ワーナー支援のインフルエンス・メディア、アンセムの音楽資産を6.5億ドルで落札か
米資産運用会社ブラックロックとワーナー・ミュージック・グループ(WMG)が支援する音楽投資会社インフルエンス・メディア・パートナーズが、カナダの音楽会社アンセム・エンターテインメント(旧ole)の音楽資産の落札者となった。同社は、ラッシュやティンバランドなどの音楽出版カタログや原盤権を保有している。情報筋の話として、音楽業界誌ビルボードが6月24日伝えた。
落札額は6億5,000万ドル超。取引はカナダ当局の承認を必要とし、ラッシュのカタログなどが含まれていることから審査には時間がかかるとみられている。不成立となった場合、インフルエンスが手数料を負担する。
アンセムの音楽資産が売却にかけられるのは過去10年で3回目。今回の取引はゴールドマン・サックスが主導し、約12社が入札。少なくとも2社が6億ドルを超えるオファーを出した。売却対象の事業の年間売上高は4,500万〜5,000万ドルで、約半分を出版事業が占める。
取引の対象は、アンセムの音楽出版カタログ、原盤ポートフォリオ、および『スパイダーマン』や『メン・イン・ブラック』シリーズを含むソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの出版カタログが含まれる。一方、視聴覚コンテンツの二次権利管理事業を手がけるコンパクト・メディアと、アンセム・エンターテインメントのプラットフォーム自体は対象外。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
音楽カタログを巡る争奪戦が、依然として熱を帯びている。ゴールドマン・サックスが主導したアンセム・エンターテインメント(旧ole、カナダの音楽会社)の売却で、インフルエンス・メディアが6億5,000万ドル(約1,025億円)超で落札した。注目したいのは、その価格だ。年間売上4,500万〜5,000万ドルに対し、落札額はおよそ13〜15倍に相当する。約12社が入札し、少なくとも2社が6億ドル超を提示したという過熱ぶりも、優良カタログの希少性を映している。背景にあるのは、安定した著作権収入を「ビルの家賃のように」生む音楽資産への、機関投資家の旺盛な需要だ。ブラックロックという世界最大級の運用会社が買い手側に名を連ねるのも、その象徴といえる。
ラッシュやティンバランド、『スパイダーマン』の楽曲群といった時代を超えて愛される作品ほど、こうした投資の標的になりやすい。名曲のカタログが、確かな金融資産として扱われる時代が続いている。
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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