谷村新司、国立劇場でのリサイタル「2018 THE SINGER」で新録のアーリー・ベスト発売を発表

アーティスト

谷村新司

昨年アーティスト活動45 周年を迎え、今年3月には2019年にアリスの再始動を発表とますます精力的に活動する谷村新司が、国立劇場大劇場にて4月6 日、7 日、8 日の三日間連続公演を行った。その最終日となった4月8日の公演で、今年6月に新録音のアーリー・ベスト・アルバムの発売をMCにて発表。

この新作は、昨年発売されたアルバム『STANDARD〜呼吸〜』に続く、谷村新司待望の新作。1980 年の発表から“38 年目に思う事”を込めて、あの名曲「昴」を再録音。その他「陽はまた昇る」「いい日旅立ち」などソロ初期の名曲を全曲スタジオで新レコーディングした内容となっている。

発売についてのコメントも到着した。

コンサートでの主なMC内容
「今年のテーマは“38年目の昴”です。『昴』が誕生したのは1980年。日本中がバブルに向かって加速し始めていた頃です。やがてN.Y.のシンボル“ロックフェラーセンター”を日本の企業が買った、と大騒ぎにもなりました。ひょっとするとお金さえあれば「幸せ」も買えるかもしれない、そんな錯覚と共に頂上の見えない山をひたすら登り続けていたあの頃、“我々は一体 何処に向かっているんだろう?”そんな不安の中で生まれた楽曲が「昴」でした。アルバム『昴』のジャケットには、トレーニング用のスウェットを着て夜の闇を行く32歳の自分が写っています」

「年間200から300ステージをしながら、東京と大阪で生のラジオ番組をし、作品を作り、レコーディングもしていた……もしかすると自分はスーパーマンかもしれないと、体力を過信していた頃でもありました。そして初めて身体を壊して倒れた時、命には限りがあることを初めて実感しました。入院していた間、病院のベッドで天井を見つめながら過ごした長い夜が自分に新しい世界を教えてくれました」

「『昴』を発表した1年後の1981年、アリスの活動最後の年の夏、その後の自分の生き方を決める旅をしました。中国・北京での日中国交正常化10周年記念の友好コンサートがそれでした。当時の北京の街には高いビルはほとんど無く、夜明けと共に溢れ出てくる自転車の洪水の中で見上げていた抜けるような青い空は今でもよく覚えています」

「アリスは3人そろって70歳になります。古希になったアリスが来年2019年に再び動き出します。“アリス アゲイン”です」

「一昨年、渋谷のNHK ホールでシャルル・アズナブールの92歳のステージを見ました。彼の歌声に包まれながら、初めて彼のステージを見ていた大学生時代の20歳の自分に戻っていました。純粋に一人のアーティストと一人のファンとして、50年を越えた再会の歓びは言葉に出来ない程の深い感動でした。アズナブール92歳。その力強い歌声に勇気をもらい、ただ彼の存在に“ありがとう”、そう思えた素晴らしい夜でした。あと20年は歌わなくっちゃ」

「実は谷村は去年、免許を取りました!世間では返納する年齢、60代最後の挑戦として受験生のキモチを体験しました。つまり、初めての免許更新が「高齢者講習」ということです。去年、尊敬する作家の五木寛之さんと歌を作りました。現在84歳の五木さんが書いて下さった詞が『Keep On!』。奇しくも今回のステージの1曲目が『Running On!』。共通のテーマが「走り続ける」ということ。その走り方も五木さんの言葉を借りれば“シフトダウン”する時。“ブレーキを踏む”のではなくシフトダウンする。ココロのギアを入れ換えて、周りの景色を楽しみながら走り続けたいですね」

「今回の“ザ・シンガー”は38年前に創られたアルバム『昴』を中心に、その頃のアルバムからこのステージの為に選曲しました。もうその頃のアナログのLP盤はなかなか手に入らないので 今回このステージで久し振りに歌った曲をこの国立劇場が終わった後に新たにレコーディングしようと思っています。これは今までにない新たな試みです。その貴重なアルバムをその日に手に入れて頂く為に、全国ツアーを6月からにして間に合うようにガンバります」

谷村新司コメント
「38年目の昴」に想うこと
「読めない未来」と「読める未来」それはまるで「昴」の詞の一説と重なっている
「せめて」と「されど」という相反する感情の中でゆれながら過ごす
2018年春 谷村新司

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