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米リザーバー支援の中東・北アフリカ独立音楽企業ポップアラビア、ディストリビューター事業に参入 地場企業買収で

ビジネス 海外

米国のインディーズ音楽企業リザーバー・メディアは4月20日、パートナー企業である中東・北アフリカ(MENA)地域の出版およびレーベル事業を手がける「ポップアラビア(PopArabia)」が、同地域のレーベル兼デジタルディストリビューターであるバイラルウェーブ(Viral Wave)を買収すると発表した。今回の買収により、アラビア語楽曲のカタログが計10万曲近くに拡大するとともに、流通インフラとエジプトでの正式拠点を取得することとなる。

カイロにあるバイラルウェーブの事業子会社が、ポップアラビアの既存チームに加わり、これにより同社のスタッフ体制はエジプト、モロッコ、アラブ首長国連邦(UAE)で計30人以上となる。エジプト担当ゼネラルマネージャーには、バイラルウェーブでシニア・コマーシャル・マネージャーを務めてきたラニア・イブラヒム氏が就く。

ポップアラビアは初めてフルサービスのディストリビューション事業を自社プラットフォームに統合することとなり、権利取得や出版管理から、デジタル配信、音楽監修、ESMAAを通じた演奏権徴収に至るまで、MENA地域におけるバリューチェーン全体を網羅する体制を構築した。

国際レコード産業連盟(IFPI)によると、MENA地域の原盤市場は2025年に前年比15.2%増と、世界で2番目に高い成長率を記録。原盤売り上げのうち、97.5%をストリーミングが占めた。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

IFPIのグローバル音楽レポートが示す成長地図で、MENA(中東・北アフリカ)地域は中南米17.1%増に次ぐ世界第2位の成長率15.2%を記録した。音楽産業のグローバル化が「英語圏から非英語圏へ」という段階に着実に向かっていることが、この数字から読み取れる。リザーバー・メディアがアラビア語楽曲10万曲のカタログと流通インフラを手に入れた判断は、その地図の書き換えへの参入だ。エジプト・モロッコ・UAEという三拠点30人体制は、MENA地域が一枚岩ではなく多様な市場の集合体であることへの対応でもある。原盤売上の97.5%をストリーミングが占めるという数字は、フィジカルを経ずにデジタルが定着した市場の特性を映し出す——日本の逆を行くモデルだ。HYBEがインドで、WMGがK-POPでグローバル展開を図る流れと同じ文脈で、リザーバーはアラビア語という言語市場の垂直統合を選んだ。音楽産業の次の成長が「どの言語市場を誰が押さえるか」という競争になってきた。

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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