ヴァイオリン)、鈴木皓矢(チェロ)、北端祥人(ピアノ)によるピアノトリオ。日本へ活動拠点を移すのを機に2019年9月に結成され、スタイリッシュでエモーショナルな演奏スタイルが特徴だという。“VENTUS”はラテン語で「風」を意味し、「同じ土地の風」を浴びたメンバーによる、三者三様の風の重なりを聴いて欲しい、という想いで活動している。
「TRIO VENTUS」(トリオ・ヴェントス)
今回のCD発売について、3名よりコメントが届いた。なお、トリオヴェントスは、10月20日(火)東京文化会館 小ホールにてリサイタルを予定している。
■コロナ禍とCD制作に関する想いについて
コロナ禍の影響により演奏会キャンセルが相次いだため、今回の東京文化会館のリサイタルは私たちにとって、ドイツから帰国後1回目の大きな舞台になります。 その記念すべき日にCDをリリース出来ること、そして久しぶりに生の演奏を届けられることが本当に楽しみです。(廣瀬)
演奏機会やコンサートが極端に減ったことで時間的余裕ができ、3人が同じ方向を向いて磨き上げながら一つのものを突き詰めていくことができました。 (鈴木)
深刻な状況の中での”最初の1ページ”としてこの2曲を形に残す事ができましたが、 これは決して偶然の産物では無く、 導かれたものなのかもしれません。 僕たちも人と会えず、 音楽を奏でられず、 自分と向き合う時間が凄く増えたんですね。 精神状態っていうのが作曲家や曲自体とリンクしたこともあり、 集中して取り組めました。 (北端)
CD発売記念プロモーション動画 URL
■収録曲の聴きどころ、 演奏に対する想いについて
この二人の作曲家の組み合わせは少し珍しいものなのですが、 融合された世界観が気に入っていて、 自分たちのオリジナルの世界を生んでいくことが新鮮で楽しく感じました。 CDは生の演奏とは違い、 ”アート作品を作り出す”感覚があり、 ジャケットからブックレット、 レーベルのデザインなど、 すべてが一つになった「芸術作品」としてお手にとっていただければと思います。 (廣瀬)
シューベルトが晩年に書き上げた彼の集大成と言っても良いピアノ三重奏曲第2番、 ショスタコーヴィチが親友の死に際して作曲した哀しくも美しく昇華される ようなピアノ三重奏曲第2番。 どちらも時代やスタイルが大きく異なるものですが、 根底に流れる繊細で光り輝く音楽性に、 共鳴性とシンパシーを感じます。 静と動、 色彩に空気感。 異なる要素が巧みに絡み合った世界を表現しました。 今の僕らが紡ぎ出す風(ヴェントゥス)を感じていただけると嬉しいです。 (鈴木)
収録曲は2曲とも、 ”孤独と向き合い、 その中において完成した答え”のような曲だと感じています。 一人取り残され、 時が止まったかの様に感じる寂寥感が、 この2曲を、 そして現代のコロナ禍の最中の我々を繋いでくれたのかなと思います。 そんな音を感じ取っていただければ幸いです。 (北端)